2019年09月09日

【スポーツ】

アリーナ?武道館?これって同じ話だっけ?

こんにちは、富山県議会議員の瀬川侑希です。

こちらは北日本新聞の記事ですが、富山県は有識者会議を設置し、全天候型多目的施設(アリーナ)の検討をこれまで進めてきました。

先日、その有識者会議から、

「アリーナ」ではなく「武道館」を!

という報告書が提出され、武道館整備に一気に舵が切られることになりました。収容人数3,000人程度、建設費は100億円程度が想定されているようです。

報告書が提出されたことで、

「どんな施設になるのか?」

「場所はどこ?」

など今後の展開への議論が過熱してきましたが、私は初めてこの話を聞いた時、少々戸惑いました。

それは、「アリーナと武道館って同じ話だっけ?」という感覚があったからです。みなさんの中にも同じ戸惑いを感じた方もいらっしゃるかもしれません。

そもそも「アリーナ構想」は、2017年12月に行った「健康、運動・スポーツに関する県民意識調査」の結果(1,200人を対象に回答は445人)、
69.7%の方から全天候型の多目的施設の整備が必要という回答が出たことで具体的に動き出しました。

意識調査を行うきっかけはもっとさかのぼり、県民との様々な懇談会の中で、アリーナを整備しては?という声があったことで、この調査を実施したようです。

(そういう意味では、県民の声が届いたら実際に動きだす、いい例ですね。)

一方で、「武道館整備」は別個の議論として行われていました。

県営の2つの武道館(富山武道館と高岡武道館)はいずれも約40年経過しており、空調がなく観覧スペースが乏しいため、武道団体から新設を求める要望が以前からありました。

(これは個人的な見解ですが、とはいえ武道館はもう少し使える施設ではあるので、整備には相当時間がかかるだろう、と感じていました。)

この2つの議論が「アリーナ構想」を検討する過程で、途中から一緒になり、

最終的に「武道館を!」になりました。

私は、当初こそ2つの別々の話が一緒になったことに戸惑いを感じましたが、整備内容によっては、この結論でよかったのではと思っています。

というのも、「武道館」というのでイメージが引っ張られますが、日本で一番有名な武道館「日本武道館」では、もちろん武道の試合は行われますが、使用の約半分はコンサートが行われており、その他、入学式や大規模な集会なども行われています。全天候型多目的施設なんです!

(私は大学時代空手部でしたが、主要な大会はすべて日本武道館で行われました。この会場で試合できる喜びがありました。)

名前は「武道館」ではありますが、それこそ当初の「アリーナ構想」のように、コンサートや各種集会も行える、多目的な施設になれば、単に「アリーナ」、単に「武道館」として整備するよりも稼働率の高い、採算の取れる施設になるのではと思います。

そういう意味で、「場所」に関しては、

普通にいくと「富山駅近く」が最有力候補でありますが、

絶っっっっっ対に「新高岡駅前、スポーツコア内スペース」が最適地であると主張します。

それには4つの理由があります。

①各自治体がそれぞれ施設を建てる時代ではない

スポーツコア内には、高岡市が市立体育館を建てようとして、財源のメドが立たず、凍結したスペースがあります。

そのスペースを使い、県が半分、市が半分のお金を出し合って、建設してはどうでしょうか?

財源の心配も折半、稼働率の懸念も折半になります。

県が運動施設を作り、市も運動施設を作る、もはやそんな時代ではありません。隣接する市同士で施設をシェアする例も出てきましたが、県と市で施設をシェアしてはどうでしょうか?

②さらに市民会館の機能も持たせてはどうか

さらに高岡市には、こちらも財源のメドが立たず、市民会館を休館させている事情があります。

上記同様、運動施設を作って、文化の拠点を作って、と別個に考える時代ではありませんので、市民会館の機能も持たせてはどうでしょうか?

もちろんこの機能を持たせる場合、高岡市はさらに応分の負担をする必要がありますが、それでも個別に建てるよりはよっぽど安上がります。

③北陸からの集客を目指す

富山県内からの集客を考えると、中心に位置する富山駅前がよいのかもしれません。しかしそれでは県民100万人を対象にする発想から抜けられません。

石川県、福井県からの集客も考え、なるべく県西部に整備してはどうでしょうか?

④東京一極集中に物申している県が、県内では一極集中をするのか

県が運営する、デザインセンターや文化ホール、テクノドーム、プールなどが高岡市にありますが、生活していて県営の施設はほんとうに富山市に固まっているなと感じます。

これまではある程度仕方のないことだと思っていました。しかし、県議会議員になって初めて分かりましたが、石井知事は東京一極集中に並々ならぬ覚悟で抵抗しており、その姿勢が非常に頼もしく感じます。

みなさんも小池東京都知事との丁々発止の論戦は新聞などでご覧になったことがあるかもしれません。

そんな知事、そんな県だからこそ、県庁所在地への一極集中ではなく、「こういう分散を国でもやってほしいんだ!」というメッセージある実践をやるべきではないでしょうか?県外への主張と県内への実践が違っては、ちぐはぐな印象を受けます。

このような理由から、私は「新高岡駅前、スポーツコア内スペース」が最適地であると考えます。明日から県議会では9月議会が始まります。残念ながら9月議会では私の一般質問はありませんが、武道館整備も論戦の1つです。多くの議員が取り上げることかと思います。ぜひ関心をもって頂ければと思います!

