2024年04月28日

【教育】,【県議会】

2月定例会で私がした質問(2/3)

こんにちは、富山県議会議員の瀬川侑希です!

前回に引き続き、3/13(水)の質問とその回答を書いていきます!

3つに分割した2つ目になります。

県立高校の再編について

次は、県立高校の再編についてお聞きします、

まず今の県立高校の志願状況を振り返るために、私立高校の授業料の話から入りたいと思います。

(1)新年度、私立高校の授業料無償化対象世帯を拡充することにしました。国の無償化対象外である年収590万円~910万円未満の世帯に対し、現在の支援に加えて、3人以上の子どもがいる世帯、ひとり親世帯の授業料が実質無償化となります。

生徒が学びたい環境で学ぶべきだ。ほんとは私立のこの高校で学びたいけど、授業料が高いから親に反対されている。家庭環境で、行きたい高校を選択できない状況が現実に存在します。この状況を少しでも変えたいと、個人的にも会派としても要望してきたので、
この拡充は大変ありがたく感じています。どのような意図で対象世帯拡充の決断に至ったのか、南里経営管理部長にお聞きします。

→(回答)子どもたちが経済的な制約を気にせずに自由に進学先を選択できる環境が望ましいと、検討を進めてきた。東京、福井に次ぐ取り組みだと思っている。

これは本来、国でやるべき事業だと思います。県でやるべきなのか、色々葛藤もあったかと思いますが、本当にありがとうございました。

これを受けて次の質問に移りますが、この拡充に残念ながら反比例して下がっていっているのが県立高校の志願倍率です。

(2)今年の倍率は、3年連続で最低を更新する1.01倍となりました。(数年前まで1.1倍台とかありましたが、この数年でグググッと下がっています。)

私立高校と県立高校は金額条件が同じではありません。無償化の対象世帯は拡大されてきていますけど、まだ私立高校の方が高いんです。それでも県立高校の志願倍率は徐々に下がって、ついに1.01倍まできました。仮に金額の条件が同じであれば、県立高校より私立高校の方が魅力ある。県立高校は生徒に選ばれにくいということのあらわれではないでしょうか。

問題は、選ばれない原因が何であるか特定できているのか、だと思っています。

現在取り組んでいる県立高校の魅力化。取り組んでいないとは思いませんが、今の取り組みのままでは生徒にとって魅力的に映っていないのでは?と考えますが、荻布教育長に所見をお聞きします。

→(回答)私立高校の授業料が下がったことで、私立専願者が増えた。県立高校は選ばれる学校となるよう、地域課題をテーマにした探究活動など連携を深め、魅力化を図っている。発信にも力を入れる。

年々選ばれなくなっているわけですから、だからこそ、今度の高校再編、とても重要だと思いますし、上手くいっていない今のやり方から変わるチャンスだと思っています。

(3)さて、その高校再編に向けて、新年度新たに予算化された「魅力と活力ある県立高校整備等検討事業」ですが、620万円が予算計上されています。どのような内容の取組みにそれぞれいくらかける予定なのか、事業の詳細を荻布教育長にお聞きします。

→(回答)県内各地域での意見交換会の開催費用や県外先進地の視察費用に200万円、全国募集を実施する場合の広報や地元との協議に170万円、全国募集の検討が進む南砺平高校の寮改修に250万円。

(4)この事業の中には「県内各地域での意見交換会」も事業内容に含まれていますが、この1月に県内2ヶ所で行った「県立高校振興フォーラム」とはどのような違いがあるのか、これも教育長にお聞きします。

→(回答)1月のものは時間にして1時間あまり。新年度のものはより十分な時間を確保し、深い議論としたい。

なんでそんなこと聞いたかと言うと、私たち会派が求めている「地域協議会」。この名前にこだわっているわけではありません。この際名前はどうでもよく、議論したいのは中身です。

「地域協議会」の議論、残念ながら、私たちと県庁側で噛み合っていません。その理由は2つあると思っています。

1つは、「再編対象高を存続させるための圧力の場」だと思われているんじゃないかと、そう感じています。そんな理由で地域協議会を求めているわけではありません。

もう1つは、私たちのいう地域協議会、と、1月に行われた県立高校振興フォーラム、この2つは私たちは違うと思っているのですが、みなさんは一緒に捉えているふしがあるんじゃないか、と感じています。

お互い、生徒のことを考えて進めようとしているのに、なぜ噛み合わないのか。なぜ私たちが「地域協議会」を求めているのかをもっと知ってほしい。

いつまでも噛み合わないままじゃなくて、合意形成したいじゃないですか。「地域協議会」作れ、作らない、という言葉じゃなくて、お互いどういう意図だ、という、もうちょっと深いところを話し合いたいと思って、以下2点質問します。

