2025年11月27日

前回の続き:新しい高校の具体像とは

こんにちは、富山県議会議員の瀬川侑希です。

前回は、佳境を迎えようとしている富山県の高校再編の現状を説明しました。

固まってきた部分がある一方で、大規模校以外の新しい高校の「具体像」はまだまだであり、そこは物足りない、と思っています。

では、「具体像」とは何なのか?なぜ、物足りないと言えるのか?

私も、この議論が始まる4年前はうっすらとしか思い描くことができませんでした。しかし、県議会会派にプロジェクトチームを作り、「どのような高校が富山県に必要か?」とみんなで考えながら、

チームで県内の全県立高校、そして県外の先進事例と言われる約25の高校を訪ね、現場からヒントを探りました。

今回は、その経験を経ての、私たち会派プロジェクトチームの考える具体像をいくつか紹介したいと思います。

偏差値や特徴の違う学科が混ざることで活力が生まれる高校

「京都府立洛北高校」では、中高一貫のサイエンス科が2クラス・普通科文理コースが4クラス・普通科スポーツ専攻が1クラスと、偏差値や特徴の違う学科が混じり合っていました。

「多様な価値観。変化の激しい時代に、違う集団が混じり合うことの意味はとても大きい。活気に繋がっている。」という校長先生の言葉はとても印象的で、自分と違う特徴をお互いにリスペクトしているということでした。

また、「北海道札幌国際情報高校」でも、「モノトーンではダメ。色んな学科が混じり合うことが生徒のこれからにとって大切。」という言葉が聞かれ、洛北高校での言葉と同じことを言っていると感じました。普通科・国際文化科・理数工学科・グローバルビジネス科(商業科)の4つの学科が存在しています。

偏差値や特徴の違う学科が混ざることで、生徒の刺激に、そして学校の活力に繋がっている。こんな高校が富山県にも必要だと思います。

「旋盤を回せる東⼤⽣を出す」進学を目標にした工業高校

「愛知県立愛知総合工科高校」は「旋盤を回せる東大生を出す」と意気込む工業高校でした。全国の工業科の進学率は3割ですが、こちらは6割が進学。難関大学への進学も目指せます。

余談ですが、制服は人気アパレルメーカーが作っており、小さなことのように思えますが、こういうことも生徒の満足度に繋がっているとのこと。

進学もものづくりもどちらも極めたい。そんな高校があったっていい!と思っています。

資格取得を目標にするのをやめ、とにかく実践にこだわる商業高校

「広島県立尾道商業高校」は、商業科といえば!の「簿記」と「ビジネスマナー」を無くしていました。代わりに「探究学習」を重視し、週1回、まるまる1日使って探究学習を行い、生徒が自ら課題を発見する力にこだわっているとのこと。

もともとあった商業の3つの科を無くして一括募集し、1年間学んでみて、進む道を決められるようにしたのも生徒のミスマッチ防止に繋がっていました。

資格取得が生徒の自信に繋がる、という考え方も分かります。でも、そもそもの前提から見直す、こんな高校も非常に魅力的に感じています。

⾃然との共⽣や主体的な学びを重視した⾼校

「FC今治高校」は「夢中になる」「修羅場と向き合い、決断し、乗り切る力を身に付ける」ことを目指し、ここでは「生きることの本質を問い、実践する」と言います。野外体験や4泊5日のお遍路さん。自然の中で人間は存在することや、答えの出ない事態に耐え、仲間を巻き込みながら乗り越える力、タフネス。

自然との共生は富山県の得意分野のはず。雄大な自然のある富山だからこその学校、それに魅力を感じ全国から生徒が集まる学校、そんな学校が1校でいいからあってほしいと思います。

⼩規模校のメリットを活かし、⼀⼈ひとりの進路実現や学ぶ意欲に応える高校

「北海道大空高校」や、高校ではありませんが「神山まるごと高専」は、性格は違えど、どちらも小規模校だからこそ、一人ひとりの学ぶ意欲を最大限に引き出そうとする学校でした。

先生が指示するのではなく、生徒の主体性を重視し、教員はそれをサポートする。目の届く小規模だからこそ手厚いサポートができるので、思い切って尖った教育を行い、こちらも全国から募集をしたらいいと思います。

このような5種類の学校。

全部とは言いませんが、少なくとも1校ずつはこのような高校が欲しいし、また必要だと思います。

他には、英語の授業だけでなく、数学や社会など、他の科目も英語で授業をする高校があります。

「英語を自分の武器にする」

「(スポーツや芸術など)自分の夢を叶えるために、英語を身につける」

「国際的に活躍する」

「富山と世界を繋ぐ。そのために英語を学びたい」

このような生徒のニーズに応える高校も必要だと思います。

大切なことは、「ここで学びたい」「これを学びたい」と生徒が思える高校。

学習する内容は同じで偏差値で通う高校を選ぶでのではく、

それぞれの高校が唯一の特徴を持つ再編になるよう、佳境を迎える富山県の高校再編の議論をしっかりリードしていきたいと思います!