2019年08月31日

【自分の考え】

政策を考える上で念頭においていること

こんばんは、富山県議会議員の瀬川侑希です。

前回のブログで、

・富山で子育てしたくなる政策

・持続可能な都市運営

・富山県のブランド戦略

この3つを念頭におきながら活動している

と言いました。

今回はこの3点について、もう少し詳しく説明してみたいと思います。

まず、あくまで私の場合ですが、政策を考えたり、これをやったらどうですか?と役所に提案する時、2つの基準を自分に課しています。

これまでも何度か言ったことがありますが、その2つの基準とは、

「30年後の未来を想像した時に、いま必要だと思うこと」

「てこの原理のように、小さな力で大きな効果がありそうなこと」

です。

これまでの提案がすべてこの基準をクリアしてたかと言われると「?」なものもあったかもしれませんが、それでも、かなり注意して自分に課してきたルールであると思っています。

しかし、議員活動をやる中で、その基準だけでは「1つ1つの政策が提案できたとしても、方向が定まっていない」と感じることがありました。

『ゴール』がないという意味ではありません。

『ゴール』は、「30年後の富山県(高岡市)=子どもたちに誇れる富山県(高岡市)」なのですが、

そのために『中期的』にやること・目指すことをもっと明確にする必要があると思いました。

(ワンピースでも、『ラフテル』を目指すために、『仲間を増やす』や『四皇を倒す』という課題を設定していますね。)

もちろん、「子育て政策」「教育」「財政」「民間目線」「この街の資産を活かす」など、力を入れている分野はありましたが、今思うと、『短期的』な目標に分類されるんだと思います。

そこで、4月の富山県議会議員選挙に出る際、ちょうどいい機会だと捉え、『この方向で行く!』『ゴールにたどり着くために、まずはこういう富山県(高岡市)を目指したい!』という自分の政策の方向性を決める3つを設定しました。

それが、

・富山で子育てしたくなる政策

・持続可能な都市運営

・富山県のブランド戦略

です。

まず、

・富山で子育てしたくなる政策

ですが、これは「子育て支援政策」ではありません。

「この街で子育てしたくなる政策」です。

金銭面での負担を解消するといったことはもちろんですが、

海も山も近くにある恵まれた自然環境、教育県とも言われる富山の教育、富山の食の魅力。

また、美術館もありますし、週末などにプロスポーツチームの応援に行くのも楽しいです。グラウジーズ、カターレ、サンダーバーズ、アクアフェアリーズ、アランマーレ、、、たくさんの競技がありますね。

そして、高岡おとぎの森公園のような大きな公園もあります。雪かきの負担もありますが、冬には雪遊びもできます。

「富山で子育てしたくなる政策」は富山県庁ひとつでみても、〇〇課が〇〇をし、△△課が△△をし、□□課が□□をしないといけません。 総合的なデザイン力、プロデュース力、実行力がいる仕事です。

行政の仕事を横断的に、横串を通して捉える。まさしく議員にこそ求められる仕事ではないでしょうか。

その結果として、「富山で子育てしたい!」「富山で子育てできてよかった!」と1人でも思ってくれるような、そんな環境を作っていきたいと思います。

次に、

・持続可能な都市運営

です。

自分に課した「基準」にも通じますが、今だけを考えて物事を決めるのではなく、30年後まで考えて意思決定をするプロセス。

市議会では、こうした視点で多く質問をしてきました。高岡市の財政問題、小学校統廃合の問題…。

今、一見必要に見えるかもしれないことは、30年後のこの街にも必要なことかどうか、チェックすることが大事だと考えます。

また、持続可能な都市運営のためには、健康寿命を延ばすことが欠かせません。

国全体で、医療にかかるお金が膨らんできていて、その他の投資に回す余力が無くなってきています。

高齢者が元気な街は、将来のために投資ができる街でもあるんです。

そうした街には人が集まってきます。

最後に、 こうした政策のエンジンとして、

・富山県のブランド戦略

にさらに力を入れる必要があると考えています。

富山県から新しく産まれた新しい品種のお米「富富富」の首都圏でのプロモーションだとか、富山県の観光地に県外や海外から足を運んでいただく観光プロモーション、こうしたことは必要なことですが、 外の人のためだけに「ブランド」が要るのではありません。今、一番必要なのは、住民に実感される「富山県のブランド」戦略だと思っています。

住んでいる私たちが「富山はここが素晴らしい!」「ここがおススメだよ!」と自信を持って話すことが、外の人にとっては何よりも魅力的で、ブランドにつながります。

「富山で子育てしたくなる政策」「持続可能な都市運営」「富山県のブランド戦略」これらはぜんぶ有機的に結びついていることです。

普段こんなことを考えながら活動しています。引き続き、『中期目標』としてこの3つを目指して、これからも活動を続けていこうと思いますので、もし道を外れていそうだったら、「それは『中期目標』から外れていない?大丈夫?」と声を掛けていただけると嬉しいです!

ではまた!

2019年08月20日

【市民の動き】

次世代からの嬉しいお誘い

こんにちは、富山県議会議員の瀬川侑希です。

この仕事をしていて、本当に嬉しい瞬間でしたが、
数カ月前、20代の若者3人から、

「今まで政治に興味なかったけど、同年代で考えてみたいんで、ワークショップするから来てくれませんか?」

というお誘いが、同級生県議3人(平木・大門・瀬川)にありました。

以前、「若者の政治離れ」ではなく「政治の若者離れ」という指摘を見つけたとき、悔しいですが当たっているように思いました。

また、私自身、「次の世代にお金をかける社会にしたい」と言ってきたつもりですが、若者の投票率などをみても、『お前が言っているつもりになっているだけで、全然伝わってないんだ』と無力感を感じることもしばしば…。

だからこそ、このお誘いはとっても嬉しかったです。きっかけを持ってくれた若者がいるではないですか!

先日、ワークショップ本番でした。

『コメンテーターをやめて、1人1人が富山のために何ができるか考えよう、そして一歩踏み出そう』

という趣旨でワークショップが企画され、県議3人はゲスト参加。

政治はあくまで1つの手段という位置づけで、3人がそれぞれ20分の事例紹介を。

内容が内容ですし、日曜の18時~22時という「4時間」と公言したワークショップだったので、

参加者はどれくらいいるのか?

話が噛み合うのか?

始まる前は不安でしたが、、、

心配無用!

会場は異様な熱気で、始まったら4時間を超えて、4時間半ノンストップ。みんなで喋って、考えて。

実は、他の議員の考えをじっくり聞くという機会はあるようで意外とないので、私自身、他の2人の話を聞くのは大変参考になりました。

私からは、これまでの取り組みと、

・富山で子育てしたくなる政策

・持続可能な都市運営

・富山県のブランド戦略

いつもこの3つを念頭におきながら、活動するようにしている。そのようなことを話しました。

(この3つについては、次回ブログで書いてみたいと思います。)

当日は「グラフィックファシリテーション」という手法で、議事録をビジュアルで示しました。これが参加者にとっても好評!

