2020年09月17日

9月定例会で私がした質問(1/2)

こんばんは、富山県議会議員の瀬川侑希です。

昨日9月16日に本会議で質問しました。

① 危機をチャンスにする施策と9月補正について

②防犯・防災について

の2つのテーマで質問。

20分以内という決められた質問時間の中で、県庁側に質問をぶつけます。

今回は9月定例会で私がした質問を掲載します。長いので、2回に分けますね。

まず、「危機をチャンスにする施策と9月補正について」7問質問します。

9月定例会には、一般会計総額667億円の大型の補正予算が提案されました。ほとんどがコロナ対策でありますが、その中には、いわば応急処置のような「手当」に近いものと、コロナ対策をしながらも次を見据えた「未来への投資」に近いもの、その2つが存在していると感じます。

「手当」は当然しなければいけませんが、今回の質問では「未来への投資」の部分を中心に聞いていきたいと思います。

まず、大枠の質問を1問します。

「危機をチャンスに」

これは石井知事から最近よく聞くフレーズです。コロナに対処しながら、この機会に一気に構造転換を図る。例えばデジタル化を進める。今までなかなか突破できなかった壁を一気に打破する。そして、アフター・コロナのモデル県を目指す。私はこの考えに大賛成の立場です。

そこで質問ですが、6月補正では県内全域光ファイバー網整備のような危機をチャンスにする施策がありましたが、9月補正ではどのような危機をチャンスにする施策を盛り込んだのか、石井知事にお聞きします。

→(回答)ICT、AI、5Gなどの先端技術を最大限に活かしながら富山県の強みをさらに伸ばす。DXの加速化を最重点課題とした施策を盛り込んだ。例えばgoogle、yahoo、楽天、メルカリなどの事業者を招聘し、テレワークの推進を図りたい。また、企業の誘致、サテライトオフィス支援、スマート農業の更なる推進などにも取り組む。合わせて、対応できる人材を育成するために、県立大学のロボット工学科などの定員を増やす。若者や女性の移住先や、2拠点居住の選択肢としての富山県の魅力を高めたい。県民のみなさまが未来に希望や夢を持って暮らせる富山県の実現に向けて、スピード感をもって、全力で取り組む。

また、個別の政策も大事ですが、デジタル化を取り上げると、構造転換を図るにはデジタルやデータの観点で県庁全体に横串を通したり、前提条件とできるかどうか、個別だけではなく全体に浸透できるかどうかで富山県の進む方向性は違ってくるように思います。

それには既存の部署にデジタルの業務を担わせるのではなく、「デジタル」「データ」に特化した独立の部署を作ることが、内・外にデジタルに舵を切るんだというメッセージを伝え、また実際にデジタル化が進む要因になると考えます。

ちょうど今日誕生する菅政権は「デジタル庁」を創ることを検討しています。富山県庁内にも国と連動して「デジタル」や「データ」のみに特化した、専属の部局級の部署を創るべきと考えますが、滝経営管理部長に所見を伺います。

→(回答)DXの推進に向けた諸課題に戦略的に・総合的に対応するため、「デジタル推進室」のような部局横断的な組織を作る検討をする。

次に9月補正の中身に関して質問します。9月補正の予算項目を1つ1つ見ていくと、「動画作成・配信」という言葉が散見されます。富富富の動画、利賀の動画、農林水産業就業PR動画、田舎暮らしの魅力を伝える動画などです。動画の力は強く、特にコロナで対面での打ち合わせが制限される中で、動画は非常に効果的だと思います。

個人的な話ですが、私は仕事をするにあたっては、「てこの原理」を働かせられないか、といつも考えています。イチの予算でイチの効果を得るのは普通のことですが、イチの予算でニ、サンの効果を得られないかと思っています。

例えば、県が動画を作り、県がその事業だけで使うのであれば、イチの効果しか得られませんが、他の部署や県民も使用できるようにはできませんでしょうか?行政の調査したデータを公開して広く使えるようにするオープンデータや、観光の視点で写真素材を誰でも使えるようにする例はありますが、動画をオープンにする例はあまり無いように思います。

7月に発表した「MAKE TOYAMA STYLE」の動画。とっても素晴らしい風景の映像でしたが、あれは以前富山県が撮影した映像を再編集したものだと聞きました。以前のイチをニにして活かす「てこの原理」の事例だと思います。

県が作成する映像はクオリティが高いものですから、それを県だけが使うのではなく、県民も使ってそれぞれが観光宣伝する、移住宣伝する。行政だけではなく、アメーバ状に誰もがクオリティの高い映像で誘致・誘客できるようにすれば、今までより大きな効果が得られるように思います。

そこで、県の動画が一覧で見られるような仕組み、また事前に権利関係を整え、県が作った動画を県民も使用できるような仕組みにはできないのか、滝経営管理部長にお聞きします。

→(回答)県民ができるだけ多くの動画を閲覧しやすくするよう、一覧性の向上に努めてまいる。権利関係の制約がない動画は、できるだけ県民のみなさまが使えるようにし、事業効果の最大化を図る。

次に危機をチャンスにする視点から、教育に関して質問します。県内の中学2年生が就業体験をする「14歳の挑戦」、昨年度から始まった高校2年生を中心にインターンシップやキャリア教育を行う「17歳の挑戦」、どちらも県民にも全国にも誇れる素晴らしい事業だと思いますが、今年はコロナで予定していた通り実施できなかったのではないでしょうか。今年の実施状況はどうか、また、実施できない場合の代替手段をどのように考えているのか、伍嶋教育長にお聞きします。

