2019年05月30日

【県議会】

四国視察:後半

こんにちは、富山県議会議員の瀬川侑希です。

前回に引き続いて、四国視察の後半について。

【徳島県上勝町】


「葉っぱビジネス」でも知られる町ですが、
「ゼロ・ウェイスト」の取り組みを見たくて伺いました。

「ゼロ・ウェイスト」とは、「無駄、浪費、ゴミをなくす」という意味で、物の無駄遣いをせず、リサイクル・リユースを進め、生産段階から処理に困らない製品をつくることで償却・埋め立て処理される有害なゴミをなくしていこうという理念。

日本ではまだ4市町村しか、「ゼロ・ウェイスト宣言」をしていませんが、海外ではニューヨーク市、カリフォルニア州各市、オーストラリアのキャンベラ市、ニュージーランドの50%以上の自治体など100以上の地域が、目標年を定めて採用しています。

参考:http://zwa.jp/about/

富山県は全国で初めて、レジ袋の無料配布を取り止めた県です。そんな県だからこそできる、次なる取り組みが必要ではないかと思います。

一般的な自治体のリサイクル率は20%、上勝町は80%。

ゴミ収集車は走らず、住民が自ら45種に分類して、ゴミステーションに持ち込みます。

1kgで役所が処理にいくらかかるのか、

逆に1kgでいくら役所の収入になるのか、可視化できるような仕掛けになっています。

他には、全国からこいのぼりを集め、ご祝儀袋にして売ったり、

町で使わなくなった体操服を集め、次の小学生に安く譲ったり、

町が補助を出し、全家庭に生ゴミ分解の設備を置き、肥料にしています。

「ゼロ・ウェイスト」の考えが共感を呼び、窓枠を外観に活かしたビール工場など、民間の動きも活発です。

視察は無料ではなく、しっかりお金を取っているところも、私たちができていない部分だと感じました。

【兵庫県南あわじ市】

最後は、四国ではありませんが、兵庫県南あわじ市へ。有名な玉ねぎの産地です。

市の施設。遊び心があって素敵だと思いました。

南あわじ市では2つの廃校活用事例があります。

ひとつは、高校跡地に大学(吉備国際大学農学部)を誘致した事例。

玉ねぎの研究、数が大変少なくなっていた「ナルトオレンジ」の繁殖、ジビエ、お酒(醸造学科)など、農家の方々を手伝いながら、生産・加工・販売まで、一緒に課題解決しているよう。

びっくりしたのは、そこの先生が、何度も試合をした京大空手部の2つ下のエースだったこと(笑)!嬉しい再会でした。

左が京大空手部出身の金沢先生。当時はパワーとスピードを兼ね備えた、とても強い選手でした。
アイスクリームを商品化。

もうひとつが、小学校廃校校舎を活用し、民間が農業ビジネスをやっている事例。

今回の視察のきっかけであり、小学校再編の参考にするため、前からぜひとも見たいと思っていました。

グラウンドで様々な種類のトマト、

また、教室で野菜を育て、

これからは、レストランや宿泊環境も作る予定とのこと。

行政の物件の貸し方を含め、発見が多く、行って正解でした。

以上が今回の視察で回ったところ。

例えば雨が少ないので、水資源の問題があるなど、これらの地域には悩みも多いようです(改めて富山県の水の豊富さに感謝しました)。
富山県より人口減少率も高いです。

しかし、逆境に立ち向かって、自分たちならではの強みを磨いているところばかりで、

では、私たちの強みは何なのか?富山県はどの方向に向かえばいいのか?を問い直すきっかけになりました。

ここも見た方がいいよ!などありましたら、また教えてください!

2019年05月25日

【県議会】

四国視察:前半

こんにちは、富山県議会議員の瀬川侑希です。

どうしても見たいものがあったため、
5/20(月)~5/24(金)で四国に視察に行ってきました。
(5/20(月)と5/24(金)は移動日で、実質の視察は3日間)

今回見たところは、私たち同様、課題の多い地域であろうと思います。しかし、自分たちならではの強みを磨いているところばかりで、大変参考になりました!