(5)まず、会派が求めてきた地域協議会に関して、代表質問で「提案の趣旨は十分にくみ取る」、そして先週の藤井議員の質問に「提案する地域協議会の趣旨を、一定程度実現できるのではないか」との答弁がありましたが、知事は地域協議会のメリットをどのように現在考えているのか、お聞きしたいと思います。

→(回答)当事者意識を持った方の意見を直に伺える。地域と高校の連携が強化できる。などのメリットがある。地域の皆さまの意見を丁寧に伺うことは意義深い。

単に「意見を聞く場」じゃなくて、「主体的に考える場」が必要だと思っています。

安達議員も言っていましたが、私からも触れさせてください。「まちづくりと教育は別」とおっしゃいました。別でいいと思います。ですが、まちづくりとは別であっても、教育と地域は現在密接に関わっています。今の高校生が授業の中でどれだけ地域を題材にしているか、地域だけじゃなくて、市町村もものすごい授業に時間割いて協力しているんですよ。アントレプレナーシップや職業体験などに、地域の企業がどれほど関わっているか、高校ではありませんが、なぜ県内外の大学生が地域でフィールドワークするのか。

社会課題の解決が教育の主要なテーマでもあるし、学校も学生も望んでいるからだと思います。知事も参加した、富山大学で2月に開催された富山県の高校生による「探究フォーラム」。ほとんどが地域を題材とした探究でした。こういう活動が地域への愛着に繋がり、将来戻ってきたい、とか、この街のために何かしたい、という感情に繋がってくるのではと思っています。

そのために、県、市町村、地域がバラバラに高校に関わっていては生徒のためにならないと思うんです。

私たちが「地域協議会」を求めるのは、もはや高校や高校生のことを県だけで考えるのは限界があると思っているんです。

今、県だけで考えていて倍率も1.01倍になっています。

「こどもまんなか」って、県だけで考えればいいんでしょうか?市町村や地域も一緒になって考えることが「こどもまんなか」だと思います。だから、「県立高校振興フォーラム」のように意見を述べてもらう場ではなく、市町村や地域が自分たちにできることは何か、一所懸命考えてもらう場、言いっ放しじゃなくて責任を持って関わってもらう場としても「地域協議会」が必要だと思っているんです。まちづくりのために「地域協議会」必要だと思っているわけではないんです。

(6)高校教育をよりよいものにするために、県だけで考えるのではなく地域でも考えてもらう必要があり、そのためには、地域や市町村から提案が出てくるような、地域も主体的になって議論する場が必要だと考えますが、新田知事に所見をお聞きします。

→(回答)新年度は総合教育会議で地域や保護者、産業界の代表に出席いただき、幅広く意見を伺い、全県的な県立高校のあり方について議論を深める。希望のある地域で意見交換会を開催する予定。

この6問。

とても思い入れが強く、とても気持ちを込めて質問したつもりです。特に最後の1問…。

どうか皆さんにも、なぜこの質問に気持ちを込めているか、その思いが届きますように。

今回はここまで!続きは次回!

なお、映像は、

富山県議会インターネット中継-録画中継 (jfit.co.jp)

上記で半年くらいは視聴できる予定です!ぜひ!

それではまた!

2024年04月27日

【県議会】

2月定例会で私がした質問(1/3)

こんにちは、富山県議会議員の瀬川侑希です!

ちょっと時間が経ちましたが、
3/13(水)に予算特別委員会で1時間質問しました!

今回は、その時に私がした質問とその回答を書きます。

長いので、いつものように、3つに分割します!

能登半島地震からの復興について

まず、能登半島地震からの復興について、というテーマで4問お聞きします。

(1)いよいよ今週土曜日から北陸新幹線が敦賀まで延伸し、それに合わせる形で、開業日から約1ヶ月間、北陸応援割が始まります。

予約開始数時間で割引分が完売する宿泊施設が続出するなど混乱もあり、「もっとこういう制度だったらよかったのに」という声もあるようですが、こればっかりはやってみないと分からない部分もあったと思います。割引の有無に関わらず、ぜひこの機会に北陸を楽しんでもらいたいと思いますし、「割引は無かったけどとっても楽しかった!」と思ってもらえるように、しっかり私たちはおもてなししたいなと思います。

