2024年12月24日
富山県の人口は2060年に60万人になる?
こんにちは、富山県議会議員の瀬川侑希です。
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12/12(木)に富山県議会が閉会しましたが、毎回翌日の北日本新聞では、議会を振り返っての記事が掲載されます。

今回の記事はこちらでしたが、後半の「ある議員」とは私、瀬川のことです。(なぜ名前を隠すのだろう・・・?)
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先日の議会質問のブログでも書きましたが、
「人口減少は避けられないが、出生率と社会増減は政策次第で動いてくる数字だ」
「知事は4年前に掲げた88策をほぼ達成したというが、出生率と社会増減はむしろ目標と開いている。88策や今回掲げた100項目は、出生率と社会増減にインパクトを与えられていないのでは?」
「出生率低下と社会減にしっかり向き合ってほしい。改善策に繋げてほしい」
と、こういう主張をしました。
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「議論生煮え より建設的な論戦を」と、新聞社からは厳しめのエール(?)ももらいましたが、
今回は、なぜ私がこの質問をしたのか、背景をもう少し説明したいと思います。
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富山県では、今年度から『本県における人口減少やそこから生ずる課題に真正面から取り組み、総合的かつ効果的に推進するため』、県庁内に「富山県人口未来構想本部」を設置しました。県庁の全部局長が集まり、12月24日現在、6回の会議を開催しています。
まさに『』で括った、その目的のための会議体ですが、簡単に言うと、
・人口減少の影響は各所に大きく表れるので、減少カーブを緩やかにする
・とはいえ、人口減少自体は避けられないので、減少に適応した社会にする
こういうことだと私は理解しています。
行政がやらなければならないことは多岐に渡りますが、「人口」はその根幹というべきものだと思っています。(ここにこだわりがなければ、減少のスピードは加速し、閾値を超えると、人がいない亡国に繋がります。)
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さて、その会議の11/13(水)第5回の会議で下のグラフが提示されました。

現在の出生率と社会増減が「続いた場合」の、「機械的推計」です。2060年に富山県の人口が60万人になるというもの。
機械的推計とはいえ、今年度100万人を切ったばかり。また、2060年とは35年後。今の子どもたちが働き盛りであったり、家庭を持ったりするころ。
その35年後に人口が「今の60%」になるというのは、やはりインパクトがありますね。
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繰り返しますが、あくまで「機械的推計」です。
確定的な未来ではありません。ですから、「なぜ今このようなトレンドとなってしまっているのか要因分析を行い」、「この未来を迎えないように施策を講じていく」ことが、むしろ行政の仕事だと思います。
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こういうことで、先日の議会ではこの課題を取り上げました。
私は、人口減少には様々な要因がありますが、①出生率、②引っ越しの多い少ないで決まる「社会増減」。この2つは、主要な要因かつ施策次第で数字が動きうるものだと思っています。
だからこそ、この2つに繋がる施策を今よりもっと実施しなければならない。そう主張しましたが、
とりわけ「出生率」に関して、知事の回答は意外なものでした。
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「この4年間で出生率は政策目標としないことに舵を切った」
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これは富山県の合計特殊出生率(15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの)です。この数年ダウントレンドが続いています。
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政策目標から外したと言いますが、その理由はなぜなのでしょう?
(議会答弁では明確な理由は述べられませんでしたので)正直なところ、施策が出生率向上に結びついていないから外したのではないか?と感じました。
私は、(出生率を過度には追い求めなくても)チェックポイントとして、施策を点検するために政策目標から外さないでほしい、と考えます。
少なくとも、富山県には県民の希望の結果である「県民希望出生率」というものがあり、それと年々離れていっていることは受け止め、県民の希望が叶えられる富山県を目指してほしい!
と思います。

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2023年に富山県の出生数は5,512人でした。
ざっくりとした計算ですが、仮に県民希望出生率「1.9」が達成されていたら、2023年に7,758人が生まれていたことになります。その差は約2,200人です。
県民の希望出生率が叶っていたら、去年生まれた赤ちゃんの同級生は約2,200人多くなります。
2060年というのは、この子たちが30代半ばになっている未来。いま現在の県民の希望と、2060年の県民の幸せは繋がっているはずです。

新田知事になってからの4年間で進んだものは数多くあります。 大学発ベンチャー、県のブランディング、ウェルビーイング。北陸3県の連携。
今まで無かった動きも多く、この部分は大変評価しております。
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しかし。
常々、「チャンスがあり、夢が叶えられる富山県」を目指すと言う知事。
仮に出生率を政策目標から外したとしても、、、
そうであっても、県民の夢や希望を叶えること、今、希望出生率が叶っていないことにはとことん向き合ってほしいなと思います。