2020年03月14日

2月定例会で私がした質問(前半)

おはようございます、富山県議会議員の瀬川侑希です。

今週月曜日(3/9)に議会で質問しました!

富山県の一般会計予算は約6,000億円。来年度予算を決める年度末の議会はいつも緊張しますが、年明けから時間をかけて準備して、自分の思い、自分が聞けた範囲の県民の思いをぶつけられたと思っています。

今回は2月定例会で私がした質問を掲載します。長いので、前半と後半に分けます!

この土日も多くのイベントが中止になるなど、コロナウイルスの影響が広がっております。富山県においては2月28日に、3月2日からの県立学校一斉休校の決定をしました。感染防止のための苦渋の決断であり、基本的にはその決定を尊重しますが、一斉休校は多くの子育て世代の、我慢の上に成り立っていることを私たちは忘れてはいけないと思います。また、現実に問題も起こっています。例えば、県立の特別支援学校では、学校での自主学習を可能としましたが、送迎バスを止めてしまったことで、障がいのあるお子さんが学校まで行けない、そのため働いている間の預け先がない、という事態も発生しています。

最初の決定は尊重しますが、細かい修正は都度柔軟に行ってほしい、というお願いを冒頭にしまして、以下通告に従い、世の中暗くなりがちなので、なるべく「明るく」質問していきます。

初めに、今議会に提案されている、令和2年度当初予算について、7問

次に、こういう富山県を目指しませんか?という想いを込めて、
環境・エネルギー先端県としての取組みについて、4問
次世代への投資について、4問

合計15問を、3つに分割して質問します。

まず、令和2年度予算について。

私は県議会議員になって初めて当初予算を審議しますが、この予算に対しては非常によい印象を持っています。

地域地域への目配りもあり、目玉となる新しい事業もあり、特に税の偏在是正措置によって毎年約40億円の財源が生まれ、これによって多くの事業ができるようになりました。非常に助かりますし、石井知事が中心になって勝ち取ったことですので、もうちょっと富山県に配分してもらっても、と感じたりもします。

ですので、基本的にはよい印象を持っていますが、いくつか気になる点がありますので、質問していきます。

①1つ目の質問ですが、今回の予算には大型の公共施設の調査設計費が計上されています。

例えば、武道館機能を有する多目的施設と高岡テクノドーム機能拡充。この2つは来年度は調査設計費のみです。

しかし、どちらも2023年の開館を予定しているので、2021年度と2022年度に整備費が乗っかってきます。2つで恐らく100億円以上となる整備費が2年間で計上されると、1年で50億円以上です。

富山県は毎年、県債残高を着実に減らしていくでしょうから、令和2年度に実施する事業の中には、令和3年度に実施できない事業が大量に出てくるのではないかと懸念しています。

そこで、大型施設整備によって、令和3年度以降に数十億円規模の整備費が予算計上されると考えますが、今後の財政運営の見通しについて、知事に所見をお聞きします。

→(回答)交付税や有利な起債を利用し、実質的な負担を軽減したい。来年度実施事業が安定的な事業となるよう取り組んでいきたい。

次に子育て支援に関して。

今回の予算説明書では、子育て支援の項目が1番上に来ていました。拡充事業や新しい取り組みも多く、嬉しく思っています。

さて、県内の合計特殊出生率は4年連続で1.5台前半を維持していますが、本音としてはもう少し高まってほしい、という思いではないでしょうか。

②2つ目の質問として、以前作成した「富山県人口ビジョン」では、2020年度の合計特殊出生率を1.6と仮定していますが、この見通しはそのまま維持するのか、総合政策局長に所見を伺います。

→(回答)現状では20年の達成は厳しい。できるだけ早い時期に達成したい。

というのも、2020年度に1.6を達成し、2030年度に県民希望出生率1.9の達成を目指すなら、「ゆっくり」ではなく、もっと「大胆に」政策を進めてよいのではと考えます。

例えば、新しく始まる「産後ヘルパー派遣モデル事業」。産後2ヶ月までの間の家事サポート利用を、金銭的に支援し、県内4市町村程度でモデル実施するものです。これ自体は素晴らしい政策だと思います。2ヶ月というのも産後うつになりやすい期間をピンポイントで捉えています。

しかし、ピンポイントで捉えればよいたぐいのものでもないと思います。県全体ではなく、県内4市町村程度でモデル実施するのですから、どこに本当のニーズがあるのか、2ヶ月以降はやはりニーズが減るのか、検証する意味でも期間をもっと広げるべきではないでしょうか?

