2021年02月28日

【自分の考え】

高岡市の課題③

こんばんは、富山県議会議員の瀬川侑希です。

前回の続きです。

高岡駅北側の資産を活かす話になると、あるいは市役所が御旅屋セリオに移るべきかどうかの話になると、高い割合で言われるのが、

「高岡駅北側には駐車場が無い」

という言葉です。

この問題は、市が他の困難にぶつかった時の乗り越え方の参考になったり、公共交通全体の広い話に繋がってくると思っているので、かなり具体的な話ですが、今回取り上げたいと思います。

「高岡駅北側には駐車場が無い」

それに対して、私は2つのアプローチがあるのではと思っています。

その2つは、駐車料金の徴収方法(「テクノロジーで解決する」)と公共交通網の充実(による「ライフスタイルの変革」)です。

まず前提として、

以前も紹介したことがありますが、

イオンの建物のサイズを高岡駅北側にかざしてみると、

高岡駅前~末広町~大仏とちょうど同じサイズになります。

イオンの中を普段多くの方が行き来していますので、距離自体が問題ではないのではないか、と考えます。

駐車料金の徴収方法(「テクノロジーで解決する」)

では、何が心理的ハードルになっているかというと、(目的地が見えるからこそ)なるべく近くに停めたいという気持ちもあるかもしれませんが、そのひとつは駐車料金の小銭の煩わしさではないかと思っています。

しかし、高速道路に乗る時に多くの方がETCを利用するようになりました。駐車場でもETCのシステムを使い、入る時も出る時もスムーズに駐車できれば、感じ方も違ってくるのではないでしょうか?

ETCの利用シーン拡大は現在国が検討中ですが、利便性だけでなく、人々の「行動」を変えられるのか、高岡が実証実験の地になっても面白いと思います。

また、ICOCAでもSuicaでもOKです。こちらの方が、持ち運びやすいので、お店や図書館と連携して駐車料金割引などがしやすいというメリットがあります。

駐車場は一例ですが、今まで課題だったことが、技術の進歩やテクノロジーの力で一気に解決できる。このようなことは潜在的にいくつも存在すると思っています。

「今までできなかったから」ではなく、今までできなかったことができるようになっている時代だという認識のもと、使うことで市民の満足度や幸福度が高まる技術は積極的に利用してほしいと思います。

公共交通網の充実(による「ライフスタイルの変革」)

もう1つのアプローチは公共交通網の充実です。

廃止したコミュニティバスは、高齢化社会において増えるであろう免許返納者への福祉の観点からも、復活させるべきだと思っています。

しかし、単純な復活ではなく、

元々の2路線×2台の4台を、4路線×1台にし、南部地域の2ルートを新設する。台数は変えずに、広い地域の方々が利用できるようにすればどうでしょうか?

また、万葉線も含めた城端線・氷見線のLRT化が実現すれば、運行本数や駅の数も増えることが想定されます。

従来のバス、コミュニティバス、運行本数と駅の数が増えたLRT、

高岡駅まで多様な選択肢が存在するようになります。

そして、公共交通に乗るには、最寄り駅まで、また目的地まで「歩く」ことになり、健康増進にも繋がります。

福祉の観点からも、そして健康の観点からも、公共交通の充実は必須だと考えます。

(「歩く」ことで高齢者が健康になれば、その分医療費がかからず、子どもや若者に回すことができます。)

公共交通が充実することで、前回触れた「横串を通す」に繋がる上に、

今まで当たり前だった、移動=マイカーから、ライフスタイルが変わるかもしれません。むしろそういうライフスタイルや、「医療費を抑えて次世代に回す」という行政の考え方を高岡から提案していけばどうかと思います。

LRT化だけで終わらせない

LRT化に関しては、その先さらに思い描いていることが3点あります。

詳しくは説明しませんが、簡単に紹介させてください。

LRT化をきっかけに、これまでの「外出しよう」ではなく、「外出したくなる」仕掛けがあれば、より効果が高まると考えます。

①これは私のアイディアではありません。20代の方から教えてもらいました。

「ドラえもん電車だけでなく、ドラミ電車ものび太電車もジャイアン電車もあればいい」

自分にこの発想はありませんでした。色んな方と話すって、とても大切だなと感じた瞬間でした。

私もぜひ実現させたいと思っていますが、次に市長になる方にぜひチャレンジして頂きたい施策です。

②磁気データを使い、乗り放題区間(無料区間)を作る

ICOCAでもSuicaでも、ICカードなら設定は簡単です。単に無料ではなく、年間パスやまずは実験的に無料化する選択肢もあると思います。

③越ノ潟から岩瀬まで繋げ、県内多くの地域を電車でめぐれるようにする

③は大き過ぎる話かもしれませんが、他市の方ともみんなで描ける夢があってもいいと思います。

さて、自分が考える高岡の課題について話して、今回で3回目になりました。

特に今回は細かい話に入っていったので、

大枠の話に戻しながら、次回以降は「ではどんな高岡市を目指すべきか」について、もう2回くらい(3回になるかも)でまとめていきたいと思います!