【愛媛県今治市】

人口16万人、愛媛県第2の都市。日本遺産も2つあり、高岡市と共通点も多いです。
(日本遺産は正直うまくいっていないなぁ、と感じました。様々な地域の日本遺産を実際に見て、日本遺産の課題が私にも見えてきた気がします。)

富山県も力を入れているサイクリングですが、今治は聖地です。

街のいたる所にスタンドがあります。

こちらはドラッグストア。

「ブランド」でも十分すごいのですが、もはやブランドを通り越して、「文化」になっていると感じました。

しまなみ海道には「歩行者自転車のみが通れる道路」もあります。スポンサーの協力を募り、使用料は無料です。

この自転車道が、
このように本線に合流していきます。
本線の右側にループしているのが自転車道です。

サイクリングが街に当たり前だからか、車も嫌な顔せず、余裕をもって避けていきます。

また、市役所には「サイクルシティ推進室」があり、専属で整備に取り組んでいます。

ブランドといえば、今治はタオルも有名です。

しかし、そのブランドを作るために、地元のメーカーにとっても厳しい基準を自らに課し、ブランドを作り上げていったとのこと。

「5秒ルール」
生地を水に落としてから、5秒以内に沈まないと、合格品にはなりません。

「ブランドを作る」とは生半可な気持ちでできることではなく、廃業する会社が出るかもしれない、そういったレベルで取り組まないと作れない。

成功した「ブランド」は綺麗な話になりがちですが、厳しい厳しい覚悟を必要とすることだと感じました。

【高知県安芸市畑山】

続いて、高知は安芸市畑山、小松夫妻のもとへ。

お2人が生産・加工・販売されている、高知県の地鶏「土佐ジロー」。

「鶏を鶏らしく育てたい」
土佐ジローの健康に気づかい、旨味を引き出す育て方をされている小松夫妻。まるで武道の達人のような、求道者だと感じました。

そして、だからこそ!こんなに濃厚な鶏は食べたことがありません!

土佐ジローの話もさることながら、里山、限界集落、子どもへの教育、、、お2人と色々な話をして、自分の考えを深めるきっかけになりました。

すぐにファンになりまして、また伺いたいと思うスポットです。みなさんもぜひ一度!

前半となる今回はここまで!次回は四国視察の後半です!

2019年05月09日

【県議会】

富山県議会と高岡市議会の比較①

議会後に、職員と議員で集合写真

こんにちは、瀬川侑希です。

昨日5/8に、いよいよ富山県議会がスタートしました。(任期は4/30からでしたが、連休の関係で初当庁は5/8に。)

市議会同様、初日は議長や副議長を選出する「組織づくり」の位置付け、いわゆる「組織議会」が行われ、1日だけの開催。そのほか、各委員会の委員長や副委員長も決まりました。

席の番号は「4番」。中学サッカー部時代の背番号と同じです。

それぞれの議員がどの委員会に所属するかも決定。私は、「教育警務常任委員会」と「人口減少問題特別委員会」に所属することになりました。


各委員会でどのような案件を扱うかは今後書いていきますが、今日は富山県議会と高岡市議会の比較をしてみたいと思います。

①予算規模

高岡市の今年度一般会計の予算額は、656億円

富山県の今年度一般会計の予算額は、5,548億円

約8.5倍。この予算の使い道をチェックしていくことになります。

ちなみに人口は高岡市約17万人に対し、富山県約106万人なので、約6.2倍です。

②職員数

高岡市の職員数は約1,800人(但し、この人数には病院職員や消防士も含まれており、一般行政部門だけだと約800人)

富山県の職員数は約14,000人(但し、この人数には教員や警察官も含まれており、一般行政部門だけだと約3,200人)

全職員を比較すると7.8倍、一般行政部門だけだと4.0倍。県議会議員40人で、この職員分の仕事内容をチェックしていくことになります。

③議会でできる質問数

高岡市議会では年間4回の議会で、希望すれば4回とも質問できましたが(私は全議会で質問しました)、

富山県議会では年間4回の議会で、最大でも3回しか質問できません。

もちろん質問がすべてではありませんので、その分、職員との打ち合わせ量を増やし、政策の実現に向けて活動してまいります。

④借金

高岡市の市債残高は約1,100億円で、今年度予算の1.7倍

富山県の県債残高は約1兆2000億円で、今年度予算の2.2倍


みなさん、「?」と思われませんでしたでしょうか?

意外と知られていませんが…。

昨日は1日だけ開催の「組織議会」。本番である、次の議会は6月議会になります。

年間3回の質問機会ですが、幸いなことに私は6月議会で質問できそうなので、ここらへんの部分を問うていきたいと思います!!

第一弾の比較はここまでとしたいと思います。数字の比較ばかりの、あっさりした中身で申し訳ありません。

「市議会議員の仕事はイメージできるけど、県議会議員の仕事は分からない」という声をよく聞きますので、今後、第二弾・第三弾と比較するときは、なるべく仕事内容にも踏み込んでご紹介していければなと思っております。