行政は常に何かを決定しているのですが、

それが見えにくい!

そして、決定までのプロセスとなるともっと見えにくい!

そういう性質なのかもしれませんが、このままでいいとは思いません!

私は、行政の1階などに、どんどんこのような議事録を貼り出し、

何が決まっているのか、どのようなプロセスなのか、住民に少しでも理解してもらえるよう取り組むべきだと思っております。

行政への不満はコミュニケーション不足も一因ではないでしょうか?行政側からのコミュニケーションが増えることで、きっと今よりも不満→信頼への変化が生まれるはず。

話が少し逸れましたが、

参加費2,000円がかかるワークショップに、次々と来場する若い人を見ると、、、こみ上げるような感激がありました。まだまだ世の中捨てたもんじゃないし、彼ら彼女らのためにも少しでもいい社会を作ってバトンタッチしないと!

参加者お1人お1人の考えや想いが聞けたのも、大変貴重な機会でした。

もちろん、やりたいことがあって議員になったわけですが、選ばれてこの仕事に就いています。みなさんの想いを実現するのも議員の大事な仕事ですので、1つでも実現できるよう、頑張ります!!


運営のみなさん、大変なことも多かったと思いますが、ありがとうございました!!

それにしても、グラフィックファシリテーターの鈴木さん、私の鼻の大きさを見事に再現していて、、、プロは特徴を捉えるのが上手だなと思いました(笑)。


2019年08月16日

【自分の考え】

富山県は本当に人口が減るの?

こんにちは、富山県議会議員の瀬川侑希です。

「これからは人口が減る時代だ!」
「少子高齢化が進んでいる!」

ネットやテレビ、新聞でこのような言葉を見ない日はありません。

しかし、本当にそうなのでしょうか?そして、やっぱり富山県もそうなのでしょうか?

ここまで言われているので、恐らく本当であり、富山県だけ例外ということはないと思いますが、イメージで話すのではなく、実際の数字で確認しておきたいと思います!

まず、人口動態は「社会増減」と「自然増減」の2つに大別されます。

「社会増減」…人口流入数と流出数の差

「自然増減」…出生数と死亡数の差

まず、社会増減から見ていきます。

社会増減は進学、就職、結婚、移住など、さまざまなライフイベントで引っ越した方々の増減です。

みなさん、富山県の社会増減に関して、どのようなイメージをお持ちでしょうか?

私がよく聞くのは、

「大学で出てって、帰ってこん。若い人がどんどんおらんくなる。」

です。

私も、以前似たようなイメージを持っていました。

しかし、結果はこちらです。

なんと、4大都市圏以外では、富山と石川だけ、社会動態では人口が増えております。

もちろん、大学を機に、県外に行く学生は多いです。そのまま県外に住む方も一定数いらっしゃいます。

しかし、全国と比較してみると、富山県のUターン率は約55%で全国2位の高さ。そして、県外に残る方よりも多くの方が富山県に引っ越してくれているんですね。

私たち富山県民が思っている以上に、今、富山は「選ばれる県」になりつつあります。

次に自然増減を見ます。上記のグラフでも分かる通り、自然増減は富山県はマイナスです。(実は東京都もマイナスで、全国で唯一、沖縄県だけがプラスです。)

この「自然増減」が話題になる時、よく聞く言葉に、「合計特殊出生率」というものがあります。

「合計特殊出生率」…一人の女性が産む子どもの数の平均。2.07が自然増と自然減の境目といわれる

(厳密にいうと、今すぐ2.07になっても、高齢者と若者の絶対数が違うので、すぐに自然減が止まる、というわけではありませんが、2.07以上が続くならば、自然減はそのうち下げ止まります。)

平成30年、合計特殊出生率の全国平均は1.42(平成29年1.43)でした。それに対して、富山県は1.52(平成29年1.55)。

全国平均を上回るものの、富山県の掲げる、2040年に2.07とする目標から少し遠ざかってしまいました。

もちろん数字だけを見たり、結果に一喜一憂すべきではないと思います。実際に、例えば平成30年度だけでも、富山県は「子育て応援券事業」を拡充したり、9月以降、新たに、一定の低所得世帯の第1子・第2子に対する保育料の無償化や軽減に取り組む市町村を支援したり、着実に環境はよくなっております。

しかし、支援と数字がリンクしていかないのは、

支援が「もう1人ほしい」と思うほどには実感として感じられない、前には進んでいるが歩みが遅い、

要は「支援が足りない」のだと、私は思います。

何もやっていないとは言いませんが、結果を真摯に受け止めて次に繋げる必要があります。

最後に、合計特殊出生率1.52。目標より低いのは分かったのですが、この数字が続くと、実際にどうなるのでしょうか?

すごく乱暴に例えますが、

第一世代に100万人いたとして、ちょうど男女が50万人ずつだったとします。

合計特殊出生率が1.5だと、第二世代は75万人になります。

この75万人が、ちょうど男女が半分ずつ、37.5万人ずつだったとします。

合計特殊出生率が1.5だと、第三世代は56.25万人になります。

つまりおじいちゃん世代から孫世代になるだけで、人口が約半分に。出産平均年齢がだいたい30歳なので、60年で人口が約半分に…。

人口が減るのは理解していましたが、こんなペースなんですね…。

だから「もっと子どもの数を増やさないと!」と安易に言うべきではありませんが、

「これだったらもう1人子どもがほしいな」「富山で子育てしたいな」と、『自然と』思えるような、そういった環境を整えたいですね!

今回はここまで!よいお盆をお過ごしください!

2019年07月31日

【自分の考え】

消費税増税分は何に使われるの?

