2021年04月27日

2月定例会で私がした質問(2/2)

こんにちは、富山県議会議員の瀬川侑希です。

前回に続いて、2月定例会の質問の後半部分を掲載します!

続いて、令和3年度予算の目玉施策について7問質問します。

(9)富山県では、来年度「創業・ベンチャー課」を新設し、ベンチャーを生み出す取り組みに力を入れます。施策としても、「ベンチャービジネス支援事業」や、「とやまUIJターン起業支援事業」を新しく始めるなど、「ベンチャーを富山で生み出すんだ」という意気込みが伝わり、楽しみな気持ちにさせられます。

一方で、県が関わらずに生まれるベンチャーも予想されます。関わらずに生まれたベンチャーを見つけられなかったために、大きくなる機会に手を差し伸べられなかったり、他の支援が先でそれによって他県に拠点を移すことも、可能性としては考えられます。そうならないためにこちらから、県内のベンチャーの卵や優れた技術を「見つける」仕組み、評価する仕組みも必要と考えますが、布野商工労働部長に所見をお聞きします。

→(回答)ベンチャービジネス支援協議会を今年中に設立したい。メンバーは県内外の産学官金、ベンチャーキャピタル、市町村等に参画して頂く予定。県内のメンバーにはベンチャーの卵となる可能性の案件を広く把握することを期待している。

今、県内でどんな会社が生まれていて、どんな状況なのか。広範囲に渡って、非常に大変だとは思いますが、効率的な情報収集のやり方を模索して、ぜひ卵を見逃さずに、必要な支援を届ける体制を作って頂ければと思います。

(10)次の質問に移ります。来年度、太閤山ランドの魅力アップへ向けた調査を行います。調査費は3,000万円。無人自動運転で園内を周回する乗り物や、ドローンを使ったアトラクションなどICTを用いた「近未来」の設備導入を目指す、とのことです。これだけでもとても楽しみですけれども、「園内でしかできない」「普段できないことができる」体験があるのはその施設の魅力を高めますので、もうひとつ検討してはどうでしょうか?「資料2」をご覧ください。

富山県は来年度オレゴン州ポートランドに友好訪問団を派遣しますが、私も数年前に「露払い」としてポートランドに行ってきました。ポートランドではこの電動キックボードが街のいたるところに走っていて、交通手段として楽しく使われていました。続いて「資料3」をご覧ください。

ポートランドでは公共交通機関を中心にした街づくりを進めるために、街の東西を繋ぐ新しい橋も車をシャットアウトして、路面電車と歩行者自転車電動キックボードだけが通れるようになっていました。公共交通機関を軸にしているからこそ、目的地までのラストワンマイルにこの電動キックボードが使われているようですが、それは富山県が目指す姿とも近いものを感じます。公共交通からのラストワンマイルの知見をためる意味でも、電動キックボードの導入は有効と考えています。いきなり道路で実験は難しいでしょうから、まずは公園内で知見をためてはどうでしょうか?

実は、現在この電動キックボードは全国で実証実験が行われています。東京、神奈川、千葉、福岡、広島、愛媛、兵庫。残念ながら富山県は入っていませんけれども、こういう新しい動きに進んで手を挙げられる富山県になればという期待を込めて、

太閤山ランドの広大な敷地の移動手段として、また「園内でしかできない」体験を作るためにも、魅力創造の一案として電動キックボードの導入を検討してはどうか、江幡土木部長にお聞きします。

→(回答)国内では原動機付自転車に該当するため、ナンバーや免許証、ヘルメットが必要。他県では公園の一部を使用した実証実験が増えつつある。国内の先進事例を調査するとともに、園内での導入可能性について検討したい。

(11)県の資料によると、太閤山ランドを訪れる方は年間約80万人。それを上回る年間約90万人訪れるのが高岡古城公園です。90万人のうち、もちろん市民の割合も多いですけれども、四季折々の姿が楽しめる日本屈指の自然公園で市外や県外からも多くの方が訪れます。現状は高岡市だけが費用を払って整備していますけれども、費用も費用で、どうしても現状維持に近い形になっています。しかし、既に人が集まる場所を、より魅力を高めることで、県民の満足度に繋がったり、富山県全体の魅力向上に繋がると思っています。例えば民間と協力し合って音楽や食事を楽しむ催しをやるようなことは、高岡市だけで募ろうとすると範囲も狭くなりますが、県が関わると、より多くの参加を期待することができます。

そこで、古城公園の観光地としての魅力をさらに高めるために、県としてできることがないか、中谷観光・交通振興局長にお聞きします。

→(回答)新年度予算で、県民を対象に、遊覧船での古城公園の水濠巡りや伝統工芸と絡めたまち歩きプランなどを販売したい。今後も、高岡の観光資源も活かして、古城公園の魅力の発信や誘客に努めたい。