しかし県においては、これだけ需要があった、予算額よりも大きな経済効果が生み出せるということで、ぜひ第2弾、第3弾を国に働きかけてほしいと思います。

また、県独自の応援クーポンは北陸応援割が始まるまでの、つなぎの期間の需要喚起となり、素晴らしい政策だったと思います。予算増額も検討されているとのことで、ぜひ飲食業や土産店など、宿泊周辺産業にもよい効果が続くように、思い切った予算増額でも結構ですので、よろしくお願いしたいと思います。

さて、県内への人の呼び込みと同時に、「県外」での販促も大切だと考えます。旅行という形で支援したいけれども、なかなか行くことはできない。だけど、北陸のものを「購入」、そういう応援ならできる。そういう応援をしたい、という方も多くいらっしゃると思います。

そういう方に購入の機会を届けることも富山県庁の大事な仕事だと考えます。県内の消費も県外の消費も、生産者の支援に代わりありません。全国ニュースでは、都内などでの石川県の物産展はよく報道されますが、富山県はどうでしょうか。能登半島地震からの復興支援として、県外での農産物のフェアや県産品の物産展などの現状と今後の取り組みについて、お聞きします。

横田副知事、(農水省に戻られますが)引き続き富山ファミリーだと思っています。関係人口のおひとりとして、本省での富山農産物フェアなんかも大いに期待しながら、横田副知事にお聞きします。

→(回答)民間や関係市と連携し、被災地応援フェアを推進している。震災で被害を受けた酒蔵の支援として実施するものもある。本県産品の魅力を発信して、消費喚起に努める。

(2)今申し上げた県外でのフェアをやるにも、応援クーポンを予算増額するにも、全てに財源が必要です。また、様々な国の制度に加えて、県独自の被災者支援メニューを多く作っていますが、それでも、それらの制度ではこぼれ落ちる、例えば神社や自治会公民館の復旧など、今の補助金や負担金では対応できないものがあります。こういうことにも財源が要ります。

熊本地震の時は、そうした国の補助金や負担金でカバーできない分野への対応として、「復興基金」を作って手当てをしていたと聞いています。

現在石川県のみに「復興基金」を作る向きもあるようですが、要求しないと何も始まりません。富山県としても、国に対し「復興基金」の創出を引き続き要望するとともに、しかし復興基金が創出されなくても、こぼれ落ちている部分があるわけですから、現在の制度で対応できない事業は、必要な財源を確保して実施するべきだと考えますが、南里経営管理部長にお聞きします。

→(回答)国のメニューを活用するとともに、本県独自の上乗せ事業を実施し、これらは貯金の取り崩しなどで対応している。復興基金は例外的な措置であり、総務大臣からは「地方交付税」など既存の制度でしっかり対応していく、という回答だった。引き続き、県内の被害状況を踏まえ、被災自治体の声に耳を傾け、貯金の更なる取り崩しを検討するとともに、国に対し予算の確保や補助制度の弾力的な運用、制度の対象外の事業への財政支援などを強く求めてまいる。

(3)地震に関して、被災者の生活再建、液状化対策、応援クーポンもそうですが産業支援、県としても色々やっています。ですが、引き続き困っている方がいるのも事実です。制度で拾えていない部分もあります。ぜひ、県には「これで十分」と思わずに、次々と手を打っていただければと思いますし、天災ですから、国にも積極的に、財源をはじめとした支援を求めてほしいと思います。

ですが、その国に財源を求めるにあたり、富山県の新年度予算案は財政調整基金(自治体の「貯金」、ですね)を取り崩さずに編成しました。じゃあ県債(借金ですね)はどうか。県債も、震災がありましたけれども、令和5年度、令和6年度と「減らす」計画になっています。

国に対して「災害支援をしてほしい」と言っているけれども、県債を減らし、財政調整基金も崩さない状況であれば、震災復興を求める本気度が伝わりにくいのではないかと思います。実際、総務省の幹部からも、先日話す機会があり、「例えば県債減らして真剣度伝わりますかね?」、こう言われ、確かになと私も思いました。

私は将来世代にツケを残さないでほしい、県債を減らしてほしい、とこれまでお願いしてきましたが、今回の地震ばかりは借金をためらわずに被災者の支援に使ってほしいと思っています。県内だけでなく、兄弟県ですから困った時は助け合って石川県の支援もしてほしいです。

2月と3月の補正予算案では財政調整基金を取り崩していますが、今後、取り崩し分などに対して災害に係る特別交付税等が交付された場合には、すべて基金に積み戻すことなく、速やかに被災者のための事業に活用するべきだと考えますが、新田知事に所見をお聞きします。