こんにちは、富山県議会議員の瀬川侑希です。

いよいよ、10月から消費税が8%→10%になります。

嫌な変更かと思います。

税金が上がることに対して、嬉しい人なんて誰もいないでしょう。私だってそうです。少しでも低い方がいいに決まっています。

しかし、お子さんもお年寄りも、みんなが安心して暮らしていくために、社会保障は充実させていかなければなりません。さらに、高齢化で社会保障に必要な費用はどんどん膨らんでいます。働く世代を中心に徴収するばかりではなく、同じ税率で、消費に比例して少しずつ分担し合う。ある程度の消費税は仕方のないことだな、と私は考えています。

このテーマには様々な立場からの意見があります。批判もありましょうし、議論が尽きませんが、

活動をしていると、「消費税を増やして何に使うの?」という質問が結構多いため、「何に使うのか?」に絞って、書いてみたいと思います。

そもそも消費税を10%に上げるのは、2012年、当時の民主党政権時代に決まりました。
消費税率を5%→8%、8%→10%の2段階で増税すること、そして

5%の増税分は全額社会保障に充てること

が当時決まっています。

その後、2014年に5%→8%になりました。

8%→10%は、もともと2015年に行われる予定でしたが、2017年へ延期。さらに2019年へ再延期され、今日を迎えております。

8%→10%への増税分は約5.6兆円と試算されており、

約2.8兆円は、借金の返済に、

約1.1兆円は、社会保障の充実に、

約1.7兆円は、教育・子育ての充実に、使われる予定です。

(教育・子育ての充実とは)

認可保育所や幼稚園に通う3~5歳児と、住民税非課税世帯の0~2歳児の保育料が、原則無料になります。

ベビーホテルやベビーシッターなどを含め認可外の施設も一定条件をクリアすれば月額最大3.7万円の補助を受けることができます。

また、低所得者を対象に、大学や専門学校の学費や入学金の免除などを進めていく方向です。

実はもともと、このような使い道だったわけではなく、増税分の使い道は2017年に変更されています。

当初は、増税分の4分の3を借金の返済、残りの4分の1を社会保障の充実に使う予定でした。

これを借金の返済に回す分を増税分の2分の1に減らし、残りの税収について1.7兆円を教育・子育ての充実に。

高齢化による社会保障の増に税収が追いつかず、国の借金が拡大している状況が続いています。上記の使い道変更によって借金拡大ストップはさらに遠のいたのですが、

私は税金の使い道をより子どもたちに、子育て世代に、これからの世代に、というのは自分の考えとも同じで、よい判断だったと思っています。

(話は逸れますが、今回の増税に関しては、新聞が軽減税率対象(生活する上で必須となるものを低い税率とするルール)の8%であること。そして新聞社がそれに対して何も紙面で言わないことに疑問です。人のことになると追及するのに…。むしろ新聞よりインターネット通信費の方が、みなさんの生活に必須ではないでしょうか…。)

ちなみに、消費税10%は全額が国の財源になるわけではなく、3.7%は地方に使われます。市町村や都道府県も税収が増えることになるんですね。

冒頭にも言いましたが、消費税が増えて嬉しい人はいないと思います。解決方法を含めて、色々な考えがあり、どれが正しいというものではなく、どれも否定するものでもありませんが、私はこんな風に考えています。

2019年07月26日

【市議会】

OBとして嬉しい高岡市の動き

こんにちは、富山県議会議員の瀬川侑希です。

今回は私が嬉しかった話を。

3つあります!

「稼ぐ自治体になろう!」というのが私の信条でして、3月まで務めた高岡市議時代に、ひとつの具体例として、ふるさと納税について何度も質問したり、担当課と打ち合わせをしてきました。

まず、1つ目の嬉しい話として、昨年10月に、高岡市はふるさと納税のメニューを86種→159種に倍増し、特に「食」分野のメニューを充実させました。肉や地元産にこだわったジェラートなど。

私は高岡の「食」は本当においしく、全国に自慢できると思っていますので、この対応は大変嬉しかったです。

また、昨年11月24日にFacebookで県外の知人・友人にふるさと納税の案内をする投稿をしたところ、予想を超える多くの反応があり、さらに感動しました。

2つ目の嬉しい話として、そしてそのリニューアルの結果、昨年度は過去最高の寄付額となりました!パチパチパチ!

応援してくださったみなさま、本当にありがとうございました!!

前の年と比べ、法人などからの寄付は830万円減でしたが、

個人からの寄付は1,719万円増えて、合計4,798万円に!

まだまだ全国の自治体と比べて、少ない金額ではありますが、高岡市にとって大事な1歩かと思っています。

大変なこともあったでしょうが、リニューアルに挑戦して、結果もついてきた。

この結果は間違いなく職員の自信になり、「じゃあ次はあれしたらどうかな?これやってみよう!」と、いい循環が生まれるのでは?と勝手に期待していたら、

ほら!!やっぱり!!

3つ目の嬉しい話として、さらに今年度、ふるさと納税のメニューをリニューアルしました。

朝採れの魚を初めてメニュー化したり、

北陸新幹線グランクラス往復利用の旅セットなどにも挑戦!

何より、申し込みサイトを1サイトから5サイトに、売るチャネルを増やしました。申し込みサイトを増やすことは商品を売るお店を増やすことを意味します。それだけ多くのお客様との接点が生まれるので、ぜひやるべきだと言い続けてきましたが、ようやく実現し、喜びもひとしおです。

今年度の目標は8,500万円とのこと。もちろん達成するに越したことはありませんが、毎年改善を加え、目標に挑戦する。そのサイクルができたことを評価したいと思います。

これを続けていけば、必ず結果はついてくる!!ガンバレ、高岡市!!

