こんにちは、富山県議会議員の瀬川侑希です。
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3/7(月)に県議会本会議で質問しました。持ち時間は20分、相手の返答を含めるとちょうど1時間です。
今回はその質問内容と回答について書きます!長いので3つに分けます!
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瀬川です。私からは、「令和4年度の予算・組織案について」5問、「きずな子ども発達支援センターとこまどり支援学校について」5問、「教育、農業、観光について」4問、合計14問質問していきます。
まず、「令和4年度の予算・組織案について」4問質問します。
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(1)今議会は、来年度のベースの予算を決める2月議会。色々な見かたがあろうかと思いますが、来年度の予算の最大の特徴は、私は「ウェルビーイング」を富山県のビジョンとし、関連予算を多く盛り込んだことだと感じています。「県民調査及びウェルビーイングを測る指標を設定」2,300万円、「成長戦略カンファレンス」2,400万円など。
「ウェルビーイング先進地域、富山」を中心に据えるという予算案のメッセージは大変評価しています。一方でウェルビーイングは万能薬ではありません。
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というのも、個人と個人のウェルビーイングは時にぶつかることがあります。
例えば、私は魚を食べたいが、肉を食べたい人もいる。匿名だからとSNSではきだした感情が誰かを傷つけているかもしれない。まん延防止出してほしい飲食店もあれば出してほしくない飲食店もある。日本は3回目のワクチン接種を進めていますが、世界には1回もワクチンを接種できていない人々もいる。
一番身近で、協力関係にあるはずの夫婦という単位。ここでさえ、お互いのウェルビーイングがぶつかる時があります。
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ウェルビーイングの研究者、渡邊淳司さん、早稲田大学のドミニク・チェン准教授は、ウェルビーイングは「個人のなかで完結するものが多過ぎる」と指摘をしています。もちろん「個人のウェルビーイング」は尊重されなければなりません。
しかし、「自分が幸せであればそれでいい」と捉えられてはいけません。自分と同時に他人のウェルビーイングも尊重する「社会全体のウェルビーイング」。
そして、「今この瞬間の幸せ」だけでなく、その選択は将来世代にとっても幸せか考える、「将来世代のウェルビーイング」という視点、環境はまさにこの分野かと思います、こちらも同じように発信していくべきだと考えます。
せっかくよいメッセージですから、「個人」と「社会」と「将来」、こういう視点でウェルビーイングを考えよう、と解像度を上げて伝えることが大切だと考えますが、新田知事の所見をお聞きします。
→(回答)県民1人1人とともに、社会全体のウェルビーイング向上も図る。個と社会の好循環を作りたい。また、来年度、富山県なりのウェルビーイングを測る指標を設定したい。
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(2)予算の最大の特徴は「ウェルビーイング」だと言いましたが、組織変更の最大の特徴は「現所属に籍を置きながら、プロジェクトチームや他部署の事業に従事できる」「庁内複業制度」ではないか、画期的だと感じています。興味のあること、得意なこと、に従事する県庁職員が増えることで、きっと県庁全体の発揮する力はあがると思います。
しかし、制度を作っても利用されなければ意味がありません。例えば現所属の仕事量はどうなるのか。私も気になりますが、県庁職員の方はもっと気になっているのではないでしょうかと思い、代わりに聞きます。
現所属の仕事量が変わらないのであれば、単純に業務量が増えるので、庁内複業制度の利用は伸びないかもしれません。
そこで、プロジェクトチームや他部署の事業に従事できる「庁内複業制度」について、年間どのくらいのプロジェクトチームを見込み、どのくらいの職員がこの制度を利用する想定なのか、また、利用した場合は現所属の仕事量は合わせて減らせるのか。岡本経営管理部長にお聞きします。
→(回答)まず3チーム程度から始める。多くの職員に制度を利用してほしいが、現所属の仕事量を特段減らすことはしない。
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(3)そして、異動サイクルの見直しも画期的だと感じています。非ライン職(これは県庁用語で、係長以下の職員ということなんだと思いますが)、これまではなんとなく2~3年サイクルでしたが、これを4~5年を基本にとのことです。じっくり仕事に取り組めることで、(公務員はスペシャリストよりゼネラリストと言われることもあります)個人の総合力は少し落ちるかもしれませんが、県庁のパフォーマンスはきっとあがると思います。
しかし「4~5年」であっても定期的に異動があることには変わりません。それよりも「今の部署の仕事を続けたい」「あの部署であの仕事がしたい」という職員の希望にそって、モチベーションを高く保つことが組織の強さに繋がると考えます。
そこで、希望すれば、さらに期間が延びたり、そもそもの部署異動に職員の希望がより反映されるような変化はあるのか、岡本経営管理部長にお聞きします。