→(回答)次の災害に備え、一定程度積み戻すことが必要だと考える。当初の見込みを超えて特別交付税が来た場合は、復興復旧事業や基金の積み戻しに使いたい。

貯金は確かに使っていますが、その大部分は特別交付税で戻ってくることが見込めています。その分もしっかり被災者支援に使ってほしいと思います。

(4)この項、最後の質問に移りますが、

カバーできていない被災者支援の例として、例えば、液状化を支援するために「安全・安心とやまの住まい耐震化等促進事業」を拡充しました。大変ありがたい拡充でした。一方で、この制度は「耐震補強」が前提となっており、耐震補強まではしないけれども「普通に」住むために傾きだけは直したい、こういう方は制度を使えません。そして、こういう方も多くいらっしゃる現状も、市井土木部長、聞いてらっしゃると思います。

3月1日の光澤議員の液状化に関する質問では、液状化対策をメニュー化してくれてありがとうございます。ですがこれで拾えない方もいるんです。と。「耐震補強を伴わない液状化対策」への支援を求める趣旨でしたが、答弁が嚙み合わなかったように感じます。先日の高岡市長の要望も、まさしくこの点を言っていたんじゃないかと思います。

「安全・安心とやまの住まい耐震化等促進事業」について、約2,000件もの申請を見込んでいるのか、(耐震補強を前提とする改修が私はそこまであるかなと思いつつ、)改めて傾斜修繕など、「耐震補強を前提としない」液状化への支援制度もお願いしたいと考えますが。市井土木部長にお聞きします。

→(回答)2,000件は2月中旬時点の全壊~準半壊の総数。最大限対応できるよう、必要数ではなくMAXの予算計上とした。「耐震補強を前提としない液状化対策」については、住民のニーズを十分聞いて、必要な支援をしたい。

最後の質問に対しては、再質問しました。

富山県の作った「安全・安心とやまの住まい耐震化等促進事業」は120万円の支援制度ですが、内訳は国が60万円、県が30万円、市が30万円です。これは耐震化を伴う液状化対策です。
しかし、耐震化を伴わない液状化対策を望む声も多くあります。目線を少し変え、耐震化を伴わなくても、県と市が決断すればそれぞれの30万円ずつ、計60万円で

「耐震補強を前提としない」液状化への支援制度

のメニューが作れます。
県は「液状化対策のメニューを作った」と言っていますが、耐震化は「再発防止」です。今もなお、傾いている家に住んでいる方への「生活支援」としての液状化対策のメニューはありません。

「再発防止」も「生活支援」、どちらの支援メニューも準備し、被災者の希望に寄り添ってあげてほしい!と訴え続けていきたいと思います。

今回はここまで!続きは次回!

なお、映像は、

富山県議会インターネット中継-録画中継 (jfit.co.jp)

上記で半年くらいは視聴できる予定です!ぜひ!

それではまた!

2024年04月01日

【教育】,【県議会】

富山県の高校再編ってどう変わるの?

こんにちは、富山県議会議員の瀬川侑希です。

前回の「城端線・氷見線」とともに、住民のみなさまから質問の多い分野が、

「富山県の高校再編」です。

県内メディアでも盛んに取り上げられますが、いったいどのように変わるのでしょうか?

今回はこの話題について書きたいと思います。

まずおさらいとして、

富山県では過去2度、大きな高校再編を行いました。

1度目は、2010年。
海洋高校、大沢野工業高校、二上工業高校、有磯高校、井波高校が別の高校に統合されました。

2度目は、2020年。
泊高校、水橋高校、高岡西高校、南砺福光高校が別の高校に統合されました。

そして、富山県は2027年以降をにらんで、3度目の大きな高校再編を検討しています。

その理由はどういうものなのでしょうか?

【富山県が次期高校再編のをする最大の理由】

こちらの資料の下段の表をご覧ください。

こちらは富山県の資料ではなく、議会の会派内に設置したプロジェクトチームで作成した資料です。そのため、(ポイント)は県の見解ではなく、私たちの見解です。

現在も少子化と言われますが、R5→R18を比べると、さらに3割の生徒が減少するため、県全体で県立高校のクラス数を44減らさないといけない計算になります。

4学級相当の学校に換算すると、10校程度。
新川学区で2校程度、富山学区で4校程度、高岡学区で3校程度、砺波学区で1校程度の高校を再編する必要があるのです。

そして、校数だけを見ると少なく感じるかもしれませんが、新川学区は2/7校、富山学区は4/12校、高岡学区は3/10校、砺波学区は1/5校となります。
1度目、2度目よりも大きなインパクトを残す再編となるでしょう。