2019年07月17日

【政務活動費】

政務活動費の使い道報告(平成30年度)

おはようございます、富山県議会議員の瀬川侑希です。

3月で高岡市議会議員は自動失職になっておりますが、政治家を続ける限り、透明な議会活動を行いたいと思っています。前職のことではありますが、1年前に引き続き、政務活動費の使い道をご報告致します。

1年前の報告は下記です。

この1年で環境は色々変わりました。

①まず、政務活動費は、平成30年度は議員1人につき、月額75,000円→50,000円になりました。

②また、1年前は自主的に公開しましたが、昨年度途中から高岡市議会のHPで全会派の使用実績が、公開されることになりました。

特に②に関しては、今まで議会事務局にお越し頂き、申請があって初めて閲覧できたものが、能動的な公開ですので、当たり前のことではありますが、それでも大きな一歩かと思っています。

高岡市議会議員の政務活動費は、

地方自治法第100条第14項から第16項までの規定により制定された「高岡市政務活動費の交付等に関する条例」に基づき、

市政に関する調査研究など、市議会議員としての活動のための経費の一部として、会派に交付されています。

全体としては、

476,053円の使用、

123,947円の返還となりました。79.3%の使用です。

詳細な中身や、領収書はこちら高岡市議会のURLをご覧ください。

https://www.city.takaoka.toyama.jp/gikai/shise/shigikai/documents/daisuki30_1.pdf

以下、簡単にまとめさせて頂きます。

研修費:198,421円

会費は以下です。

「日中議連会費」3,121円
「日韓議連会費」2,121円
「日台議連会費」2,162円
「国際交流協会会費」2,000円
「日中友好協会会費」2,000円
「拉致議連会費」2,097円

研修参加は以下です。

「民間活力導入による公共施設整備」旅費13,600円
「歳出予算審議のポイント」旅費14,900円+参加費5,000円
「歳入予算審議のポイント」旅費14,900円+宿泊費8,000円+参加費5,000円
「発展する地域 衰退する地域」参加費5,000円
「学校統廃合と廃校の利活用」旅費26,120円+参加費15,000円
「幼児教育・保育の無償化と保育行政」旅費25,700円+宿泊費11,700円+参加費10,000円
「あなたの街の自治体財政」参加費30,000円

広報費:12,500円

市政報告会会場費:5,000円+1,000円+5,000円+1,500円

資料作成費:5,912円

すべてコピー代です。

資料購入費:46,612円

書籍代と新聞代です。

「農業新時代」929円
「農業のマーケティング教科書」1,728円
「富山は日本のスウェーデン」886円
「凡人のための地域再生入門」1,674円
「稼ぐまちが地方を変える」799円
「地方創生大全」1,620円
「憲法問答」1,620円
「福岡市を経営する」1,620円
「学校の「当たり前」をやめた。」1,944円

富山新聞3,072円×11カ月分=33,792円

事務所費:212,608円

会派事務所の賃借料19,328円×11カ月分です。議会事務局へは物件の契約書も提出しております。

以上になります。

昨年度は意識的に研修に多く参加しました。高岡市の財政の問題、公共施設再編の問題は、高岡だけで考えるには限界があり、多くの事例に触れる必要があると感じたからです。研修以外にも、個人的にたくさんの事例を直接見に行ったり、聞きに行ったりしました。

こういった研修にはいくつか「はずれ」があるものですが、どの研修も大変有意義で、資料もまとめてありますので、内容を知りたい方はご連絡ください。

議員報酬もそうですが、政務活動費は市民の大切な税金です。その認識を決して忘れず、県議会議員になっても、公開は続けていきます。

2019年06月30日

【県議会】

富山県議会と高岡市議会の比較②

こんにちは、富山県議会議員の瀬川侑希です。

今回は、富山県議会と高岡市議会の「委員会」を比較してみたいと思います。

「委員会」とは、、、

県庁・市役所の業務は多岐に渡るので、全議員が全案件を議論するのではなく、議員にも専門性を持たせ、自分のジャンルに該当する案件を集中的に話そう、という方法が取られています。

いわゆる「常任委員会」と呼ばれるもので、富山県には5つの常任委員会、高岡市には3つの常任委員会があります(議会運営委員会を除く)。

もちろん、普段の活動において、他委員会案件を調査したり、質問したりできないわけではありませんが、

(委員会会議中に、他委員会案件の発言をすると、「所管外です。」とバッサリ切られます。)

会派を越えて全議員が話し合って、各々1つの常任委員会に所属し(2つ以上の常任委員会に入ることはできません)、その常任委員会の案件は、所属議員が特に責任を持って議論していくことになります。

こちらは、富山県議会の常任委員会と扱う案件です。

私は、「教育警務委員会」に所属しています。2年で所属委員会はローテーションします。

続いて、高岡市議会の常任委員会と扱う案件です。

1年目は「産業建設常任委員会」に、2年目は「民生病院常任委員会」に所属しました。高岡市議会は1年でローテーションしていきます。

こうしてみると、似たところもありますが、どちらかというと、違いの方が多いような…。

富山県議会は40人、高岡市議会は27人と、人数が違うこともあり委員会数に差がありますが、それよりは、県や市が管轄する仕事内容、つまり役割に違いがありそうです。

では、国・県・市の役割はそれぞれ何なのか?

せっかくなので、少し見てみましょう。

こちらは、以前愛知県がまとめたものです。実際には境界をまたがるものも多く、どちらにカテゴライズすべきか迷うものもありますが、参考まで。

「安全」が分かりやすいですが、「国」は防衛、「県」は警察、「市」は消防、が役割。管轄する仕事内容です。

また、小中学校の整備は「市」ですが、県立高校の整備は「県」、小中学校・県立高校の職員給与は「県」と決まっています。

一方で、企業誘致などは、実際には県・市どちらも取り組んでおりますし、この表にはありませんが、観光振興なんかもそうだと思います。

富山県議会と高岡市議会の「委員会」の比較。

県議会・市議会どちらも所属してみて思うことは、

・はっきり役割分担されているもの(警察、消防、学校など)は、それぞれの議会で話し合う

・一方で、どちらかに分類できないものも多く、たいていの場合は両者とも取り組んでいる←ただし、県議会の場合は、特定の市町村になるべく偏らず、県全体に恩恵があるか、という評価軸がある気がします。

というところでしょうか。

現在私の所属する「教育警務常任委員会」は、文字通り、教育委員会と警察が担当です。

教育はもともとやりたかったこと。これからの世代が「富山で育ってよかった」と思ってくれるような環境を提供したい!また、今や子どもだけが教育を受ける、という時代ではありませんので、学びたい人が誰でも学べる社会を目指して、提案していきたいと思います。

