2017年08月16日

先人に学び未来を創る

みなさま、お盆はいかがでしたでしょうか?僕は、例年になく市内県外色んな人と話す機会に恵まれ、改めて高岡の事を考えるいい機会になりました。

 

タイトルの「先人に学び未来を創る」は高校同窓会の今年のテーマです。

元々のタイトルは「街の歴史を知り、未来を創る」にする予定でしたが、さっき出席した同窓会でこの言葉に出会ったので、拝借しました(笑)。

 

僕が住んでいる高岡市は「ものづくりの街」と言われ、「ものづくりの歴史」があります。

これに関しては、話したい事がたくさんあるので、また次回!

 

 

一方で僕が農家の生まれという事もあり、「農業の歴史」も忘れてほしくないです。

そう!高岡も「加賀百万石」のメンバーなんですよ!

江戸時代最大の石高をほこり、天気や害虫と戦いながら、家族のために生きるために農業を続けてきました。

去年他界したじいちゃんは、僕が小さい頃、空見て明日の天気をズバリ当てていて、「すげー!なんで分かるん?」と、こども心に強烈なインパクトを残した事を憶えています。

五穀豊穣を願い、色んな祭りが多く行われているのも市の特徴です。

 

しかし、農業はどの産業よりも高齢化が進み、厳しい局面を迎えているように思います。

様々要因はあると思いますが、自然条件による変動因子が多く、品質がコントロールしにくいのでは?安定的に稼げるの?というのは一つ若者が就業しにくい理由だと思います。

前回のブログの「強み②:外の視点」にも繋がるのですが、「自分が悩んでいる事は他人も悩んでいるはずだ」や「高岡にいなかった事を利点に変えてしまえ」と思って、僕は困った時、外にヒントがないか探るようにしています。

 

例えば、大分の人に聞いたら、大分県なんかは近代的なハウス栽培が盛んで、異業種である自動車関連企業やIT企業も農業に参入していたりします。病害虫を徹底的に締め出す事で無農薬を実現し、完全にテクノロジーで室内環境を管理しているものも。まさに「野菜工場」です。効率化を図り、収益性を高め、安定的で稼げる農業にチャレンジしているんですね。国外では、オランダなどが進んでおり、野菜はもちろんの事、園芸などにも先端技術を取り入れ、農家というよりはビジネスマンとか企業の経営者のようなイメージだ、という話を聞いた事があります。

(一方で、以前、熱中寺子屋に来られたシェフに「野菜工場」で作られたものを食材に使われますか?と聞いたら、「自然で育った『力強さ』があれば」とおっしゃられた事があり、非常に納得しました。)

←高岡産野菜を積極的に使われているお店「taiki」の一品

小さい頃、もぎたてのきゅうりをそのままかじってとってもおいしかった体験をしてから、鮮度にまさる調味料なしと思ってきたので、僕はなるべく高岡産野菜を取るようにしていますが、安定的で稼げる農業環境が整えば、さらに従事者が増え、若者も今より選択すると思います。

 

 

そして、残る「強み③:仕事のスピード感」に関して。前の会社では、「何か聞かれた時、3日後に100%の資料を出すより、翌日70%の資料を出すようにしなさい」と言われ育ってきました。これは70%の部分に相手の知りたい事の大部分が詰まっている場合が多いという事を言い得た金言だと思います(ライバル社にも同時に同じ依頼がいっている場合も多く、常に競争環境にさらされていた事もありますが)。

高岡の農地は細かく分かれています。工場化するならある程度まとまった土地が必要だと思いますが、土地回りはどうしても時間がかかるようです。日進月歩の世界、また他地域と競争している世界なので、遅ければそれまでかけていた時間のすべてを失う可能性があります。是非スピード感を大事にして、選ばれる地であってほしいと思います。

 

これからの農業は「工場化」しかない!というつもりは毛頭なく、あくまで一例ですが、

未来に繋げていくには、担い手が必要なので、やりたくなるような、進出したくなるような環境を用意すべき。そして、大規模であるからこそ官民の連携、一体となれるのか、「街の底力」が試されるんだと思います。