2019年09月09日
アリーナ?武道館?これって同じ話だっけ?
こんにちは、富山県議会議員の瀬川侑希です。
–
こちらは北日本新聞の記事ですが、富山県は有識者会議を設置し、全天候型多目的施設(アリーナ)の検討をこれまで進めてきました。
–
先日、その有識者会議から、
「アリーナ」ではなく「武道館」を!
という報告書が提出され、武道館整備に一気に舵が切られることになりました。収容人数3,000人程度、建設費は100億円程度が想定されているようです。
–
報告書が提出されたことで、
「どんな施設になるのか?」
「場所はどこ?」
など今後の展開への議論が過熱してきましたが、私は初めてこの話を聞いた時、少々戸惑いました。
それは、「アリーナと武道館って同じ話だっけ?」という感覚があったからです。みなさんの中にも同じ戸惑いを感じた方もいらっしゃるかもしれません。
–
そもそも「アリーナ構想」は、2017年12月に行った「健康、運動・スポーツに関する県民意識調査」の結果(1,200人を対象に回答は445人)、
69.7%の方から全天候型の多目的施設の整備が必要という回答が出たことで具体的に動き出しました。
意識調査を行うきっかけはもっとさかのぼり、県民との様々な懇談会の中で、アリーナを整備しては?という声があったことで、この調査を実施したようです。
(そういう意味では、県民の声が届いたら実際に動きだす、いい例ですね。)
–
一方で、「武道館整備」は別個の議論として行われていました。
県営の2つの武道館(富山武道館と高岡武道館)はいずれも約40年経過しており、空調がなく観覧スペースが乏しいため、武道団体から新設を求める要望が以前からありました。
(これは個人的な見解ですが、とはいえ武道館はもう少し使える施設ではあるので、整備には相当時間がかかるだろう、と感じていました。)
–
この2つの議論が「アリーナ構想」を検討する過程で、途中から一緒になり、
最終的に「武道館を!」になりました。
–
–
私は、当初こそ2つの別々の話が一緒になったことに戸惑いを感じましたが、整備内容によっては、この結論でよかったのではと思っています。
というのも、「武道館」というのでイメージが引っ張られますが、日本で一番有名な武道館「日本武道館」では、もちろん武道の試合は行われますが、使用の約半分はコンサートが行われており、その他、入学式や大規模な集会なども行われています。全天候型多目的施設なんです!
(私は大学時代空手部でしたが、主要な大会はすべて日本武道館で行われました。この会場で試合できる喜びがありました。)
–
名前は「武道館」ではありますが、それこそ当初の「アリーナ構想」のように、コンサートや各種集会も行える、多目的な施設になれば、単に「アリーナ」、単に「武道館」として整備するよりも稼働率の高い、採算の取れる施設になるのではと思います。
–
–
そういう意味で、「場所」に関しては、
普通にいくと「富山駅近く」が最有力候補でありますが、
絶っっっっっ対に「新高岡駅前、スポーツコア内スペース」が最適地であると主張します。
それには4つの理由があります。
–
①各自治体がそれぞれ施設を建てる時代ではない
スポーツコア内には、高岡市が市立体育館を建てようとして、財源のメドが立たず、凍結したスペースがあります。
そのスペースを使い、県が半分、市が半分のお金を出し合って、建設してはどうでしょうか?
財源の心配も折半、稼働率の懸念も折半になります。
県が運動施設を作り、市も運動施設を作る、もはやそんな時代ではありません。隣接する市同士で施設をシェアする例も出てきましたが、県と市で施設をシェアしてはどうでしょうか?
–
②さらに市民会館の機能も持たせてはどうか
さらに高岡市には、こちらも財源のメドが立たず、市民会館を休館させている事情があります。
上記同様、運動施設を作って、文化の拠点を作って、と別個に考える時代ではありませんので、市民会館の機能も持たせてはどうでしょうか?
もちろんこの機能を持たせる場合、高岡市はさらに応分の負担をする必要がありますが、それでも個別に建てるよりはよっぽど安上がります。
–
③北陸からの集客を目指す
富山県内からの集客を考えると、中心に位置する富山駅前がよいのかもしれません。しかしそれでは県民100万人を対象にする発想から抜けられません。
石川県、福井県からの集客も考え、なるべく県西部に整備してはどうでしょうか?
–
④東京一極集中に物申している県が、県内では一極集中をするのか
県が運営する、デザインセンターや文化ホール、テクノドーム、プールなどが高岡市にありますが、生活していて県営の施設はほんとうに富山市に固まっているなと感じます。
これまではある程度仕方のないことだと思っていました。しかし、県議会議員になって初めて分かりましたが、石井知事は東京一極集中に並々ならぬ覚悟で抵抗しており、その姿勢が非常に頼もしく感じます。
みなさんも小池東京都知事との丁々発止の論戦は新聞などでご覧になったことがあるかもしれません。
そんな知事、そんな県だからこそ、県庁所在地への一極集中ではなく、「こういう分散を国でもやってほしいんだ!」というメッセージある実践をやるべきではないでしょうか?県外への主張と県内への実践が違っては、ちぐはぐな印象を受けます。
–
このような理由から、私は「新高岡駅前、スポーツコア内スペース」が最適地であると考えます。明日から県議会では9月議会が始まります。残念ながら9月議会では私の一般質問はありませんが、武道館整備も論戦の1つです。多くの議員が取り上げることかと思います。ぜひ関心をもって頂ければと思います!