警察に関しては、富山でも凶悪な事件が立て続けに起こっています。安全に、そして安心して日々を生きられるよう、安全・安心が当たり前である環境を作っていきたいと思います。

2019年06月29日

【市議会】

小学校再編統合に関するアンケート結果

こんにちは、富山県議会議員の瀬川侑希です。

市議会議員時代の話ですが、
3月定例会の質問に向けた準備として、2019年2~3月、市内の各所(駅などを中心に)で小学校再編統合に関するアンケートを取っておりました。

寒い時期でもあり、なかなか回答頂けない日もありましたが、100人回答頂けるまで頑張ろう!と自分を鼓舞し(笑)。時間はかかりましたが、その分生きたアンケートになったと思います。

その後の選挙への話のバタバタで、結果をまだ公開できておりませんでしたので、今回お知らせ致します。

いきなり「アンケートをお願いできませんか?」などと言って、怪しかったと思いますが、回答くださった方々、ありがとうございました!3月定例会の質問にも盛り込むことができ、実際の声を拾った、体重ののった主張になったと思います。

参考:3月定例会で私がした質問
https://segawayuki.net/blog/shigikai/2019nen3gatsu/

「聞いたことがある」も含めて、多くの方が耳にしたことはあるよう。
「賛成」「やむを得ない」で約90%という結果に。
「既存校舎を活用すべき」と考える方がどのくらいいらっしゃるのか知りたいというのが、今回のアンケートのきっかけだった。
駅を中心にアンケートを取ったため、「30代」が多い結果に。20代や10代の方が回答してくれたのも、とても嬉しかった。

私は、議会で「既存校舎をなぜ活用しないのか!」と本当にしつこく主張してきました(そのせいで色々な方々に嫌われましたが)。

しかし、いつも強い気持ちを保てたわけではなく、

ふと冷静になると、「自分だけが思っているのかもしれない。」と恐くなることが時々あったため、この結果は「自分だけじゃないんだ。むしろ多くの方々が自分と同じ感覚なんだ。」と非常に背中を押してくれました。

アンケートには、「その他、3月議会で取り上げてほしいテーマ・質問、また高岡市に関するご要望がありましたら、お聞かせください。」という項目も作りました。

一部、ご紹介させて頂きます。

『統合は大賛成です、でも通学など遠くなる人はバスとか必要かも。新しい校舎は、必要ないですよね、古いのだめなら、リニューアルとかでも、きれいになるよね。議員さんも利権とか、票とか欲しいから、休校舎利用は賛成できないのね、議員さんの気持ちもわからないでもないけど、これだけ財政難とかいっている割にはおかしいよね。憤りを越えて、行政の対応、議会の対応に悲しくなります。』

『高岡市は財政難です。お金の使い方を慎重に考え、危機を乗り越えていきたいです。利用できるものは継続利用し、投資に疑問のあるものはきちんと議論をして、市民が自分事と捉えられる市政を目指していただきたいです。高岡市役所と高岡市民の連携を切に希望致します。』

『何年か前に、各小学校の耐震工事が行われていました。子供の減少を理由に小学校再編が行われようとしていますが、現在の高岡市に小学校建設費を払える財政状況なのでしょうか?これから小学校を利用する子供たちが借金をしなければならなくなるよりは、子育てしたい!といった年齢層の方の定住促進を測ったり、することも大切なのでは。また再統合が行われた後の、空き校舎の活用方法について、市はどのような考えを持っておられるのでしょうか? 今朝のおはよう日本で高岡市の財政状況が取り上げらえて、時間を忘れて画面に釘付けになりました。』

高岡市教育委員会は中学校単位、小学校単位で説明会を重ねており、その姿勢は評価しております。

しかし、教育委員会がする説明は、再編統合の「良い面」ばかりが強調されて、とてもフェアな議論とはいえません。(全員ではないのでしょうが)教育に携わる方々、子どもたちに教えている方々がこのような説明をするのか、、、と教育に対する危機感も覚えてしまいました。

まずは五位中学校区の新校舎建設が進んでおります。その後各中学校区に具体的な動きが出てくると思われます。今の自分の立場からできることを、これからもしっかり物申していきたいと思います。

2019年06月27日

【県議会】

6月定例会で私がした質問

こんばんは、富山県議会議員の瀬川侑希です。

本日で6月定例会が閉会しました。私にとって初めての県議会定例会!

一般質問の機会も与えられました。初めての議会とはいえ、市議会で経験していたので、固まるような緊張はしませんでしたが、選挙で託して頂いた思いを届けたい!と、いい意味で緊張感をもって、気合十分で臨みました。

うまくできた部分、できなかった部分、どちらもありますが、いずれにしろ大事なのは、ここで終わりではないということかと思っております。今回した質問が、どう政策に繋げられるか実現できるか、が大切!この質問はあくまできっかけ作り、と考えたいと思います。

さて、本定例会は補正予算がなく、また選挙後最初の議会ということで、各議員の想いのこもった議論が展開されました。聞いて初めて気付かされることも多く、やらなければならないことは本当にたくさんあるなと感じました。

「あれができていない」「これが足りない」
もちろん足りていないことは目に付きますし、私も主張しがちですが、最終日を終えての感想としては、令和の時代だからこそ、それ以上に「何をやめるか」「何を減らすのか」をもっともっと議論しなければいけないように思いました。「やめる、減らす」の話は避けたい話題ではありますが、これに逃げずに解答を出すのが、我々政治家と行政の責任のように感じた、そんな定例会でした。

さて、今回は6月定例会で私がした質問を掲載します。(長いです…。)

6月定例会の開催にあたり、「県債残高の返済計画と稼ぐ県政について」「県内の小学校再編について」「健康寿命日本一について」の大きく3つの項目にわたり、合計13問の質問をする。