例えば、「危機をチャンスに」、この際オンライン講義に切り替えてはどうでしょうか?14歳の挑戦を例に取ると、受け入れてくださる企業には本当に頭の下がる思いですが、従来の14歳の挑戦は中学校近くの職場が中心で、他の生徒と希望が重なり自分は漏れてしまった、という場合もあります。もちろんそれによって新たな発見もあろうかと思いますが、今年はオンライン講義に切り替え、県出身者の協力も得ることで、従来より多様な講師から選択でき、必ず第一希望の話を聞けます。「世の中には色んな職業がある。可能性や夢を広げてほしい」というメッセージを生徒に伝えることができます。

そこで、「今年は14歳の挑戦ができません」ではなく、1999年度から、全国に先駆けて「14歳の挑戦」のような就業体験を実施してきた富山県だからこそ、今年は県外在住も含めた富山県関係者を数十人講師として、オンラインで講義をしてもらう、大人も「挑戦」をしてはどうか、合わせて伺います。

→(回答)14歳の挑戦は、今年は全公立中学校78校のうち2校が実施。代替手段としては講師として招く形もあるようだ。オンラインを活用することで県外在住の職業人の講義を取り入れることは有効なので、十分検討してまいりたい。

次は5つ目の質問に移ります。

コロナの影響が無かった業界は無い。そのくらいあらゆる業界にダメージを負わせているコロナですが、コロナの影響が最も大きいと言われるのが、飲食業、観光業です。今回は飲食業を取り上げます。

まず、コロナの影響が大きい飲食業界に対して、これまでどのような支援をしてきたのか、また、支援は十分であると考えているのか、石黒厚生部長に所見を伺います。

→(回答)休業要請に協力頂いた約3,400の飲食店に市町村と連携して5.5億円の協力金。感染防止対策の設備に対し1,121の飲食店に1.1億円の支援。再起支援事業補助金に1.4億円など。

飲食業界は同世代も多く、なるべくヒアリングしていますが、「売り上げが8割9割下がった、利益だともっと下がっている」という声を聞きます。しかし、最もよく聞く声は「第2波第3波への不安」です。国や県の支援があったからこれまでは続けてこられたが、また外出が自粛になるようなら、今度は耐えられないと言うのです。

今回多くのお店がテイクアウトにチャレンジしました。しかし、お店にとっては容器代も手間もかかり、正直しんどい。お客様にとっては毎回受け取りにいかないといけない。作った瞬間が1番おいしく、時間が経てば経つほど味も落ちる。プラスチックゴミも増える。

テイクアウトはなんとか売上を保つための、ディフェンスの側面があったと感じます。

第2波第3波、あるいはこの先も感染症の脅威が迫った時、何か富山の飲食店を守る方法がないかと考えた時に、辿り着いたのが「幸のこわけ」です。

幸のこわけとは、富山県総合デザインセンターが中心となっているプロジェクトで、「おすそわけ」のかたちと心を表現する、手軽な食べきりサイズで、かまぼこ、しろえび浜干し、ほたるいか燻製などおつまみにぴったりの商品が並びます。実販売の他、ECサイトでも販売しています。

これを、真空パック・冷凍保存した上で、「料理」でもできませんでしょうか?

ECサイトで販売することで、実店舗よりも多くのお客様を抱えられ、感染症が迫った時、お店をオープンしなくてもできるため、災害時の飲食店のライフライン・防波堤にもなります。デジタルも活用しながら、飲食店を守る。「幸のこわけ」を運用してきた富山県だからできる、全国でも先進的な取り組みになります。

飲食店支援の観点から、「幸のこわけ」をヒントに、富山県内飲食店の料理をECで売り出すようなプラットフォームを作ってはどうかと考えますが、布野商工労働部長に所見を伺います。

→(回答)「幸のこわけ」の近年の販売実績は2億円を超えるなど順調に伸ばしている。ECは重要なので、再起支援事業で助成する取り組みもやっている。デジタル化の波はコロナ終息後も続くため、県内事業者の声をしっかり聞いて、ECを活用した販売促進に努めてまいる。

次が、この項目最後の質問になります。コロナの最前線で働かれた方への慰労金に関して質問します。

富山県ではこれまで、医療従事者や介護・障害福祉サービス従事者などへ慰労金を交付し、9月補正では支給対象を拡充し、病院内清掃業者や患者への給食業者などにも慰労金を交付する予算が提案されています。

私は、国の対象にはなっていないのかもしれませんが、学校が休みになり自宅で勤務する人が増えた緊急事態宣言中も、出勤して子どもを預かっていた保育園等の職員へも慰労金を交付してはどうかと考えますが、いかがでしょうか?せめて、各園へ支援している50万円がありますが、これは検温や消毒などコロナ対策によって業務が増えた分の「かかり増し経費」にも使えることが現場まで浸透していないように感じます。かかり増し経費にも使えることをもっと周知すべきと考えますが、石黒厚生部長に所見を伺います。

→(回答)まず、コロナの影響が続く中、子どもへの感染防止に最大限配慮しながら、継続的な保育の提供に献身的に取り組まれた職員の方々に改めて心から感謝申し上げる。「かかり増し経費」に使えることを改めて周知する。

以上が1つ目のテーマ「危機をチャンスにする施策と9月補正について」 部分です。次回に続きます!

なお、映像は、

https://toyama-pref.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1120

こちらで11月までは視聴できます。よかったらぜひ!