2020年08月07日

持続可能な都市、ポートランド(2/3)

おはようございます、富山県議会議員の瀬川侑希です。

前回に引き続き、数年前ポートランドを訪れた時のことを書きたいと思います。

持続可能な都市②:モノの循環

こちらは木材を売っているお店なのですが、ただの木材ではありません。

全部、使われなくなった住宅などから出た「廃材」です。

廃材の中でも古いもの新しいものがありますが、1本1本に値段がつき売られています。

日本でも空き家が大変多くなっています。空き家が解体される場合、多くは重機で粉々に潰しています。

しかし、中の物は使う、建材も使う。まだ使えるものはないか問いかける、そういう仕組みを作る必要を感じました。

同じお店だったと思いますが、ドア、窓のコーナーもありました。1つ1つ値段がついています。

ライトのコーナーや、

洗面台や、さらにはトイレのコーナーまでありました。

また、別の店では、

この写真で分かりますでしょうか?

ドアの「金具」や「照明スイッチ」のような、小物が、

よくここまでの種類が集まったな、と思うくらいとんでもない量が売られています。さすがアメリカ。こちらも1つ1つに値段がついています。

私もそうだったのですが、あまりに種類があるのと、「こんなものまで!しかも売るの?」という驚きの商品があるので、平気でこのお店だけで1日経ってしまいます。

日本でも、長野県には、 リビルディングセンタージャパン(リビセン) という同じコンセプトのお店があるようです。

http://rebuildingcenter.jp/aboutus/

このような動きがもっと広がったらいいと思いますし、このようなお店を応援していきたいですね!

次は衣類の循環です。

こちらは「GOODWILL」というお店です。いわゆる服のリサイクルショップですが、

しばらく見ていましたが、ショップ隣の倉庫のようなスペースに車が渋滞状態になりながら、次々と、そのご家庭にとっては不必要となった衣類が運び込まれていきました。

現地の方に話を聞くと、値段がつきそうなものだけ持っていくわけではなく、たとえ値段がつかなくても「使わなくなったものを持っていく」という意識が広がっているようです。

以上は住宅用品の循環、衣類の循環でしたが、ポートランドには「建物の循環」もありました。

こちらは、ケネディスクールという「元」小学校の建物です。

1915年に開校したケネディスクール。その後1975年に閉校。その建物・雰囲気をなるべく活かす形でリノベーションし、名前もそのまま「ケネディスクール」、現在はホテル、映画館、レストラン、パブなどが入る複合施設になっています。

富山県でも少子化の影響で多くの学校が閉校になっていますが、跡地活用がいつも問題になります。

「壊す」のではなく「活かす」。学校という独特の構造、雰囲気は代えの効かない貴重なものだと思いますので、ぜひ利活用の道を探りたいと思います。

講堂が映画館になっています。黒板を活かした告知、味があります。

レストランになった教室。

極めつけは、ボイラー室を活かしたパブ。

配管まで活かした装飾。とにかくオシャレな空間でした。

今もあるのかアメリカの教育環境はよく分かりませんが、「DETENTION」というのは居残り部屋とか説教部屋のようなニュアンスなのだと思います。

子どもは入っちゃいけないよ、というメッセージなのか、そこがBARになっているのも洒落が効いていているなぁと感じました。

ポートランドには同じ系列のホテルで、「EDGEFIELD」というものもあります。

こちらは農家の建物をリノベーションしており、奇妙な、それでいてワクワクする、不思議の国のような空間になっていました。

農家というストーリーも影響しているのか、敷地内でワインを作ったり野菜を育てていて、その場で味わえます。

次回を最終回として、ポートランドについて続けて書いてみたいと思います。

それでは!