(12)続いて、テクノドームに関して2問質問します。テクノドームに関して、来年度は4,200万円を計上し、本館別館の接続部分の設計や、特に民間活力の導入可能性などを検討します。知事は代表質問で「基本計画の方向性は維持しつつ」という考えも述べられましたが、今年度一旦、整備の中身の大枠、方向性は出た認識です。コストを抑えるPFI、中身の提案も含めたPFI、色んな民間活力の導入可能性があって、それも含めてこれからなんでしょうけれども、一旦方向性は出ている中で、場合によっては整備の中身も見直す予定はあるのか、布野商工労働部長にお聞きします。

→(回答)基本計画の方向性は維持しつつ、民間活力の導入を検討して、着実に整備を進める。

(13)次に、これは前知事ともさんざん議論しましたが、新田知事の考えも聞いてみたいと思います。私は、テクノドームにものづくり体験施設は整備しない方がいいのではないか?という考えです。というのも、近くに民間や高岡市のものづくり体験施設があります。県がものづくり体験施設を新たに整備すれば、役割分担しようと思ってもどうしても機能が重なると思いますし、観光で初めて訪れる方にとっては一緒に見えるんじゃないかと思います。現に民間で、ものづくり体験施設が増えたことによって、閉めざるをえなかった事業所もあります。競合するようなものはテクノドームに整備せず、むしろ県がものづくりを発信したいのだったら、「現在取り組んでいる」市や民間のものづくり体験施設をサポートした方がいいと思っていますが、テクノドーム別館に整備予定のものづくり体験施設に対する現時点での新田知事の考え方をお聞きします。

→(回答)慎重な意見が多いようであれば、テクノドームに常設のものづくり体験施設を設けることなく、大きなイベント時は臨時的に開催するということもありうるのではないか、見直しを図ることも含めて検討したい。

(14)最後に城端線・氷見線のLRT化に関して2問質問します。まず、来年度1,700万円を計上して城端線・氷見線LRT化調査事業を行います。事業費を調査するものです。

最初にこれを聞いた時は少し混乱したというか、「これって富山県が行うものだっけ?」という単純な疑問が浮かんできました。しかし、城端線・氷見線は間違いなく現状はJRのもので、JRが行うのが普通の流れなのかと思っています。

ではJRは事業費調査を行わないのかというと、そんなことはないと思うんですね。事業費調査はJR側も行うと考えますが、別途県が実施する理由を中谷観光・交通振興局長にお聞きします。

→(回答)JR西日本には鉄道を運行してきた実績に基づく経験があるが、LRTという軌道であること、また各市のまちづくりの検討も踏まえた事業費調査になると、異なるノウハウが必要になる。

(15)これから少なからず交渉になるでしょうから、どちらも事業費調査するのは仕方の無い面があると思っています。しかし、例えばですけど、城端線・氷見線が極端な話、仮に市町村とか行政の持ち物だったら「お互いに」調査をすることはないんじゃないかと思います。同じ船に乗っていたらそうなると思うんですね。

しかし、民間と行政という違いはあれど、JRとも、もう同じ船ならぬ同じ「電車に乗って」、普通というか現場で話したらたぶん出来ないと思いますが、一緒に調査を行ったり、ある程度の役割分担を話し合うトップ同士の会談があってもいいんじゃないでしょうか?JRも私たちもどちらもコロナでダメージを受けています。

城端線・氷見線のLRT化等の検討を円滑に進めるため、また、重複を避けるため、事業費調査にJRにもしっかり関わってもらうべきと考えますが、知事に所見をお聞きします。

→(回答)事業費調査にはJR西日本にはこれまでの実績やノウハウを活かして頂くなど、協力や役割分担をしながらこれからも取り組んでいきたい。

渋沢さんの大河ドラマで、お代官(現代でいう行政)の取り立てに「恐れながらそれが百姓の銭にございます!」と命懸けで物申す一幕がありました。お預かりしている税金の重複は可能な限り避けるべきですし、一筋縄ではいかず、これも交渉になるのでしょうが、なるべくよい形になるようご尽力くださればと思います。

これで私の質問を終わります。ありがとうございました。

以上が質問の後半部分です。

ありがたいことに、テクノドームの中身見直しの話や、二重行政の話を新聞社も取り上げてくれ、

特にテクノドームに関しては、質問時点では「見直し含め検討」でしたが、その後見直しに傾いていきました。6月の議会からずっと主張していたことに一定の成果が出て、ひとつ仕事ができたと感じました。

しかし、見直しはあくまで途中経過であり、みんなに愛される中身になることがゴールですので、引き続きよい中身になるよう提案していきたいと思います。

前回のブログの冒頭でも言いましたが、県庁側も自分の質問を正面で受け止めてくれたと思っています。ありがとうございました!今後も議論を重ねながら、よりよい富山県にしていければと思います。

なお、映像は、

富山県議会インターネット中継-録画中継 (jfit.co.jp)

上記で6月までは視聴できる予定です!こちらもぜひ!