2018年09月20日
9月定例会で私がした質問【学校再編統合】編
こんにちは、高岡市議会議員の瀬川侑希です。
高岡市議会は現在、9月定例会の会期中です。
私にとっては、今回が市議会議員になってから4回目の質問でした。任期としては11月で1年となるのですが、年4回しかできない質問としては、この9月定例会で1周した事になります。
私は、今回「どうしても」確認したい事があり、質問に臨みました。(冒頭の2枚の写真のような表情になってしまうくらい、気迫を込めて臨んだのです。)
その「どうしても」確認したい事というのは「学校再編統合」に関する質問でした。私の気迫が記者の方にも伝わったのか、富山新聞の「記者席」に取り上げていただきました。
この記事を読まれた方はいらっしゃいますでしょうか?
取り上げていただいた事は大変ありがたいと思っていますが、一方、私の意図はこれだけでは伝わらないと感じます。
そこで、今日のブログでは9月定例会で行った質問のうち「学校再編統合」に関する部分の全文を掲載します。
※後日、その他の質問(「財政健全化緊急プログラム」「都市計画マスタープラン」「防災」)についてもこのブログでご報告いたします。
【9月定例会一般質問 『学校再編統合』】
(略)
次の大きな項目として「学校再編統合」について伺います。
①まず、高校の話です。2021年度末で閉校となる高岡西高校の利用に関し、高岡市としてはどのようなアイディアがあるのか教えてください。高岡西高校は県の施設であり、跡地をどのように利用するかも基本的に県が考えるものだとは思います。しかし、石井富山県知事も「地元のニーズや希望を聞きたい」とおっしゃっています。高岡西高校は小学校に隣接しており、様々な可能性が考えられます。ぜひ、高岡市としての考えを聞かせてください。
次に小学校の話に移ります。6月議会に引き続き、五位中学校区の小学校再編を取り上げます。もちろん、ここに至るまで、地元においては、話し合いを重ねられ、要望をまとめられてきた、その努力には敬意を表しております。しかし、その後の高岡市の議論の進め方に疑問があるため、質問致します。
まず、ケーブルテレビなどでご覧の方もいますので、議論の前提となる事を時系列で話します。
4月から7月にかけて有識者による「高岡市教育将来構想検討会議」が開かれ、五位中学校区の小学校再編に関して、議論がなされました。
この間、市議会では、私が6月定例会の質問で新小学校建設にかかる建設費はいくらか、と質問を致しました。
7月27日に「高岡市教育将来構想検討会議」から教育長に、五位中学校隣接地に統合小学校を建設すべき、と報告がされました。
それを踏まえ、8月7日に市長と教育委員会による「高岡市総合教育会議」で、五位中学校隣接地に統合小学校を建設する事が決定されました。
一方、財政面からは、8月29日に有識者による「高岡市財政健全化アドバイザー会議」から、学校再編統合は、新小学校建設ではなく既存施設の活用を基本とする、との提言が市長にありました。
それらの事を踏まえて、質問してまいります。
②私から、6月の議会で、「新たに五位中学校区内に小学校を建設する際に必要な土地取得費と建設費をそれぞれ教えてください」という質問をしました。6月時点での回答は、「小学校建設の費用は今後算出していく」との事でしたが、その後費用は算出されましたでしょうか?予定している統合小学校に関し、土地取得費と建設費はいくらを想定しているのか、教えてください。
③というのも、8月7日に新小学校を五位中学校の隣の土地に建てる事を決定されました。隣の土地に建てるという事は、新たに高岡市が土地を取得するという事です。しかし、その事を話し合っていたはずの「高岡市教育将来構想検討会議」と「高岡市総合教育会議」では土地取得費と建設費の検討がなされなかったと認識しています。なぜ、費用面での検討がないまま、五位中学校隣接地に新しい小学校を整備することを決定できるのか、その見解を聞かせてください。
④次の質問に移ります。新小学校を建設すると、跡地利用の問題が1校分増える事になります。3小学校の跡地利用に関し、現時点でのアイディアはあるのか、教えてください。
⑤次に、この項目最後の質問として、高岡市が設置した2つの有識者会議を取り上げます。教育の事を話し合う「高岡市教育将来構想検討会議」と、財政の事を話し合う「高岡市財政健全化アドバイザー会議」です。くしくも、この2つの会議から正反対の提言がありました。「高岡市教育将来構想検討会議」では新小学校建設推進、「高岡市財政健全化アドバイザー会議」では新小学校建設ではなく既存施設の活用を基本とする、というものです。どちらも高岡市が設置した有識者会議です。今のままでは財政健全化アドバイザー会議の提言を1回目から破る事になってしまいます。市はこの2つの会議から出た提言、どちらを選択するのでしょうか?
もう一度言いますが、私がなぜ、この新小学校建設の問題を、6月議会に引き続き取り上げたかというと、市民の目線からみると、金額を知らないのに建設を決定するプロセスが、不可解にみえるからです。
マイホームを建てる際に、いくらかかるのか分からないまま「この場所に家を建てよう」という大事な決定をする家族がいるでしょうか?
あるいは、新社屋を建設する際に概算金額を知らないまま、建設場所を決定する企業はあるでしょうか?
高岡市はなぜこのような決定ができるのですか?
自分のお金ではなく、高岡市のお金だからこのような決定がなされているのではないでしょうか?
私は、今回みたいな決定を繰り返していたから、高岡市は今の財政状況になったのではないかと思います。どのような行政の分野でも、必ず費用について、議論のテーブルにあげて話し合う事を徹底してください。
(略)
以上が、今回『学校再編統合』に関して私が行った質問の全文です。「記者席」にあるように、今回の質問では明確な答えが得られませんでしたが、この思いが多くの市民の方に共有され、また市長や市役所のみなさんにも届くことを願っています。
(市の答弁要約)
①⇒県の今後の動向を注視してまいりたい。
②⇒今後内容を精査し、費用等を算出してまいる。
③⇒位置は、地域の状況に即して総合的に検討し、五位中学校の隣接地への建設が望ましいと確認された。
④⇒関係の方々のご意見をお聴きしながら、検討を進めてまいりたい。
⑤⇒高岡市財政健全化アドバイザー会議では、「小中学校等の再編統合にあたっては、教育の充実等に重きを置き、一方で限られた財源の有効活用を図る観点にも留意する必要があることから、既存施設の活用を基本としつつ、総合的な観点から再編統合を進めるよう助言する」との意見をいただいている。また、高岡市教育将来構想検討会議の提言においても、「厳しい財政状況を踏まえ、教育委員会においても限られた資源を集中して教育の充実に充てることができるよう、教育充実に向けた持続可能な体制を整える事が必要である。教育の充実に後れを取る事がないように、また、将来の世代に大きな負担を押し付けるような事とならないように」との意見が明記されている。このように両者において基本的な考え方は共有されており、教育委員会としても、限られた資源を最大限に活用し、持続可能な体制を整え、未来を担う子どもたちの教育の充実に、誠心誠意取り組んでまいりたい。