2019年11月25日

【教育】

英語民間試験導入延期について思う

おはようございます、富山県議会議員の瀬川侑希です。

久しぶりに、「こんな悲しいニュースがあっていいのか…」と感じました。

導入を延期するな!と思ったわけではありません。どちらがよかったのかは私の中で結論が出ていませんが、しかし少なくとも、政治が子どもを振り回してしまったのは間違いないと思ったからです。

今月1日、文部科学大臣が2020年度の大学入試共通テスト(2020年度からセンター試験に代わって実施)への英語民間試験導入を2024年度に延期する、と発表しました。

対象だった高校2年生にとっては、新制度初めての受験生、初めての民間試験導入ということで、ただでさえストレスを感じていたでしょうに、急遽延期となり、さらに混乱を与えてしまいました。

「ここまで来たなら進めるしかない」

「制度に不備があった 延期は当たり前だ」

色んな意見があります。どちらにも言い分はありますが、大人が子どもを振り回してしまったのは大いに反省すべきであろうと思いますし、2度と繰り返してはいけないと思います。

非常に簡単にまとめますと、

来年度から、センター試験に代わって、「大学入試共通テスト」が実施されます。

「知識を活用し、自ら判断する力を測る」のが共通テストの目的です。

そのために、英語では、従来の「読む・聞く」だけではなく、「読む・聞く・書く・話す」の4技能が必要だとして、ノウハウのある民間試験を一部利用することになりました。

共通テスト自体は2021年1月の実施ですが、民間試験は2020年4月~12月に最大2回まで受けられます。

しかし、

①試験会場・日程が決まらない(地方で試験が開催されるか不透明)

②民間試験を活用する大学(6割程度)と活用しない大学がある

③2万円を超える民間試験もあり、受験料が負担

などの懸念があり、

今月1日、「経済的な状況や居住している地域にかかわらず等しく安心して試験を受けられるような配慮などの準備状況が十分でない」として、延期が発表されました。

①に関しては、民間側にも理由があります。受験者がどのくらいいるのか分からなければ、会場・日程は決められないとのこと。それはそうだと思います。

経緯の時系列は、下記リンク先に分かりやすくまとめられています。参考まで。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191119/k10012181981000.html

一方で、この動画をご覧になったことはありますか?

総務省が作成した、5G、ICTが活用される未来を描いたイメージムービーです。

途中出てくる翻訳機。まるでドラえもんに出てくる「ほんやくコンニャク」ですね!!

もう少し時間はかかりますが、いずれ必ず訪れる未来ではないでしょうか。

その中で、英語にどこまで時間をかけるのか?

直接コミュニケーションを取れる喜びは何物にも代えがたいとは思いますが、立ち止まったからこそ、今以上に議論は必要かと思います。

2019年11月20日

【教育】

居場所についてのシンポジウム

こんばんは、富山県議会議員の瀬川侑希です。

先日11/16(土)、砺波市庄川町で「居場所のカタチ 共生のカタチ」というタイトルのシンポジウムがありました。

私も「義務教育時期の居場所」というテーマで登壇しましたが、

他の登壇者は、

不登校、引きこもり、障がい者、薬物依存症、DV、望まない妊娠、、、その他行政ではフォローしきれない人に対し、実際に居場所を作って支援している実践者の方ばかりで、

私自身にとっても非常に参考になる話ばかりでした。参加できて本当によかったです。

高岡市にある「ひとのま」の宮田さん
私は義務教育時期の居場所について、同期の県議会議員、種部さんは若い女性たちの居場所について登壇

当日はグラフィックファシリテーションで議事録を。何度か経験していますが、今回も非常にうまくまとめて頂きました。感謝です!

