2020年08月31日

【教育】,【自分の考え】

自殺を1件でも無くすために

明日は9月1日。

今年はコロナの影響で違うと思われますが、例年夏休み明けの9月1日に、大変痛ましいことですが、子どもの自殺が最も多くなっています。

4月前半も多いことから、新学期が始まる時期は子どものストレス、不満が高まるのでしょう。当然、子どもだけの問題ではなく、大人に何ができるか、社会として何ができるか、考えさせられます。

子どもに限らず全年齢に広げると、警察庁の資料によれば、 令和元年の自殺者数は20,169人でした(富山県は186人)。コロナによる日本の死者数は現在1,300人ほどですから、その10倍以上の方が毎年自ら命を絶たれています。

私は自殺で数人の友人を亡くしました。自分にできることは何かなかったか、後悔もあります。

私は「自殺したい」と思ったことはありません。

そんな自分に、自殺する方の気持ちは分からないのかもしれません。

それでも自殺を1件でも無くしたいという思いがあり、2つご紹介させてください。

うきわネットワーク

https://ukiwanet.com/

学校でのいじめを、受けた方も見た方も、「匿名で」「WEB上で」報告できるサイトです。

以前ボランティアとして少しだけ運営をサポートさせて頂きましたが、「いじめやいじめによる自殺を1件でも無くしたい」という思いで、代表者は毎年約80万円の費用を持ち出して運営されています。本当に頭が下がります。

先日、毎日小学生新聞でも取り上げられていました。

WEBでも見られるので、ぜひご一読ください。

https://mainichi.jp/articles/20200824/kei/00s/00s/017000c

https://mainichi.jp/articles/20200824/kei/00s/00s/015000c

「こんなサイトがある」ということを、知っていれば救える命があるかもしれませんので、何かそれぞれの方法で、周りに広めてくださると幸いです。

自殺希少地域を訪ね歩いた本

5ヶ所の、日本の自殺で亡くなる方が少ない地域を訪ね歩き、気付いたことを記した本です。

私は、本を読むまで、コミュニティーの結びつきが強い地域が、自殺の少ない地域なのではと思っていました。

しかし、自殺の少ない地域では、隣近所との付き合い方は「あいさつ程度」と回答する方が多いと本では言います。

詳細は、手に取って読んで頂きたいのですが、「対話をする」「できることはやる。できないことは人に相談する」ということに、私はヒントがあるような気がしました。

著者も「私の解釈にすぎないから、これが正しいなどと言うことはできない」とおっしゃっておられますが、

そこにヒントがあるのなら、少しでも多くの方がこの問題を考え、ある程度同じ方向を目指せられればなと思います。

9月1日だからこそ、いつも以上にこの問題を考えてみたい。

1人でも、生き辛さではなく、生きやすさを感じる世の中になりますように。

2020年08月12日

【観光】

立山登山

みくりが池

こんにちは、富山県議会議員の瀬川侑希です。

富山県民にとって「立山」は非常に身近な山です。

平野という地形、3015mという高さから、県内のどこからも見えること。

富山県の小中学校の校歌には「立山」という歌詞が入っているケースが多いこと。

また、小学校によっては、高学年時に「立山登山」なる行事があり、頂上まで登ること。これも身近な理由の1つかと思います。

しかし、私の小学校でその行事はありませんでした。

そして、中学生、高校生になっても、特に登る機会がなく…。

大人になってから「小学生の時、立山登ったよな~」という、まるで全小学校が登っているかのような会話になることが何度かありました。昔のことなので「自分の小学校は登っていない」という確信も持てず、聞き流すこともありましたが、どうやらやっぱり登っていないようです。