まず、県財政全体の大きな話から始め、次に、個別の政策の中でも、これから各地で起こることが予測される小学校再編について、そして最後に、こういう富山県になったらいいな!という願いをこめて、夢のある健康寿命日本一について質問したい、
このような意図で3つのテーマを選んだ。

①最初に、「県債残高の返済計画と稼ぐ県政について」の中でも、「県債残高の返済計画について」。

今年度の一般会計当初予算は約5,500億円の富山県だが、その2倍以上にあたる、1.2兆円を超える借金を抱えている。

もちろん、石井知事になってから、財政状況は大変改善された。4年前の平成27年度に48年振りに県債残高を減少させたこと。また、平成28年度予算編成時に、約400億円の財政構造赤字を解消させたことは、石井知事だからこそできたことだと、高く評価している。

一方で、県債残高については、年度当初に「今年度減らす分」が提示されるだけで、将来に向かってどのような計画で、またどのようなペースで減っていくのか、県民には示されていない。そこで1つ目の質問だが、「1.2兆円を超える県債残高を、単年度の計画だけでなく、今後どのような計画で減らしていくのか、教えてほしい。」

→(回答)経済状況などによって県債発行は左右されるため、具体的な見通しを立てることは困難。しかし、適正な水準に抑制することには努めていきたい。

②同時に見ておかなければいけないのは、人口も10年以上前から減少が続いているという点だ。2つ目の質問として、「確かに4年前から県債は減少しているが、1人当たり県債残高でみると、ここ数年約116万円でほとんど変わっていない。これから生まれてくる子どもたちに、これからの世代に、負債を少しでも減らしてバトンタッチするために、もっとペースアップして返済していくべきだと考えるが、見解を聞かせてほしい。」

→(回答)建設事業を中心に予算を抑制することになり、望ましくないと考える。

③自治体の財政の健全化を計るために、いくつかの指標があるが、その中に「将来負担比率」というものがある。将来支払っていく借金の大きさを、その自治体の財政規模に対する割合で表したもの。富山県は250%(平成29年度末)。私は財政再建中の高岡市から来たが、高岡市の将来負担比率は180%、もちろん県内15市町村中最下位だが、富山県はそれを上回る。市町村と県は単純に比べられるものではないが、全国の都道府県と比べても、富山県の将来負担比率は全国47都道府県中42位。もちろん1つの指標であり、この数字だけが全てではないが、将来世代にツケを残さないために、少しでも減らしていくべきではないか。「将来負担比率が全国42位であることへの見解を聞かせてほしい。」

→(回答)北陸新幹線の整備と急流河川が多いという富山県の特性も一因。

④昨今、SDGsもそうだが、様々な分野で「持続可能性」が意識されるようになっている。私は、自治体財政も、より持続可能性を意識して運営していく必要があると思う。持続可能な自治体運営をするには、歳出を抑える一方で、歳入を増やす政策に力を入れていく必要があると考える。歳入が増えれば、その分歳出を削らなくてすむし、やりたくても財源がなくてできなかった政策もあるはずだ。借金返済に回すこともできる。そこで、次に「稼ぐ県政を目指して」、という観点で質問する。

富山県は一大消費地である、東京都に、宿泊施設やアンテナショップなど、いくつかの施設を持っている。

まず、都内にある、「富山県赤坂会館、いきいき富山館、日本橋とやま館、それぞれの役割をどう捉えているか」、教えてほしい。

→(回答)(赤)富山県関係者への割安な宿泊施設という役割がメイン。(い)(日)県産品を販売するアンテナショップ。(い)食品を中心とした普段使い。(日)富山の上質なライフスタイルなどを提案。

⑤先日、日本橋とやま館においては、2年連続で売上高が前年度を超えた、という嬉しいニュースがあった。フェアやトークショーなど、富山にいるのでなかなか伺えないが、参加したくなるような多彩なイベントが定期的に行われており、その努力あっての売上増だと思う。

富山県赤坂会館、いきいき富山館、日本橋とやま館、この中でも特にテコ入れのしがいがあるのは、赤坂会館だと思っている。

次に、「富山県赤坂会館の利用促進に向けたこれまでの取り組みと、ここ数年の客室稼働率の推移」を教えてほしい。

→(回答)格安宿泊パックや割引プランを用意。定員稼働率は45%前後。

⑥事前に調べたところでは、直近の2017年の稼働率は45%で、売上は1億円弱とのこと。一方で、観光庁によると、2018年の東京都内の客室稼働率は全体で約80%。30%以上の開きがある。このことからも、工夫次第ではまだまだ伸ばせる余地があり、仮に10%客室稼働率が上がれば、県の収入が2000万円増える。「黒字だから」、とそれでよしとするのではなく、少しでも歳入増に取り組んではどうか。

また、先にあげた3施設「富山県赤坂会館、いきいき富山館、日本橋とやま館」をもっと有機的に絡めてはどうか。点在させるのではなく、結びつけることで、それぞれの魅力がさらに増すと考える。

例えば、日本橋とやま館では富山県のブランドイメージを高めるために、富山の上質なライフスタイルを大いに首都圏で発信する場にしたい、と知事もおっしゃっている。この項目最後の質問として、その「日本橋とやま館で発信したものを、体験・体感する場として、器や食にこだわった上質な富山のライフスタイルを提案する客室・プランを作り、売り上げアップに繋げては」いかがか。

せっかく人気が高まっている日本橋とやま館だから、日本橋とやま館から赤坂会館の流れ、また逆に、赤坂会館で富山の器や食に触れ、日本橋とやま館に買いに行く、という流れ作りに挑戦してはどうか。繰り返しになるが、赤坂会館の稼働率を上げることはそのまま富山県政の財源になる。

→(回答)重要な視点だが、コスト面の検証も必要。

⑦次の大きな項目として、県内の小学校再編の動きについて。

本年4月には魚津市で3小学校が統合し、氷見市でも来年4月に3小学校が統合予定。大規模なところでは、高岡市は今後10年をめどに、26の小学校を19校に再編成したい考え。今後、県内各地でこのような小学校再編の動きが起こっていくと考えられるが、まず、「県内の小学校再編の動きを、県としてはどのように評価しているのか。」見解を伺う。