瀬川分
種部さん分

私が話した内容を抜粋すると、


認知件数は基準が曖昧で、時代の空気感に左右されるものの、少なくとも改善はみられそうにない。

それよりも大事なのは「解消率」だと思っています。残念ながら富山県の解消率はよくありません…。

また、「認知件数」を発表する際、県はいつも『全国平均を下回っています』と言います。

しかし、「解消率」の発表は曖昧な上に、全国比較はしません。これでは都合のよい情報だけ発信しているようにみえます。


県内の不登校生徒数は増えています。中学生は約30人に1人が不登校という現実です。また、保健室登校、相談室登校、30日以内の不登校はここにカウントされていません。

上記のような事実をみても、一斉授業の学校制度にはひずみが生まれていて、居場所だと感じられない生徒が増えていると思う。学校以外に居場所と感じられる場所があってもよいし、そこには行政から相応の支援があるべきだ。

というようなことを話しました。

学校以外の場としては、いわゆるフリースクールなどがあります。

一般に、学校には生徒1人あたり年間100万円の税金が使われていますが、フリースクールには富山県の場合、ほとんど税金が使われていません。通うご家庭が費用を負担している場合がほとんどです。

通わない学校分の税金も払い、さらにフリースクールに費用を負担して通っている。

これはおかしいのではないか?

少なくとも私はそう感じます。


最後に問題提起をして、降壇しました。

最近よく考えることです。

出すゴミを減らしたり…
道路はぴかぴかでなくても…
風邪や湿布で病院に行くのはやめたり…

家計でもそうですが、何かをやるには何かを削らないといけません。

「それは議員の仕事だろ」とおっしゃるかもしれませんが、

これをみんなで考え、ひとつひとつ判断を出せる街が、持続可能な街なんだと思います。

難しい課題ですが、ぜひ一緒に考えていきましょう!!

2019年02月13日

【教育】

小中連携教育?小中一貫教育?義務教育学校?

2019年2月5日 富山新聞より

おはようございます、高岡市議会議員の瀬川侑希です。

現在、高岡市では小学校再編統合の議論が進んでおります。

12ある中学校のうち、6つの中学校区で何かしらの動きがある、非常に大規模なものになっています。

冒頭の写真は富山新聞の記事ですが、それぞれの中学校区をみると、今後10年でこのような方向性です。

私は、『「小学校再編統合には賛成」だが、「新校舎建設ではなく、既存校舎活用がありき」』、という考えですが(詳しくは下記、以前書いたブログをご覧ください。)、

今回それは一旦横に置いておいて、この小学校再編統合の話には、3つの耳慣れない言葉が登場します。

それは、「小中連携教育」と「小中一貫教育」と「義務教育学校」です。


いっけん似たような言葉にも感じるため、混同しがちになりますが、今後の議論でもよく登場する言葉ですので、今回はこの3つの言葉をみていきたいと思います。

「小中連携教育」

・小・中学校が、互いに情報交換、交流することを通じ、小学校教育から中学校教育への円滑な接続を目指す教育

「小中一貫教育」

・「小中連携教育」のうち、小・中学校が目指す子ども像を共有し、9年間を通じた教育課程を編成し、それに基づき行う系統的な教育

・平成30年3月の文部科学省による全国調査では、全国の14%の教育委員会で小中一貫教育を実施していると回答

・高岡市においては、五位・高岡西部・高陵・伏木・中田の各中学校区で進められる予定

「義務教育学校」

・小学校と中学校の義務教育9年間を弾力的に運用できる

・過程区分は原則、前期6年・後期3年だが、「4-3-2」「5-4」「4-5」など、自由に区切ることもできる

・校長は1人。教員は小・中の両免許が必要だが、経過措置として当面は、小学校免許で小学校過程を、中学校免許で中学校過程をそれぞれ指導が可能

・高岡市においては、国吉中学校区で進められる予定

現在からの変化度としては、

小中連携教育 < 小中一貫教育 < 義務教育学校

といった所です。

さて、高岡市が5つの中学校区で舵を切ろうとしている「小中一貫教育」ですが、全国的には評価する声の方が大きいです。

主な評価としては、

・中学校への進学に不安を覚える児童が減少した(中1ギャップの緩和)

