2024年04月01日

【教育】,【県議会】

富山県の高校再編ってどう変わるの?

こんにちは、富山県議会議員の瀬川侑希です。

前回の「城端線・氷見線」とともに、住民のみなさまから質問の多い分野が、

「富山県の高校再編」です。

県内メディアでも盛んに取り上げられますが、いったいどのように変わるのでしょうか?

今回はこの話題について書きたいと思います。

まずおさらいとして、

富山県では過去2度、大きな高校再編を行いました。

1度目は、2010年。
海洋高校、大沢野工業高校、二上工業高校、有磯高校、井波高校が別の高校に統合されました。

2度目は、2020年。
泊高校、水橋高校、高岡西高校、南砺福光高校が別の高校に統合されました。

そして、富山県は2027年以降をにらんで、3度目の大きな高校再編を検討しています。

その理由はどういうものなのでしょうか?

【富山県が次期高校再編のをする最大の理由】

こちらの資料の下段の表をご覧ください。

こちらは富山県の資料ではなく、議会の会派内に設置したプロジェクトチームで作成した資料です。そのため、(ポイント)は県の見解ではなく、私たちの見解です。

現在も少子化と言われますが、R5→R18を比べると、さらに3割の生徒が減少するため、県全体で県立高校のクラス数を44減らさないといけない計算になります。

4学級相当の学校に換算すると、10校程度。
新川学区で2校程度、富山学区で4校程度、高岡学区で3校程度、砺波学区で1校程度の高校を再編する必要があるのです。

そして、校数だけを見ると少なく感じるかもしれませんが、新川学区は2/7校、富山学区は4/12校、高岡学区は3/10校、砺波学区は1/5校となります。
1度目、2度目よりも大きなインパクトを残す再編となるでしょう。

(校数を減らすのではなく、全校からまんべんなく1学級減らせばいいのでは?とおっしゃる方もいます。

もちろん小規模校のメリットもありますが(ちなみに私は一定規模校と小規模校がバランスよくあることが大事だという考え)、一定規模校の方が専門性のある授業を展開できるメリットがあり、富山県も一定規模校をベースに考えています。

例えば:仮に80人に1人社会の先生がつくとすると、240人では3人社会の先生がつきます。80人の社会の先生は「地理」が専門で、歴史や公民が苦手かもしれません。240人だと「地理」「歴史」「公民」が専門の先生をそれぞれ置けるかもしれません。また、40人だと社会以外の教科をかけもちする必要があるかもしれません。一般に、広く担当すればするほど、授業準備が大変と言われます。)

【高校再編の結果、高校はどうあるべき?】

学校数減は避けられない次回の高校再編。しかし、単純に削減すればよいのでしょうか?

いえ!そうではなく、これをきっかけにポジティブな変化を生み出せられないか?次回はそういう高校再編にしなければいけない!と私は強く思っています。

先ほど同様、議会の会派内プロジェクトチームの見解です。

特に、『出口だけを考える教育からの脱却を』は、ぜひみなさんも一緒に考えてほしいと思っています。

「〇〇大学何人」「就職率資格取得率100%」。
このようなことが富山県では重視されてきました。

これは学校や先生に責任があるのではなく、親や地域や社会がそれを求めてきたからだと思っています。
今の時期になると毎年発表される、「高校ごとの難関大学進学人数表」。週刊誌ではあっても、他県の地方紙ではこのような表はないと聞くこともあります。何人もの学校の先生から、このような表はやめてほしいという声も聞きました。

プロジェクトチームでは他県の学校をいくつも回りました。
特徴のある高校を選んだからかもしれません。ですが、多くの学校で「出口を考えるのはやめた」と同じ言葉を聞いて、大変驚きました。

では、代わりに何を目指すのか?質問すると、

「生徒が夢中になれることを見つけるのを応援する」
「自分で判断する力をつける」
「他者と協働する経験をとにかくしてもらう」
「「〇〇ができる」という技術だけではなく、「語れる(ナラティブ)」ところまでもっていきたい」

こう言うのです。

富山県もこういう考えに大きく方向転換しなければいけないのではないでしょうか?

「教育は大型タンカーみたいなもの。30度変えるのに3km先を見ないと曲がれない」とおっしゃる方もいます。すぐには変われないかもしれませんが、今回の高校再編を機に、目指して進み始めなきゃいけないんじゃないかと思っています。

今回を逃したら、もうなかなかきっかけが無いかもしれません。

変わるための1つの方法として、偏差値輪切りで選ばれる県立高校ではなく、それぞれの高校がもっと魅力を磨くべきだと思っています。

例えば、ひとつの教科に圧倒的に力を入れる高校。

例えば、民間から校長を募集したり、特徴を出せるまで数年スパンで校長を募集する高校。

生徒が「偏差値でこの高校行けるから選んだ…」ではなく、「ここでこれを学びたい!」と思う、そんな高校に変わっていかないといけません。

【あなたたちの言う「地域協議会」って何?】

最後に、議会と富山県で意見が折り合わない「地域協議会」について。

「地域協議会」。「これだ!」と決まったものはありませんが、市町村長や教育長などが、学区内にどのような高校があるべきか、また自分たちはどのように関われるのか、話し合う場だと思っています。愛媛県の例を参考に、富山県に提案しました。

私たちは「地域の活力維持」のため、地域協議会が必要だと言っているわけではありません。

高校は探究的な学びの題材としてなど、既に地域や市町村自治体と多くの連携をしています。
つまり、既に県立高校とはいえ、県だけが関わっている状況ではないのです。

そして、まさにその身の回りの生きた題材にこそ、
曖昧で複雑で不確実で変わりやすい時代(vucaの時代)、簡単に答えの出ない時代に、それでも答えに向かって進んでいく力。
それを育むヒントがあると思うのです。

県内のある市長は「自分たちの市の高校生には、どんどん海外に行ってもらいたい。そのために、市としてもお金を出す。他市の方でもいいんだ。自分たちの市に関わったからにはどんどん国際感覚のある生徒になってほしいんだ」と話されました。

富山県だけではこのようなことはできません。もし実現すれば、富山県と市町村が一緒になって地域の高校生を育てる、とてもいい事例だと思います。

そのように市町村が要求だけを言う場ではなく、「自分たちは何ができるか」を主体的に考えて、提案する場が「地域協議会」のようなものだと思っています。

富山県は「設置しない!」と言っていますが、、、みなさんどう思われますか?

必要ではないでしょうか?

今回はここまでとします。それでは、また!