そのことに気付き、先日家庭で山の話題になった際、妻(の小学校は登っている)に「…そういえば、立山登ったことないんだよね。」と話すと、

「え、小学6年生のとき、立山登山行ってなかったの?今すぐに行くべき。富山県議会議員なら立山登ったほういいんじゃない?」

と、よく理屈は分かりませんが、妙に納得感のあるセリフを言われ、先日急遽立山登山(雄山3003m)してきました。

立山駅までは下道で1時間ちょっとで行けました。ここからケーブルカーと高原バスに乗って「室堂」まで行きます。

往復4,940円。これ以外に高速代などかからないのも手軽だと感じました。

立山駅~美女平はケーブルカーで片道7分、

美女平~室堂は高原バスで片道50分です。

室堂

室堂に着いたら、頂上を目指します。

行きは約2時間、帰りは約1時間半と計画していました。

歩きながら左右に見える景色、植物も素晴らしいですし、

ちょっと後ろを振り返ると、富山平野や富山湾、能登半島まで見え、白と青と緑の競演がとても美しかったです。

遠くてうまく撮れなかったのですが、キャンプサイトのような場所もあり、色とりどりのテントが。キレイでした。

登るにつれ、だんだんと傾斜が急になってきます。

室堂から約1時間歩くと、一の越山荘が。ここからさらに傾斜が急になりますが、あと一息です。

一歩一歩、踏みしめていくと、

ようやく頂上!!

なんとも言えない達成感がありました!

予定より少々速く、1時間45分で到着。

条件が揃えば、なんと富士山が見えるそうです。

帰りはじっくり風景を見ながら。戻るのが名残惜しく、また来たいな~と思いながら下っていました。

予定通り1時間半で室堂へ。

初めての立山登山。

どうして今まで登らなかったのかと思うくらい、素晴らしい体験でした。

「世界遺産に!」と声が出る理由もよく分かりました。

思い立ったら日帰りで立山に行ける富山県って最高だと思います!

「地元で泊まろう!キャンペーン」でも感じましたが、意外と県内で行ったことのない場所も多いはず。

県外への移動は控えられるため、登ったことがある方も、まだ登ったことがない方も、晴れた日は立山登山なんてどうでしょうか?きっと登る度に発見があるのでは、と思います。

しかし、山では毎年事故も起こっています。万が一に備え、装備・持ち物は万全の準備をお願い致します。

もうすぐ36歳になります。みなさんが12歳の時に経験したことを、24年遅れで達成。

次はチャレンジ3015m!

2020年08月07日

【環境】,【自分の考え】

持続可能な都市、ポートランド(3/3)

こんにちは、富山県議会議員の瀬川侑希です。

今回を最終回として、数年前ポートランドを訪れた時のことを書きたいと思います。

持続可能な都市③:地域内経済

ポートランドでは、まちのあちらこちらで定期的にファーマーズマーケットが開かれています。いくつか行きましたが、どれも大規模!

新鮮なのが一目で分かり、見ているだけでお腹がすいてきました。

季節の食材や、ここでしか手に入らないローカルフードが並ぶファーマーズマーケットはポートランドの文化であり、

環境意識が高いからか、あるいは健康志向からか、オーガニックや無農薬の野菜が多く並んでいるようです。

日本だと、豊洲市場でなくても、スーパーには全国から、世界中から集められた食材が並びます。また、スーパーに行かずとも、通販で選べば自宅まで配送されます。

もちろん利点もある一方で、「取れたてがおいしい」ということも私たちは知っているはず。

日持ちする処理をしない、おいしい食材を体に入れ、地域で経済を回していくことは、コロナで世界中のサプライチェーンが崩れた今、改めて考えさせられます。

また、これも一種の地域内経済ではないかと思った事例を紹介します。

こちらは、「パイオニア コートハウス スクウェア」という広場ですが、

右側のレンガと左側のレンガの違いに気付きますでしょうか?

そうなんです、左側のレンガには1つ1つに名前が彫られています。広場の整備に寄附した方の名前だそうです。

自分の名前を探しているのか、熱心に近づいて見ている方もいらっしゃいました。

公共空間の整備は行政の仕事。日本ではそう思う方も多いかもしれません。しかし、このような工夫をすることで(もしかしたら財政難の苦肉の策だったのかもしれませんが、それでも市民は協力している)、「みんなの広場」「みんなの空間」としての意識が根付くように感じました。

自分がお金を出した広場であれば、「行ってみよう!」という動機に繋がる効果もあるかもしれませんね。

その他、

街のど真ん中に、サッカー、野球、アメフトが全てできるスタジアムがあったり、

街のど真ん中に、ポートランド市民の誇りであると言われるどでかい本屋があったり、

街のあちらこちらにスケボーパークがあったり、

それぞれの「趣味」「生きがい」を応援する雰囲気を街全体から感じました。

以上3回に渡って、ポートランドを訪れた時の所感を書きました。一度訪れただけで、事実を異なる部分もあるかもしれませんが、ご容赦ください。

地域にはそれぞれ文化があり、どちらが優れているというものではなく、それぞれが尊重されるべきですが、富山をより「住んでてよかった」と思われる県にするために、いくつかヒントはあるように感じました。

2回前の投稿にも書きましたが、ポートランドのあるオレゴン州と富山県は友好提携を締結しています。コロナが収まり、また海外に行ける日が来たら、ぜひポートランドをオススメします。富山県民の方には、その際はぜひ高岡出身の現地コーディネーターを紹介させてください!

