2018年06月22日

【市議会】

6月定例会で私がした質問

こんにちは、瀬川侑希です。

 

大雪に苦しんだのがつい先日のようですが、じりじりとした日差しの日が多くなってきました。

季節の変わり目、体調を崩しやすい季節ですので、お気を付けてお過ごしください。

 

今回は、6月定例会で私がした質問を掲載します。例によってこのシリーズは長いです…。

 

 

財政の再建を始めた高岡市であるため、事業を縮小する話が多くなってしまっていますが、

市民が安心して高岡市に住み続けるために、

子どもたちが「夢」を持てる街を作るために、

「必要な部分には」投資をしていかなければなりません。

また、すべての事業が市の貴重な財源を使って実施するものです。

その効果を少しでも高められるよう努めていくべきと考えます。

 

前半は、もう一工夫、もうひとひねりで、さらによい結果を生みだせないかという視点で、

例として今年に入ってから市内で行われた「ポーランドレスリングチームの合宿」と「THEドラえもん展」を題材に、

「ホストタウン」と「観光」、まず大きく2つのテーマを取り上げました。

 

最初に、大きな項目1つ目として、「ポーランドレスリングチームの合宿」を含む、東京オリンピック・パラリンピックに向けたホストタウン事業に関して。

①現在、高岡市は富山県内唯一の「ホストタウン」になっており、相手国ポーランドと相互交流を図っています。その一環として、先月、ポーランドレスリング女子チームと全日本女子チームの合同合宿が竹平記念体育館で行われました。世界レベルの競技力を間近で見ることができ、訪れた市民の方々には大変刺激になったのではと思います。

オリンピック、パラリンピック自体は東京を中心とした地域で行われますが、合宿や観光を通じて日本の様々な地域に海外の方々の目が向き、また地方に住んでいる私たちにとっても、海外の方々との交流が盛んになり、そして子どもたちが「世界」というものに意識が向くきっかけになればと願っています。

そこで、最初の質問です。「ホストタウンを通じて、高岡市はどのような街になりたいのか、高岡市の目標を教えてください。」

ホストタウンの取り組みは素晴らしいと思いますが、まだまだ市役所主導であり、市民と距離があるように思います。

「ホストタウンを通じて、こういう高岡市にしたいんだ!」と発信する事で、市民と思いが共有でき、一体感が生まれるのではないでしょうか。市民の盛り上がりや参加がなければ、高岡市はオリンピックが通り過ぎただけ、市民にとっては他人事、自分とは関係ないことに税金が使われた感覚になってしまいます。

⇒(答弁)ホストタウンの取り組みは、スポーツ振興だけではなく、人的、経済的、芸術・文化的な相互交流を通じて、市の魅力を磨き発信する格好の機会。スポーツの素晴らしさに触れ、スポーツや運動に気軽に参加する市民を増やしたい。スポーツ以外でも、市民のみなさまがそれぞれの得意分野で力を発揮し、国内外から高岡にお越しいただいたみなさまに、誇りと自信をもって高岡を案内する光景が、ここかしこで見られる街にしたい。

 

②次に、高岡市ではポーランドレスリングチームの、オリンピック直前合宿を含む3年連続の合宿開催が決まっていますが、「ポーランドレスリングチーム以外に、他の競技・他の国にアプローチはしないのでしょうか?」

高岡市はバドミントン競技が盛んですし、先月15日、アゼルバイジャン共和国の駐日特命全権大使が、石井富山県知事を表敬訪問され、富山県で合宿をしたい、との意向を示されたりもしています。市民にとって世界と交流できる機会です。積極的に取り組んではいかがでしょうか?