・上級生が下級生の手本になろうとする意識が高まった

などがあります。

一方、課題も指摘されており、

・小・中の教職員間での打ち合わせ時間の確保が、教員の負担増となっている

・9年間、同一集団となるため人間関係が固定化する

などがあります。

今回のブログは基本的に言葉の紹介に留めますが、少しだけ自分の考えを述べさせていただきますと、

私としては、課題もある一方で、プラスの側面を考慮すると、導入によって市として特色ある教育ができるのではないか、と期待しております。

しかし、それと安易な「新校舎建設」は別問題ですので、使えるうちに新しい校舎を建てることに関しては、今後も反対していきます。

また、「小中一貫教育」とならない学校も存在することになります。両者で格差が生まれないよう、注視していかなければならないと考えています。

今回はここまで!

2018年10月10日

【市議会】,【教育】

高岡市初「中学生議会」が開催!

高岡市議会議員の瀬川侑希です。

 

この夏、個人的にはとても嬉しいニュースがありました!

 

高岡市初となる「中学生議会」が開かれたのです!

 

20年前に中学生だった私も、傍聴席で「中学生議員」全員の質問を聞きました。

 

【中学生議会 概要】

・開催日:8月29日(水)

・参加者:市内12校から2名ずつ、計24人の中学生

 

 

実は、昨年の12月議会で私は「高校生や若者の議会を開いては?」と質問していたので、

形は変われど、若者の政治参加や街づくりへの関心形成、郷土教育にもつながる、中学生議会が開催されて非常に嬉しいです。

 

【中学生議員の質問(抜粋)】

・ 高岡にゆかりのあるYouTuberに新商品を使ってもらい、楽しく紹介する動画を配信してもらっては?

・ 今後、確実に外国人労働者が増えると考えるが、増えてからの対応ではなく、どのような準備をしておくか?

・ 高岡市は子どもの発達障害への取り組みは進んでいるように思うが、成人の発達障害への取り組みが足りないのではないか?

 

上記の質問は、その一部ですが、全体的に市議会議員1年生の私から見て中学生議員たちの質問には心動かされる点が多くありました。

・ 中学生ならではの視点があったこと

・ (上記の一方で)大人顔負けの深い考察・掘り下げがあったこと

自分の住んでいる地区のみに限定されるような質問がなく、高岡市全体を考える質問だったこと

「未来の高岡にはこうあってほしい」という、自分なりのビジョンに基づいた未来志向の質問だったこと

 

私自身、過去のブログにも書きましたが、

「〇〇校区代表ではなく、高岡市全体の代表」という姿勢と、

政策を考える際には「30年後の未来を想像した時に、いま必要だと思うこと」という基準を設けて活動しています。

https://segawayuki.net/blog/opinion/koku/

https://segawayuki.net/blog/opinion/「30年後」の未来に僕らは立っている/

 

中学生議員たちの質問にも、私と同じく、高岡市全体を見る姿勢や、未来志向を感じました。

早く、彼らが大人になって「高岡だいすき会」のメンバーになってくれないかな、と期待しています(笑)。

 

 

【中学生議員たちの感想】

後日、中学生議会に参加した生徒から、感想文が届きました。

全員がこの「中学生議会」の全てに満足したというわけではなかったようですが、

不満も含めて、非常にエネルギーに溢れた文章で、楽しく読ませて頂きました。

 

 

【今後の改善点】

今回、まず初めての開催ができたこと自体が高岡市にとっては一歩前進だと思います!

しかし、私たち大人側がもう一歩工夫できることがある、と私は考えます。

それは、「実際に予算の使い道を決める」ところまで持っていってほしいという事です。

 

「議場で提言する」ということと、

「実際に政策を実行にうつす」ということにはやはり大きな隔たりがあるからです。

 

参考事例として、愛知県新城市には「若者議会」というものがあります。

愛知県新城市は人口5万人程度の街ですが、2015年から、若者がまちづくり政策を検討し、実際に1,000万円の予算の使い道を決める、そういった機関を設置しました。

自分の考えを市が聞いてくれる、自分の考えが市の政策に繋がっているという体験は、

充実感となり、会社でいう愛社精神ならぬ、市を愛する気持ちに繋がるかと思います。

 

 

今回の中学生議会自体はごく低予算で開催できるものですが、

せっかくいい仕掛けをしているので、もう一歩踏み込み、若者が実際に少額でも予算決定ができる仕組みになれば、効果が倍増するのではないでしょうか?