→(回答)あくまで生徒の教育状況の改善を目的に、総合的な観点から検討してほしい。

⑧次に、富山県の場合、市立・町立の小学校がほとんど。施設の建設・維持管理はその市町村自治体に責任がある。一方で、教員の給与は県から出る。「一般的に、小学校再編が行われた場合、教員の給与に対する県の財政負担は減るのか」。

→(回答)減る。が、再編統合校には、一時的に教員が多く必要な場合もある。

⑨教員の給与は1/3は国が負担する。残り2/3は県の負担だが、大部分は地方交付税で充当される。しかし、県負担と地方交付税はイコールではなく、いくらかは県の負担が減るはず。減った分すべてとは言わないが、市町村自治体は施設の建設・維持管理に投資が必要だ。「減った分のいくらかを、IoT環境、備品の整備など、該当の市町村の教育環境への支援に充ててはいかがか」。

→(回答)既に市町村では有利な財源措置がある。再編に伴う加配教員などで支援したい。

⑩最後の大きな項目として、健康寿命日本一について。

最新の平成28年の調査では、富山県の健康寿命は男性で全国第8位、女性で全国第4位と素晴らしい成果だった。今年も調査年であり、結果に一喜一憂するのではなく、息の長い取り組みこそ大事だとは分かっているが、それでも、富山県の掲げる「健康寿命日本一」にあと一歩のところまで来ており、期待せずにはいられない。

思うに、富山には数多くの誇れるブランドがあるが、「健康寿命日本一」も大きなブランドになり得ると思う。富山県のライフスタイルをすると健康寿命が伸びる、となると移住者がさらに増えるかもしれない。そこでまず、「健康寿命の延伸に向けたこれまでの取組みと、その成果について、」聞きたい。

→(回答)野菜摂取、ウォーキング啓発、小中学校給食の15%減塩化、健康経営企業の表彰などを行い、結果も出た。スポーツ庁長官賞の受賞にも繋がった。今年は啓発ソングを作った。

⑪次に、健康寿命を伸ばすには正しい食生活と適度な運動が大事だと言われているが、今回は特に運動面から質問する。

富山県は3月に、「富山県自転車活用推進計画」を策定し、「自転車を活かした健康づくりの推進」や「サイクルツーリズムの推進」など4つの目標を定めた。この計画以前から、サイクリング文化を育てようと富山県も積極的に関わり、県内のサイクリングイベントはとても多くなったし、日常の感覚としても外でサイクリストを見かけることが多くなったと感じる。計画により、この流れが加速し、より多くの方がサイクリングを楽しむ風景を想像すると、大変ワクワクする。

そこで質問をする。現在、富山県は「富山湾岸サイクリングコース」や「田園サイクリングコース」を整備している。計画では、コースの延長も指標に入れているが、ぜひ新しいコースも検討に入れてはいかがか。具体的には「来年の東京オリンピック 聖火リレーのコースも追加してはどうか。」

これには2つ理由がある。

1つには、サイクリングとオリンピックを別物と捉えるのではなく、うまく結びつけて県民の運動習慣定着、健康意識醸成に繋げられないかという思い。

もう1つには、富山県の様々な風景、また寄り道しての様々な県内のグルメを楽しんでいただくために、やはりコースの数は大事だと思うからだ。すべての市町村を回る聖火リレーのコースは、これにぴったりだと思う。

→(回答)魅力的な提案だが、コース決定を待って、サイクリングコースとして適当か見極めていきたい。

⑫いよいよ来年、東京オリンピックパラリンピックが開催される。

本大会自体は東京を中心とした地域で行われるが、県内でも事前の合宿や世界レベルの大会が開かれる。

最近聞かなくなったが、オリンピック開催が決まってからしばらくは、「レガシー」という言葉がよく言われていた。日本語にすると「遺産」。オリンピックは来年夏の開催だが、大会が終わった後、日本に、それぞれの地域に何を遺せるのか考えよう、という意味で使われていた。

これは決して、スタジアムや道路などのインフラの話だけではない。大会自体は東京だ。しかし、我々地方都市にも大会を通じて遺せるものがあるはず。オリンピックが通過して終わり、にしてはいけない。

例えば、県民の普段の健康意識の向上につなげられれば、県民にとってこれ以上ない「レガシー、遺産」になるのではないか。

また、県内にはいくつものプロスポーツチームが年間を通して試合をしている。

そこで、「オリンピックを契機に県民の健康意識をより高めるために、県や民間の歩数計アプリを絡めてオリンピック事前合宿会場や、プロスポーツ競技会場への徒歩移動を促す、ラジオ体操参加を呼び掛けるなど、同時に健康施策を実施してはどうか。」

→(回答)今年秋にはアプリにGPS機能を追加するので、活用できうる。

⑬最後の質問に移る。

県の歩数計アプリ「元気とやまかがやきウォーク」は早い段階で開発され、少しずつ利用者を伸ばしている。私も初期から利用しているが、ポイント制度やクイズもあり、楽みながら利用できる設計になっている。

一方で、最近、各市町村で、ポイント制度やアプリ開発の動きがある。もちろん、それぞれに特有の機能があったり、目的は違うのだろうが、いち県民の感覚からすると、市町村と県で、それぞれがアプリを開発していては、税金の無駄遣いのようにも感じる。そこで、「県の歩数計アプリ「元気とやまかがやきウォーク」がある一方で、各市町村でポイント制度やアプリ開発の動きがあることへの見解を聞かせてほしい」。

→(回答)独自に工夫を凝らしているものと思うが、アプリは県民全員に公開しているので、市町村のアプリ開発の際は本アプリを活用することも検討してほしい。

知事は常々「文化力で県の魅力を高めたい」とおっしゃっている。文学や芸術、デザインも文化だが、「する」「見る」「支える」色々な形でスポーツに関わる、県民の健康意識が高い、というのも文化力であり、ブランドになりえると思るので、ぜひ引き続きの環境整備・健康施策の推進をお願いする。

以上で私の質問を終わる。