→(回答)これまでも部署の希望や家庭事情などを聞き、可能な限り配慮してきた。期間を4~5年よりさらに伸ばすことにはデメリットもあると思っており、個々のケースごとに慎重に判断したい。
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(4)次は特定の予算項目について2問聞きます。まずは不妊治療費助成についてです。
不妊治療が4月から保険適用となります。これまで体外受精は1回平均約50万円かかっていました。ここに富山県は約30万円の助成をしていたわけですが、保険適用によって高額療養費制度を使え、約8万円の自己負担になるとのことです。
今ほど、50万円の費用に対して30万円の助成をしてきたと言いました。全体としては、富山県はこれまで年間約1億円の助成をしてきましたが、この負担がなくなります。
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しかし、国がやるから予算を引き揚げるのではなく、保険適用後も不妊治療の自己負担は引き続き高額であるため、これまでの約1億円を充てたり、あるいは他の福祉政策で次の手を打つべきだと考えますが、木内厚生部長にお聞きします。現に高岡市など県内市町村では、これまでの不妊治療助成予算をそのままに、引き続きサポートする動きがあります。
→(回答)小児周産期医療の充実、子育て応援券の配布など、子育て支援・少子化対策に積極的に取り組んできた。新年度も乳幼児医療費助成の充実、産後の家事代行サービス「ヘルパー派遣事業」の拡充など、子育て支援施策をさらに充実することとしている。幅広い子育て環境の充実にしっかり取り組んでまいる。
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(5)次は海外への訪問団派遣についてです。来年度予算には3つの国への訪問団派遣費用などが計上されています。アメリカオレゴン州向け2,000万円、ブラジル向け1,500万円、ロシア向け1,000万円。色々な目的があろうかと思いますが、ぜひ重厚な訪問団ではなく、未来ある若い世代を積極的に連れていってあげてほしいなと思います。というのも、教育の予算は様々計上されていますが、教育の中身、ソフト面の予算は少し少ないように感じています。
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ひとつのアイディアとして、例えば、アメリカスタンフォード大学が主催する日本の高校生向けオンライン教育プログラム「eジャパン」というものがあります。年2回、全国で毎回30名ほどの高校生が選抜され、日米の文化比較、未来の日米関係などについて英語でディスカッションしたり、課題に取り組みます。
昨年、このプログラムで富山中部高校の生徒が上位3人に選ばれました。聞くところによると、その生徒は自らこのプラグラムを探して応募したとのことです。その生徒の情熱に感激するとともに、
県内にも「もっと学びたい」というニーズがある、他にもいるんじゃないか、富山県はその気持ちに応えることができていたのか、と自問自答しました。
このスタンフォード大学のプログラムは全国版もありますが、多少お金はかかりますけれども、都道府県ごとのプログラムを作ることができ、全国で鳥取県、大分県、広島県が取り組んでいます。富山の高校生に質の高い教育機会、チャンスを提供するために富山県も取り組んではと考えます。高校生県議会についての報道、そして先日富山工業高校の卒業制作発表会で新田さんのスピーチする姿を自分の目で見て、「富山の高校生」に対して強く思っている何かがあるんだな、と感じました。ぜひ、このプログラムやりませんか?新田知事に所見をお聞きします。
→(回答)起業家マインドを持つ人材の育成や、グローバル人材の育成に効果があると想像する。先進県の取り組み状況とその後どうなっているかも調べたいので、もうちょっと時間をください。
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今回は1/3のここまで!
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(2)に関しては、現所属の仕事量が減らないのであれば、利用は伸びないだろうと思います。課内のマンパワーが減る課長は後押しできるでしょうか?その分の負担が増える、他の課員はどう感じるでしょうか?せっかくよい制度ですから、職員が利用しやすい仕組み、県庁の力がより発揮される仕組みをデザインしてほしかったなと思います。
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午後1時からの質問だったのですが、ちょうど選手団の旗手も務めた、富山県出身、川除選手の金メダル!!のニュースが飛び込んできたので冒頭に触れると、議場全体がお祝いの雰囲気に!同僚議員から、川除選手の努力・闘志を聞いていたので、本当に嬉しかったです。川除選手、そして関係者の皆様、おめでとうございます!
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なお、映像は、
富山県議会インターネット中継-録画中継 (jfit.co.jp)
上記で半年くらいは視聴できる予定です!ぜひぜひ!
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それではまた!