2020年12月12日

城端線・氷見線のLRT化を高校生が考える

こんにちは、富山県議会議員の瀬川侑希です。

昨日は11月議会(11月に始まったのでそう呼びます)の教育警務委員会が開催されました。

その中で岡崎議員(社民党)から紹介があったのですが、

12/2(水)にKNBでこのような放送があったようです。

(動画)

リンク:JR城端線・氷見線のLRT化 高校生は… (knb.ne.jp)

(KNBより文章引用)

 JR城端線と氷見線をめぐってJR西日本と県、それに沿線の4つの市は先月、沿線の住民を対象にした利用調査を行い、LRT化に向けた検討が具体的に進みつつあります。この2つの路線を最も日常的に使っているのが、沿線の学校に通う高校生です。SDGsの1つに掲げられている「住み続けられる街づくり」に向け沿線の2つの高校の生徒が、利用者の視点から路線の将来を考えています。梅本記者のリポートです。

 氷見高校2年 佐藤勇太さん
「氷見市の海浜植物園の近くに新駅ができるかも、という話を聞いて一気に関心が湧いた」

 氷見高校普通科文理探究コース2年の佐藤勇太さんと島彰太さんです。氷見線のLRT化に関心を持ち、県内の先行事例である富山地方鉄道富山港線、旧ライトレールに実際に乗って、その利便性や効果を考えました。

 佐藤勇太さん
「ライトレールはパターンダイヤで等間隔に来るので時刻表を見ずに行動することができて楽だった。高齢者、いろんな年代の方々が利用しているので、それをみると賑やかで少し羨ましいなと思った」

 富山港線は、富山駅から岩瀬浜を結ぶ総延長7.7キロの路線です。赤字路線だったJR富山港線を軌道線として組み入れて整備し、誕生したのが2006年。低床車両の導入に加え、停留所を3か所増やして、運行は最短で10分間隔。利用者を順調に伸ばし、沿線の住宅増加に加えてことし3月の南北接続で、更なる効果に期待がかかります。

 一方、氷見線と城端線は、総延長45キロ余り。高岡駅を分岐点に、北は氷見から南は城端まで県西部を縦断しています。地鉄富山港線のほぼ6倍という距離をLRT化した場合の効果はいったいどれほどのものか…。

 2人は、城端線沿線で同じように利用する生徒が多い砺波高校の協力を仰ぎました。生徒のおよそ4割が城端線で通学している砺波高校。普通科の2年生4人が、同じように授業で城端線と氷見線のLRT化を考えていました。

 路線を利用する生徒同士、オンラインで忌憚のない意見を交わしました。

 氷見高校2年 島彰太さん
「自分たちだけで思っていても解決できないので、やはり多くの人に同じ意見を持ってもらうことが大切だとわかった」

 砺波高校2年 伊藤要さん
「利用者が増えなければこのLRT化の実現の可能性も下がるので、日ごろ利用しない人が利用してもらわなければ、増えないことがわかった」

 昨年度の城端線と氷見線の1日の輸送人員は、1キロあたりともに3000人を切っています。これは、国鉄からJRに民営化された1987年のほぼ6割で、国鉄時代の廃線基準だった4000人を下回る水準です。

 通学に多くが利用しているはずの砺波学校の生徒にアンケートをとったところ、LRT化の動きについて知っていたのは2割に届かず、LRT化の賛否についても6割が「わからない」と答えました。

 利用者増加には、まずは関心を持ってもらうことが重要だと考えた4人は、城端線沿線の3つの市を訪れ、LRT化に向けた取り組みや、JRが示している街づくりとの関わりについて尋ねました。

 高岡市総合交通課 佐伯貴之係長
「交通の活性化は街の活性化にもつながる」

 ただ一方で、富山港線に比べて距離が長いうえに砺波市や南砺市など、住宅が点在する地域での利用の促進には課題があると、生徒たちは考えています。

 砺波高校2年 浅島希美さん
「住み続けられる街づくりという、SDGsの11番目に注目して私はあまり毎日乗らないが、そういう乗らない人達ももっと城端線に乗るようになって地域が活性化できればと思ったので、実現するとなるとLRTよりも前に改善しなければならないことがたくさんあると…」

 打開策の1つとして砺波市は、城端線の駅などを予約制の乗り合いタクシーで結ぶデマンドタクシーの範囲を広げ、駅への2次交通を充実させたい考えです。

 夏野砺波市長
「広げるなら全市でやるしかないなと思っていて、いくつか課題を解決する必要があるが、これも放置できない課題だと思うので4年間のうちになんとか対応したいと思っている」

 沿線の高校にとって最も身近な交通手段である氷見線と城端線。利用者目線で考えられる生徒たちの視点は、LRT化に向けての貴重な意見と言えそうです。

 砺波高校の生徒たちは城端線のポスターを作って、校内だけでなく沿線の駅や高校にも貼り出し、必要性を考えるきっかけ作りをしたいと考えています。

岡崎議員は、
このような「社会的に議論となっている問題」を教育の題材として積極的に取り入れてはどうか?
という質問をされましたが、とてもいい質問だと感じました。私も賛成です。

それにしても、この高校生の一連の動きは、なんて素晴らしいのでしょうか?

子どもの時の関心事は、自分の周りの範囲になりがちかと思います。恥ずかしい話ですが、 私自身を振り返ってみるとまさしくそうでした!

しかし、この高校生は、交通手段に関心を持ち、

実際に先進事例の調査に行き、

他校の生徒と連絡を取り、オンラインで議論し、

3つの市役所を訪ねて課題を深掘りし、

「乗客増が必要」→それには「駅への2次交通を整備する必要がある」

と、1つのきっかけから、次々と発展させて問題を捉えています。

他校との交流や市役所訪問は緊張もしたでしょうが、本当に素晴らしい行動力だと思います。

この一連の動きは、まさに生きた学びではないでしょうか?学校の先生も市役所の職員も、恐らく多少のサポートがあったのかなーと思いますが、こういう「生徒の興味」を見逃さず拾って大きく育てる、そんな学校や市役所はとても素敵だなと思いました。

それが目的ではまったくありませんが、きっと生徒の地域への愛着は高まったのでは?

1件だけでなく、これからもこういう生徒のチャレンジを応援する地域でありたいです。

それではまた!