それではまた!

【環境】,【自分の考え】

持続可能な都市、ポートランド(2/3)

おはようございます、富山県議会議員の瀬川侑希です。

前回に引き続き、数年前ポートランドを訪れた時のことを書きたいと思います。

持続可能な都市②:モノの循環

こちらは木材を売っているお店なのですが、ただの木材ではありません。

全部、使われなくなった住宅などから出た「廃材」です。

廃材の中でも古いもの新しいものがありますが、1本1本に値段がつき売られています。

日本でも空き家が大変多くなっています。空き家が解体される場合、多くは重機で粉々に潰しています。

しかし、中の物は使う、建材も使う。まだ使えるものはないか問いかける、そういう仕組みを作る必要を感じました。

同じお店だったと思いますが、ドア、窓のコーナーもありました。1つ1つ値段がついています。

ライトのコーナーや、

洗面台や、さらにはトイレのコーナーまでありました。

また、別の店では、

この写真で分かりますでしょうか?

ドアの「金具」や「照明スイッチ」のような、小物が、

よくここまでの種類が集まったな、と思うくらいとんでもない量が売られています。さすがアメリカ。こちらも1つ1つに値段がついています。

私もそうだったのですが、あまりに種類があるのと、「こんなものまで!しかも売るの?」という驚きの商品があるので、平気でこのお店だけで1日経ってしまいます。

日本でも、長野県には、 リビルディングセンタージャパン(リビセン) という同じコンセプトのお店があるようです。

http://rebuildingcenter.jp/aboutus/

このような動きがもっと広がったらいいと思いますし、このようなお店を応援していきたいですね!

次は衣類の循環です。

こちらは「GOODWILL」というお店です。いわゆる服のリサイクルショップですが、

しばらく見ていましたが、ショップ隣の倉庫のようなスペースに車が渋滞状態になりながら、次々と、そのご家庭にとっては不必要となった衣類が運び込まれていきました。

現地の方に話を聞くと、値段がつきそうなものだけ持っていくわけではなく、たとえ値段がつかなくても「使わなくなったものを持っていく」という意識が広がっているようです。

以上は住宅用品の循環、衣類の循環でしたが、ポートランドには「建物の循環」もありました。

こちらは、ケネディスクールという「元」小学校の建物です。

1915年に開校したケネディスクール。その後1975年に閉校。その建物・雰囲気をなるべく活かす形でリノベーションし、名前もそのまま「ケネディスクール」、現在はホテル、映画館、レストラン、パブなどが入る複合施設になっています。

富山県でも少子化の影響で多くの学校が閉校になっていますが、跡地活用がいつも問題になります。

「壊す」のではなく「活かす」。学校という独特の構造、雰囲気は代えの効かない貴重なものだと思いますので、ぜひ利活用の道を探りたいと思います。

講堂が映画館になっています。黒板を活かした告知、味があります。

レストランになった教室。

極めつけは、ボイラー室を活かしたパブ。

配管まで活かした装飾。とにかくオシャレな空間でした。

今もあるのかアメリカの教育環境はよく分かりませんが、「DETENTION」というのは居残り部屋とか説教部屋のようなニュアンスなのだと思います。

子どもは入っちゃいけないよ、というメッセージなのか、そこがBARになっているのも洒落が効いていているなぁと感じました。

ポートランドには同じ系列のホテルで、「EDGEFIELD」というものもあります。

こちらは農家の建物をリノベーションしており、奇妙な、それでいてワクワクする、不思議の国のような空間になっていました。

農家というストーリーも影響しているのか、敷地内でワインを作ったり野菜を育てていて、その場で味わえます。

次回を最終回として、ポートランドについて続けて書いてみたいと思います。

それでは!