③3つ目の質問として、期間を広げないと検証の効果が小さいと考えますが、総合政策局長に所見を伺います。

私が調べた範囲では、同様の事業をやる自治体は半年とか1年利用できる場合が多いようです。

平成29年に富山県自身が、「子どもを持つにあたっての課題」をアンケート調査しました。2位以下を大きく引き離して7割以上が回答したのが「子育てや教育にお金がかかりすぎる」です。ここは重点分野です。ですから、本政策は300万円で2ヶ月という低予算短期間の半端な調査で終わるのではなく、もっと予算をかけてもいいのではないのでしょうか。

→(回答)今回の検証で、実際どの程度利用するのか、課題はないのか、探りたい。

次に4つ目の質問として、シベリア・ランド・ブリッジについて聞きます。

シベリア・ランド・ブリッジが確立されると、ヨーロッパ圏への物流の可能性が一気に広がり、壮大で夢のあるルートだと感じています。

現在シベリア・ランド・ブリッジは、都道府県単位では富山県だけが実験などを行っています。一方で、富山県だけが現在ウラジオストク港を利用しているわけではない、ということも重要な事実です。実験や航路開拓は富山県だけが行い、ルートが確立したらほかの港も利用するのでは、ただのりのように感じます。

④であれば、最初から関係県と連携しながら実験や交渉を行ってはと考えます。関係県と連携した方が資金も増えますし、1つの県だけではなく複数県で行うことで相手への交渉力も高まるのではないでしょうか。商工労働部長に所見を伺います。

→(回答)交渉の連携を中心に、関係県の意向を調査したい。国土交通省にも働きかけたい。

次は、「富富富」について聞きます。

⑤5つ目の質問として、2年間の首都圏での広報活動によって、富富富の首都圏での認知度はどのように変化したのか、農林水産部長にお聞きします。

→(回答)約30%。県アンテナショップに「CMを見て来た」というお客様も訪れる。

事前に聞いたところでは、首都圏での富富富の認知度は令和元年で約3割とのことです。あまり高いとは言えませんが、商品量とのバランスが大事ですので、「全然認知されていないじゃないか」と頭ごなしには言えません。

しかし、もし認知度を高めようとするなら、私は社会人になってから10年この分野で仕事をしていましたが、認知度は「必ず高められます」。現在高まっていないのは、露出量が足りていないか、やり方が悪いか、そのどちらかです。そもそもテレビCM実施の是非も議論すべきですが、今回は横に置きます。とすると、過去2年間首都圏で投入していたCM量の1.5倍の量を今年投入するのは、悪くない方向かと思います。

⑥しかし、見逃してはいけないのは、生産量が約15%しか増えないということです。来年度は関西と中京圏でもテレビCMをやる予定とのことですが、関西と中京圏は、合わせると日本の25%の人口を抱える地域です。生産量が15%しか増えないのに、首都圏のCM量を1.5倍にして、都内での試食会も今年度の2倍の120回ほどにする。食べてもらうことが大事だと思いますので、ここまではよいのですが、関西や中京圏でプロモーションを行うのは生産量が増えてからと考えますが、農林水産部長の所見を伺います。

→(回答)販路を拡大するには全国での知名度を高めていくことが重要。関西、中京圏は富山米の主力販売地域で、そのエリアを拠点とする卸売から要望があった。

この項最後は、とやま伝統工芸ジュエリープロジェクト支援事業について聞きます。

これは、富山の伝統工芸職人とジュエリーメーカーを繋げて新商品を開発するものです。ジュエリーですから高単価高付加価値の商品が開発できますので、職人が持てる最高の技術を発信できる場になるのではと大変期待をしております。

実際に伝統工芸に関わる方何人かにこの事業の感想を聞きました。みなさん非常によい反応をされていました。「デザイナーと結びつける話はよくあるが、売場の期待が持てるのがよい」とのことです。いい商品を作って終わりではなく、売り場までイメージしているのがこの事業のポイントなのだろうと思います。

⑦そこで、売り場をどう確保するのか、売り場への交渉力が鍵だと考えますが、具体的にどのような販路を想定し、販売につながるよう支援していくのか、知事にお聞きします。

→(回答)メーカーには、発表会や海外展開など具体的な販売戦略を含んだ魅力的なアイディアを提案してもらいたい。県でも日本橋とやま館に百貨店や業界バイヤーを招きたい。

これが前半です!後半に続きます!