2020年06月14日
医療従事者へのクラウドファンディング
富山県でコロナウイルス感染者が日に日に増えていった4/20のことでした。
「富山市民病院のニュースを見て、富山のために何かしたい」
高校の同級生で、ラクスル(株)CEOの松本恭攝氏(射水市出身)から1本の電話がかかってきました。
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クラスター発生のニュースが全国放送され、それを見て心を痛めての電話でした。
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私から富山県の状況を説明すると、
「すぐできることとして、富山市民病院にマスクを寄附する。しかし、単体の動きにしたくないから、何かできないか?」
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市民病院へのマスクの動きはこちらのブログに書きましたが、
「行動を広げる」ということに関しては、freee(株)CMOの川西康之氏(高岡市出身)と(株)ニューピースCEOの高木新平氏(射水市出身)に呼びかけ、4/22に4人でZOOMミーティング。
「県出身者で同じように心を痛めている方は多いはず」
「状況を知ってもらい、その方が行動を起こせる受け皿を作れないか」
そのような会話を具現化する方法として、クラウドファンディングで寄附を募るという手段を検討することに。集まったお金で、危険と隣り合わせながら日々最前線で戦ってくださっている医療従事者へ物資を届けるものです。
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私たちだけでやるという選択肢もありましたが、どうやったらよりインパクトを生み出せるか議論を重ね…。なるべく大きな動きにするために、県庁に一緒に進めないか提案。
コロナ対応でとても忙しかったと思いますが、GW直前4/30に県庁から「実施に向けて具体的に詰めたい」と返答が。
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その後は私たちも県庁もGW返上で急ピッチで準備を進め(コンテンツ制作、応援団との調整、readyforとの調整、その他もろもろ)、5/8に記者会見と立ち上げを行うことができました。(細い糸をたぐるような、緊迫感のある1週間でした。)
現在クラウドファンディングと県へ直接を合わせて7,500万円を超える寄附が集まっています。知事や議員も報酬をカットし、カット分をこの基金に入れることに。
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クラウドファンディングには、寄附くださった現在「1,091名」のコメントが。
https://readyfor.jp/projects/36617/comments
すべてのコメントを読んでおりますが、想いの詰まったお1人お1人のコメントを読むと、改めてこのプロジェクトをやってよかったなぁと感じます。
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今回のプロジェクトを通して、いくつかの発見がありました。
一度も顔を合わせず、プロジェクトが進行
最初の電話から約2週間、実質的にはラスト1週間で形作りましたが、この間、4人+県庁+readyforは1度もリアルで会わず。
コロナで外出自粛が求められていたため、東京組の3人は1度も富山に来ずに、プロジェクトが進行しました。
記者会見もZOOMで実施。最後まで、人、モノの移動がなく、「想い」のやり取りだけでプロジェクトが完結する。withコロナ時代の新しい可能性を見た気がしました。
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「これを作って」ではなく「私たちならこれができる」
コロナの問題が大きくなるにつれ、各方面から「基金を作り寄附を募ってはどうか」という声が上がりました。
その各方面からの声があったため今回の基金ができたのですが、県庁に「基金を作って」というだけで終わらせず、「私たちならその基金をこう広める」まで提案・実行したことが、県庁も一丸となって取り組んでくれた理由だと感じています。その先の展開イメージを共有し、自分もプロセスにコミットする。これからの議員活動においても忘れずにいたいと思います。
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現代のインフラ
インフラといえば道路や橋ですが、ある方に「これは現代のインフラだ。あなたたちはインフラを作った」と言われました。
その方曰く、今回のプロジェクトは、県外在住の県出身者がモノや心を地元に届ける「道路」だったというのです。
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富山県で生まれ、育っても、進学・就職・転勤・結婚、、、様々な理由で県外に住むことがあります。
しかし、今は離れていますが、地元を懐かしんだり、恩返しをしたいと思っている方も多いはず。Uターンや帰省という方法もありますが、物理的だけでなく、「モノ」や「心」を地元に届けられる、循環できるプラットフォームなのかもしれません(ふるさと納税も同じ趣旨ですね)。
この「循環」を、今回だけで終わらせず、継続的に生み出していきたいと思います。
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嬉しいことがいくつも起こりました。
若手の呼びかけに、多くの県出身者がクラウドファンディングの応援団として加わってくださいました。また、ご自身は参加したいと思われているが、様々な理由で今回加われない方も多数いらっしゃいました。その方々の気持ちも、私たちのモチベーションに繋がりました。
たまたま発起人の4人が同じ高校だったため、「高校の後輩がこんな嬉しいことをやってくれたんだから、先輩として応援しない選択肢はない」と寄附くださった方もおられました。これも一種の「循環」で、かっこいい大人の背中を見た気がしました。自分もこういう人間になりたいなと。
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先日、立ち上げメンバーがようやく富山に来てくれ、皆でお疲れ様会を。
それぞれのメンバーが富山への想いを強くしたようです。プロジェクトのアイディアは彼らがほとんどでしたが、富山在住のものとして、架け橋の役割ができて本当によかったと思います。