(校数を減らすのではなく、全校からまんべんなく1学級減らせばいいのでは?とおっしゃる方もいます。

もちろん小規模校のメリットもありますが(ちなみに私は一定規模校と小規模校がバランスよくあることが大事だという考え)、一定規模校の方が専門性のある授業を展開できるメリットがあり、富山県も一定規模校をベースに考えています。

例えば:仮に80人に1人社会の先生がつくとすると、240人では3人社会の先生がつきます。80人の社会の先生は「地理」が専門で、歴史や公民が苦手かもしれません。240人だと「地理」「歴史」「公民」が専門の先生をそれぞれ置けるかもしれません。また、40人だと社会以外の教科をかけもちする必要があるかもしれません。一般に、広く担当すればするほど、授業準備が大変と言われます。)

【高校再編の結果、高校はどうあるべき?】

学校数減は避けられない次回の高校再編。しかし、単純に削減すればよいのでしょうか?

いえ!そうではなく、これをきっかけにポジティブな変化を生み出せられないか?次回はそういう高校再編にしなければいけない!と私は強く思っています。

先ほど同様、議会の会派内プロジェクトチームの見解です。

特に、『出口だけを考える教育からの脱却を』は、ぜひみなさんも一緒に考えてほしいと思っています。

「〇〇大学何人」「就職率資格取得率100%」。
このようなことが富山県では重視されてきました。

これは学校や先生に責任があるのではなく、親や地域や社会がそれを求めてきたからだと思っています。
今の時期になると毎年発表される、「高校ごとの難関大学進学人数表」。週刊誌ではあっても、他県の地方紙ではこのような表はないと聞くこともあります。何人もの学校の先生から、このような表はやめてほしいという声も聞きました。

プロジェクトチームでは他県の学校をいくつも回りました。
特徴のある高校を選んだからかもしれません。ですが、多くの学校で「出口を考えるのはやめた」と同じ言葉を聞いて、大変驚きました。

では、代わりに何を目指すのか?質問すると、

「生徒が夢中になれることを見つけるのを応援する」
「自分で判断する力をつける」
「他者と協働する経験をとにかくしてもらう」
「「〇〇ができる」という技術だけではなく、「語れる(ナラティブ)」ところまでもっていきたい」

こう言うのです。

富山県もこういう考えに大きく方向転換しなければいけないのではないでしょうか?

「教育は大型タンカーみたいなもの。30度変えるのに3km先を見ないと曲がれない」とおっしゃる方もいます。すぐには変われないかもしれませんが、今回の高校再編を機に、目指して進み始めなきゃいけないんじゃないかと思っています。

今回を逃したら、もうなかなかきっかけが無いかもしれません。

変わるための1つの方法として、偏差値輪切りで選ばれる県立高校ではなく、それぞれの高校がもっと魅力を磨くべきだと思っています。

例えば、ひとつの教科に圧倒的に力を入れる高校。

例えば、民間から校長を募集したり、特徴を出せるまで数年スパンで校長を募集する高校。

生徒が「偏差値でこの高校行けるから選んだ…」ではなく、「ここでこれを学びたい!」と思う、そんな高校に変わっていかないといけません。

【あなたたちの言う「地域協議会」って何?】

最後に、議会と富山県で意見が折り合わない「地域協議会」について。

「地域協議会」。「これだ!」と決まったものはありませんが、市町村長や教育長などが、学区内にどのような高校があるべきか、また自分たちはどのように関われるのか、話し合う場だと思っています。愛媛県の例を参考に、富山県に提案しました。

私たちは「地域の活力維持」のため、地域協議会が必要だと言っているわけではありません。

高校は探究的な学びの題材としてなど、既に地域や市町村自治体と多くの連携をしています。
つまり、既に県立高校とはいえ、県だけが関わっている状況ではないのです。

そして、まさにその身の回りの生きた題材にこそ、
曖昧で複雑で不確実で変わりやすい時代(vucaの時代)、簡単に答えの出ない時代に、それでも答えに向かって進んでいく力。
それを育むヒントがあると思うのです。

県内のある市長は「自分たちの市の高校生には、どんどん海外に行ってもらいたい。そのために、市としてもお金を出す。他市の方でもいいんだ。自分たちの市に関わったからにはどんどん国際感覚のある生徒になってほしいんだ」と話されました。

富山県だけではこのようなことはできません。もし実現すれば、富山県と市町村が一緒になって地域の高校生を育てる、とてもいい事例だと思います。

そのように市町村が要求だけを言う場ではなく、「自分たちは何ができるか」を主体的に考えて、提案する場が「地域協議会」のようなものだと思っています。

富山県は「設置しない!」と言っていますが、、、みなさんどう思われますか?

必要ではないでしょうか?

今回はここまでとします。それでは、また!