それではまた。

2021年02月27日

【自分の考え】

高岡市の課題②

おはようございます、富山県議会議員の瀬川侑希です。

前回の続きです。

では、これからは新高岡駅が中心になるのでしょうか?

これは非常に難しい問題です。ぜひ夏の高岡市長選のテーマになればと思います。

前回は、自分が考える高岡の最大の課題は「人口減少と少子高齢化を見据えた街づくりができるか」だと述べた上で、0→1で新しく生み出すならという観点で話しましたが、

一つ下のレイヤーの課題は「今ある資産を活かすこと」と「それを横串で通すこと」だと思っています。

今回は「今ある資産を活かすこと」を取り上げ、色んなものの色んな活かし方がありますが、「例えば」という話で「古城公園」と「御旅屋通り」の2つを取り上げたいと思います。

この2つを選んだ理由としては、

高岡には「山町筋」や「金屋町」やその他にも色んな素晴らしいエリアがあります。しかし、限られた財源。全部を行政が整備することはできません。

基本的には、民間でできることは民間で。むしろその方が上手くいく、と思っていますが、

(ここ数年でも、「あそびとビル」や「金ノ三寸」など、とても面白い動きがいくつも起こっています!)

あそびとビルさん (@asobitobuilding) / Twitter

民家ホテル 金ノ三寸|富山県高岡市・古民家をリノベーションした宿 (kanenosanzun.jp)

公園や道路は、行政の方が役割分担としてふさわしいと思い、「古城公園」と「御旅屋通り」2つを取り上げます。

素材はあるので「今ある資産を活かすべき」というのが私が高岡に対して思っていることです(人口減少時代、街を拡大しない観点からも)。基本は高岡駅北側の資産をもっと活かすべきだと思っています。

しかし、過剰な投資をするという意味ではありません。また、「賑わい」を追い求めるのにも反対です。「魅力があれば人は集まってくる」というのが自分の考えです。高岡駅北側にはポテンシャルがあるので、「ちょい足し」でてこの原理が働くと思っています。

例えば①

古城公園の年間のべ利用者数は850,000人です。この850,000人にもっと楽しんでもらい、より多くの方に訪れてもらうにはどうしたらよいでしょうか?

これは古城公園の所有者を表したものです。

「古城公園は国の管理だから制約が多い」

という話をよく聞きます。確かに何でもできるわけではありませんが、何もできないわけでもありません。

例えば、右上のオレンジ色部分「中の島」。築城当時からあったものではなく、昔は畑でした(市立博物館で資料が見られるはず)。ここの活用方法はないでしょうか?( 市有地なら何でもできるという話ではないのですが、難易度はもちろん変わります。)

私は以前、東京吉祥寺の井の頭公園近くに住んでおりましたが、園内には大変雰囲気のよいカフェがあります。

井の頭公園で大人気!タイ料理の「ペパカフェ フォレスト」 | icotto(イコット)

古城公園そばには「コッテロ」さんもあり、木々を眺められるロケーションは本当に気持ちがいいです。

園内にはその他、「古城亭」もありこちらの雰囲気も素晴らしいのですが、

これらをヒントに思わず訪れたくなる、デートで訪れたくなるような(恋が生まれる場って街として大事だと思います)ものができないかと思います。

例えば②

これは私の友人、建築家の吉田甫さんが描いたものです。御旅屋通りの一部を芝生化する空想です。

初めてこれを見た時非常にわくわくし、色々な想像が膨らみました。

道が公園になるというか、憩える場所になり、色んな世代が集う場になるような気がしました。

こうすることによって、古城公園まで植物で導線ができたり、お店と道路の境界線が薄まり、どんどんお店が外にせり出してきたり、色んな効果が生まれてくるのではと思っています。アーケードがあるため、一年中利用できます。

高岡の商店街は人が歩いていないと言われたりもしますが、居酒屋の中に入るとたくさんの人がいてびっくりすることがよくあります。お店と外の境界を引くのではなく、中間の空間を作りやすくすることで、通りの雰囲気は変わってくるように思います。

