2024年03月31日
城端線・氷見線ってどう変わるの?
こんにちは、富山県議会議員の瀬川侑希です。
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1年前も城端線・氷見線のことをブログで書きましたが、
1年前の記事:ブログ | 瀬川ゆうきオフィシャルサイト (segawayuki.net)
この1年で城端線・氷見線の未来が大きく動いたので、こちらでもお知らせしたいと思います。
(資料は富山県の発表から、私が抜粋し補足を加えたものです。)
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【城端線・氷見線の現状】
まず、城端線・氷見線の現状です。
両路線とも平均して2,000人/日以上の利用があります。
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では、その2,000人の内訳は?どのような方が利用しているのでしょうか?
通学利用の方がかなり多いという状況です。
それもそのはず、
県西部の高校の多くが沿線沿いに存在します。
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さて、そんな城端線・氷見線ですが、
JR西日本、富山県、沿線4市、あいの風とやま鉄道が集まり1年間協議し、この度、大きな合意形成に至りました。
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【何が決まったの?】
まず、最も大きな変化は、経営主体が5年後をめどに「JR西日本」→「あいの風とやま鉄道」に移管されることです。
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現状、城端線・氷見線の収支はマイナス10億円/年。
富山県と沿線4市には、今はJR西日本が維持してくれているものの、このままの状況が続けば、本数が減りますます利便性が悪くなるのではないか?という危機感がありました。
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そこで富山県と沿線4市は、未来の城端線・氷見線に向けて何度も協議。
県内では、同時に県全体の別の会議を開き、
公共交通はこれまでの民間任せではなく、
行政が道路を整備するように、公共交通を「公共サービス」として、自治体がその維持にお金も含めて積極的に関わっていこう
と新しい方針を打ち出しました。
この新しい方針を城端線・氷見線にも適用させ、魅力を向上させ持続可能なものにするために、あいの風とやま鉄道に経営移管し、利便性を向上させることで合意形成。
ちょうど2023年10月に国の改正地域交通法が施行され、城端線・氷見線の再構築計画は全国第1号の認定となり、国からも手厚く財政支援されることになりました。
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【具体的には何が変わるの?】
さて、この最も大きい「5年後のJR西日本→あいの風とやま鉄道への『経営移管』」という変化を受けて、
経営移管の前後で大きく4つの利便性を向上させることになりました。
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その4つとは、時系列で、
①改札のICカード対応(2年後をめどに全駅に設置)
②新型鉄道車両の導入(5年後。今より環境に優しい電気式気動車?流線形の乗りたくなるデザインを考えている?)
③本数増(経営移管後。日中は現在の1本/1時間から1本/30分に)
④城端線・氷見線の直通化(経営移管後)
となります。
JR西日本は一連の整備に150億円を拠出することを発表。全体の費用は下のようになります。
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【残っている課題は?】
以上が城端線・氷見線の変化のポイントです。
一方で、引き続き課題も。
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③の本数増により利用者が増え、10億円/年の赤字が、7億円/年となる計算ですが、それでもこのままでは毎年7億円を自治体が負担しないといけません。
本数増は5年後を予定していますが、本数増が利用者に直結するため、早められる余地がないのか引き続き協議してほしいとお願い。
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また、県民の公共交通利用者の割合は、
週1~2日以上利用する方は5%程度。全市町村に駅がある「鉄道王国」と言われたりもしますが、実態はこんなものです。
しかし、その分、伸びしろがあるのも事実!
10%の方が乗れば、売上は倍になります!20%の方が乗れば4倍に!
(このあたりは2023年11月の議会で質問しました。
2023年11月の質問の記事:ブログ | 瀬川ゆうきオフィシャルサイト (segawayuki.net))
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また、①のICカード対応は、私たちは便利になりますが、外国人観光客は使えません。首都圏などでは、外国人観光客も使えるよう、クレジットカード対応改札を増やしております。
富山県全体の方針として、外国人観光客を呼び込もうと戦略を立てている中で、改札についてはこの視点を取り入れられませんでした。
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この他、様々に課題はありますが、
城端線・氷見線の未来にとって大きな変化となったのは間違いありません。
このままだと少しずつ本数が減っていったところ、逆に本数を1.5倍に増やし、県民の参画を促す形に。
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「移動の選択肢」が広がると、行動範囲が広がったり、移動先でお酒を飲んだり、「行動の選択肢」が広がります。
また、地球環境を次の世代に渡していくにあたり環境によい乗り物ですし、公共交通でしか移動できない方もいます。
戸出では駅周辺で新しいまちづくりも始まりました。公共交通とまちづくり戦略は密接に関わっています。駅の利便性が上がることで、沿線でどんどんこのような動きが増えてほしいですね!私も仕掛けていきたいと思います!
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今回はここまで。それではまた!