⇒(答弁)受け入れの可能性がある種目があれば、関係の団体とも連携を図りながら、実現にむけ協力していきたい。

 

③さて、ホストタウン関連事業として、合宿や大会が今後も定期的に開催されていきますが、取り組み始めたこの時期だからこそ高岡市に提案したいのは、会場での観戦だけでなく、会場に行くまで、会場からの帰りを利用し、市民の健康意識を高める施策を実施してはどうでしょうか?という事です。(前回のブログで書いた、市内飲料会社と連携した、健康づくりの提案をしました。同じ内容なので割愛。)

⇒(答弁)振興策を考え、気軽にできる運動をぜひ普及していきたい。

 

大きな項目の2つ目は、「THEドラえもん展」を含む、観光施策について。

④まず、3月16日から5月6日まで開催した、THEドラえもん展TAKAOKAについてですが、来場者は5万5千人を超え、幅広い世代に大変な好評をいただきました。開催にあたって、日本を代表するアーティストの方々との交渉は大変な事も多かったでしょうが、その苦労のかいあって大成功となりました。

中身ももちろん素晴らしかったのですが、私が今回嬉しかったのは、イベント開催前から、市役所の担当部署から「事業として黒字化する」という意気込みが感じられた事です。もちろん数字だけで測れない部分もあり、黒字にならなかったから失敗だというつもりもありませんが、「本企画展の高岡市としての収支を教えてください。」恐らく黒字になっているのではと思いますが、そうであれば、今回の経験を一過性のものにせず、市役所全体にも自治体経営の意識を広げるきっかけにしていただければと思います。

⇒(答弁)現在清算中だが、支出した金額相当の収入はありそう。

 

⑤さて、THEドラえもん展はSNSでの拡散効果が非常に大きかったと考えます。そこでもう一つお聞きします。フラッシュなどで作品を傷めないよう配慮が必要だと思いますが、「今後の美術館企画展でも、積極的に作品保有者と交渉するなどして、集客アップのために写真撮影を許可してはどうでしょうか。」

⇒(答弁)著作権者の権利保護や鑑賞環境確保に十分配慮しながら、できる限り写真撮影を可としていきたい。

 

⑥この項最後の質問として、市全体の観光施策について質問します。現在、高岡市も富山県も「台湾」からの観光誘致に力を入れています。一方で、欧米人観光客の訪問数は全国平均よりかなり少なく、逆に言うと、まだまだ伸びしろがあるように思います。そこで、「台湾をはじめとしたアジアの観光客だけではない、欧米の観光客に対する高岡市への誘致をどのように考えているか教えてください。」

⇒(答弁)欧米の観光客は観光消費額も大きいため、広域観光連携による周遊観光の促進、SNS等の活用による情報発信、関係機関への地道な働きかけを行い、誘客増につなげていきたい。

 

 

ここから後半です。大きな項目の3つ目として、現在の高岡市の最大の懸念事項である財政問題について伺いました。今回は、財政問題の中でも特に、今後避けては通れない、小学校の再編に注目して質問。小学校の再編は、財政の観点だけでなく、子どもの教育にとっても必要だと考えています。

⑦現在、高岡市は五位中学校区内の3つの小学校を統合する準備を進めています。そこで、まずお伺いします。「新たに区内に小学校を建設する際に必要な土地取得費と建設費をそれぞれ教えてください。また、3つの小学校を解体する場合に必要な費用と3つの小学校を解体しない場合の年間の維持管理費をそれぞれ教えてください。」

⇒(答弁)算定していない。解体しない場合の年間の維持管理費は、直近で廃校となった西広谷小学校では、年間約140万円であった。

 

⑧というのも、校区内の中心に近い東五位小学校は昭和50年に建設され、市内で東五位小学校よりも古い小学校は11校も存在します。新しい小学校とは言えませんが、耐用年数もまだ迎えていません。この状況を踏まえれば既存の小学校を使う案にも合理性があると思いますが、「なぜ既存の小学校を使わないのでしょうか?」

⇒(答弁)まだ決まっていない。4月に設置した「高岡市教育将来構想検討会議」で、既存の小学校を使うか、新しく建設するか、意見をいただく。

 