「街の中心は変わるもの。高岡だってもともと山町が中心だったが、鉄道ができてから高岡駅に変わってきた。これから変わっても不思議ではない。」

「ムクドリは人の多いところに集まる。賑わいのバロメーター。ムクドリは以前は高岡駅周辺にいたけど、今はイオンの周りにいる。高岡の中心はどこなのかムクドリが語っている。」

参考URL:http://www.bird-research.jp/1_katsudo/mukudoriNegura/indexNegura.html

と言う方もいます。

私としては、高岡駅周辺にこだわっているわけではありませんが、少なくとももっと活かせると思っています。

「新高岡駅は玄関」で「高岡駅は居間や台所」。より楽しんでもらったり、ディープな高岡を感じてもらうには、居間や台所までお連れしたいなと思います。

しかし、「高岡駅北側には駐車場が無い」という声も聞きます。

次回はこの続きを話していきたいと思います。

2021年02月24日

【自分の考え】

高岡市の課題①

こんにちは、富山県議会議員の瀬川侑希です。

ご報告です。

ここ数ヶ月、これまで応援して下さった方々に強く薦めていただき、考え、悩んできましたが、2月19日(応募締切日)、高岡市長選に関し、自民党の推薦者選考に応募しないことを決めました。

様々な事情があったとはいえ一期目途中で辞職した市議に続き、県議も途中となることに最後は自分が納得できなかったのが理由です。

また、高岡を変えるにはもっと力をつける必要も感じました。

ここに至るまで、大変悩み、正直とても苦しい時間もありました。自分のこと以上に熱心に考えてくださるみなさんの気持ちに応えられないことに不甲斐なさも感じました。

街づくりは時間がかかります。高岡市長は30年後の高岡にも当事者意識を持って、「今」未来のためにひとつひとつの判断をしていくべきではないのか。30年後も現役世代である、自分だからこそできることがあるのではないか。そんなことも考えました。

しかし、今回結論を出しましたが、政治家を志した当初からの、高岡市をよくしたいという気持ちは変わりません。引き続き、県議として高岡市・富山県のために頑張りますので、これからもご指導下さい。

2017年夏

悩んでいる最中、「高岡市の課題は何か」という問いに、長い時間向き合いました。

あくまで自分の意見に過ぎませんが、自身の中でまとまってきたものがあるので、これから何回かに分けてお伝えしていきたいと思います。

国全体の動きを見ると、「グリーン化(持続可能な地球環境のために環境負荷を抑えた取り組み)」や「デジタル化」の議論が進み、もちろん大切なことだと思っています。高岡市においても進めていかないといけません。

また高岡独自の話でいうと、休館になっている市民会館や老朽化の進む市民体育館の議論も決着させないといけません。

しかし、私は高岡の最大の課題は、「人口減少と少子高齢化を見据えた街づくりができるか」だと思います。

これは高岡市発表の人口予測です。

2020年から30年後の2050年になると、人口は25%減少、(その年齢の区切りも、もうどうかとは思いますが)15~64歳の生産年齢人口は35%減少する予測です。

これを前提にした街づくりができるかが、最大の課題だと考えるようになりました。

(30年後の話をすると「30年先は遠い未来」とか「生きていない」と言われる方もいらっしゃいます。お子さんお孫さん、地域の子どもが大人になっている社会が30年後の社会です。私たちは彼ら彼女らにどんなものを残していくべきでしょうか?)

街は「賢く」縮小していかないといけない、そんな時代に私たちは立っています。 「縮小」と聞くだけで苦しいですが、判断が遅れれば将来世代によりつけが回ってしまうため、踏ん張って、逃げずにこの問題と向き合わなければいけません。

しかし、なんでもかんでも縮めればいいと思っているわけではありません。

選択をしながら、集中する所には積極投資し、全体として「賢く」縮めていくべきだと思っています。

例えば、この赤枠で囲んだ部分は積極投資を少なくとも検討すべき場所だと思っています。

下の方の、イオンモール周辺の2つの赤枠。新高岡駅からイオンモールの新館まで屋根付き歩道を繋げることで、雨に濡れずにこの場所まで行けます。

万葉線まで含めた、城端線・氷見線のLRT化が実現すれば、運行本数も増えることが予想され、新高岡駅の利便性はグンと高まります。

現在は多くの高校へ、生徒が傘をさしながら自転車で通学していますが、例えばここに高校があれば、そんな危険なことをする必要はなくなります。

一例として高校を挙げましたが、LRT化でより利便性が高まるのならば、この場所の活用方法についてみなさまも色々なアイディアがあるかと思います。

次回はこの続きを話していきたいと思います。