⑨また、「新たに小学校を建設する場合、特にプール建設に関わる費用と年間の維持管理費を教えてください。」プールは学校施設の中でも、特に季節性のある施設で、小学校の場合、夏しか使われません。一方で、市内には多くの民間の事業者が保有するプールがあります。「新たに小学校を建設する場合であっても、すべての施設を建設するのではなく、せめて特定の季節しか使わないプールは、民間のプールを活用するなどの方策は取れませんでしょうか?」

⇒(答弁)プール建設には約1億2000万円かかる。年間の維持管理費は約50万円。民間のプールの活用については、全国の先進的な取り組みの事例を今後把握していきたい。

 

⑩さらに、この小学校統合はこれから順次迎えるであろう、他の小学校統合のモデルケースとなります。

決して当該地区だけの問題ではありません。

今回、新小学校を建設する事で、「新しい校舎を建設することが前例になり、今後の小学校統合において、既存の建物を使う案を、検討しなくなる懸念はないのでしょうか?」「以前新しい小学校が建ったから、私たちの地区の小学校も統合するなら新しいものを作ってくれ」という声があがった場合、私たち市民が納得する説明ができるでしょうか?

高岡市は現在、公共施設削減を進めており、新小学校を建設し、既存の小学校の跡地利用の問題も抱えるとなると、スピード感がなくなるばかりか、さらに公共施設を抱える事になり、今後の財政に大きな影響を及ぼします。

「今」だけでない、「数十年後の未来」も考えた判断をぜひともお願い致します。

⇒(答弁)限られた財源である事を認識し、各学校が置かれた諸条件を踏まえ、その中で最大の教育効果が期待できる環境を整えていく。

 

最後の項目に。

⑪繰り返しになりますが、財政が厳しい高岡市ではありますが、「必要な部分には」投資をしていかなければなりません。

私は、これからの世代であったり、子どもたちに投資する、そんな街にしていきたいと考えていますが、高岡市は子どもたち、子育て世帯にかける予算がまだまだ少ないように感じます。

学童クラブに関して、2点質問します。まず、この項の1点目として、「核家族共働き世帯、また、ひとり親世帯が社会全体で増えている中で、高岡市の学童クラブ希望者数は今後10年でどのように変化していくと予想しているのでしょうか?」

というのも、日本政策投資銀行、北陸支店のレポートで、今後子どもの数自体は減っていくのに、核家族共働き世帯、あるいはひとり親世帯が増えているという社会情勢の変化によって、学童クラブ希望者数は北陸地域においても今後10年増えていく、というものがありました。高岡市における予測をお伺いしたいと思います。

⇒(答弁)高岡市も、就学児人口は減少していくが、学童クラブ希望者数は当面の間増加すると見込んでいる。

 

⑫そして、最後の質問として、「現在でも支援員の確保が困難な中、今後放課後児童クラブ希望者が増えるのであれば、抜本的な対策が必要だと思いますが、どのような検討を行っているのでしょうか?」

学童クラブは様々な懸念事項はありますが、学校後に子どもが集まる、ある意味稀な場になっています。それを利点と捉え、通常の授業ではできない、英語教育やプログラミング教育を教えたり工夫を凝らせば、高岡らしい独自の教育が実践できるのではないでしょうか?

⇒(答弁)今年度からシルバー人材センターの派遣事業を活用し、支援員の確保に努めている。現在の支援員は「地域の方の紹介」がきっかけの方が多いので、「支援員を募っている」ことを多くの市民に知っていただける環境づくりが効果的と分析している。

 

 

以上が私がした質問です。

この中でも特に、小学校統合の答弁は非常に不可解な回答でした。

再質問をして明らかになったのですが、

既存の小学校を使うか、新しく建設するか審議する「高岡市教育将来構想検討会議」にも、土地取得費や建設費は示していないとの事。

金額が分からないのに、どうして既存の小学校を使うか、新しく建設するか、決められるのでしょうか…。

 

高岡市は年間約60万円を節減するため、市役所内のエスカレーターを止めました。

エスカレーターがあった方が便利なのは分かります。しかし、私はこういった一つ一つの積み重ねが大切だと思います。

一般に小学校の建設費は20億~30億です…。