 

中学生議員たちの感想に触れ、彼らが大人になる頃までに、絶対に今よりもさらによい高岡市にしよう、と想いを一層強くしました。

これからも頑張ります!!

2018年09月20日

【市議会】,【教育】

9月定例会で私がした質問【学校再編統合】編

こんにちは、高岡市議会議員の瀬川侑希です。

高岡市議会は現在、9月定例会の会期中です。

私にとっては、今回が市議会議員になってから4回目の質問でした。任期としては11月で1年となるのですが、年4回しかできない質問としては、この9月定例会で1周した事になります。

私は、今回「どうしても」確認したい事があり、質問に臨みました。(冒頭の2枚の写真のような表情になってしまうくらい、気迫を込めて臨んだのです。)

その「どうしても」確認したい事というのは「学校再編統合」に関する質問でした。私の気迫が記者の方にも伝わったのか、富山新聞の「記者席」に取り上げていただきました。

この記事を読まれた方はいらっしゃいますでしょうか?

取り上げていただいた事は大変ありがたいと思っていますが、一方、私の意図はこれだけでは伝わらないと感じます。

そこで、今日のブログでは9月定例会で行った質問のうち「学校再編統合」に関する部分の全文を掲載します。

※後日、その他の質問(「財政健全化緊急プログラム」「都市計画マスタープラン」「防災」)についてもこのブログでご報告いたします。

 

【9月定例会一般質問 『学校再編統合』】

(略)

次の大きな項目として「学校再編統合」について伺います。

①まず、高校の話です。2021年度末で閉校となる高岡西高校の利用に関し、高岡市としてはどのようなアイディアがあるのか教えてください。高岡西高校は県の施設であり、跡地をどのように利用するかも基本的に県が考えるものだとは思います。しかし、石井富山県知事も「地元のニーズや希望を聞きたい」とおっしゃっています。高岡西高校は小学校に隣接しており、様々な可能性が考えられます。ぜひ、高岡市としての考えを聞かせてください。

 

次に小学校の話に移ります。6月議会に引き続き、五位中学校区の小学校再編を取り上げます。もちろん、ここに至るまで、地元においては、話し合いを重ねられ、要望をまとめられてきた、その努力には敬意を表しております。しかし、その後の高岡市の議論の進め方に疑問があるため、質問致します。

 

まず、ケーブルテレビなどでご覧の方もいますので、議論の前提となる事を時系列で話します。

4月から7月にかけて有識者による「高岡市教育将来構想検討会議」が開かれ、五位中学校区の小学校再編に関して、議論がなされました。

この間、市議会では、私が6月定例会の質問で新小学校建設にかかる建設費はいくらか、と質問を致しました。

7月27日に「高岡市教育将来構想検討会議」から教育長に、五位中学校隣接地に統合小学校を建設すべき、と報告がされました。

それを踏まえ、8月7日に市長と教育委員会による「高岡市総合教育会議」で、五位中学校隣接地に統合小学校を建設する事が決定されました。

一方、財政面からは、8月29日に有識者による「高岡市財政健全化アドバイザー会議」から、学校再編統合は、新小学校建設ではなく既存施設の活用を基本とする、との提言が市長にありました。

 

それらの事を踏まえて、質問してまいります。

②私から、6月の議会で、「新たに五位中学校区内に小学校を建設する際に必要な土地取得費と建設費をそれぞれ教えてください」という質問をしました。6月時点での回答は、「小学校建設の費用は今後算出していく」との事でしたが、その後費用は算出されましたでしょうか?予定している統合小学校に関し、土地取得費と建設費はいくらを想定しているのか、教えてください。

③というのも、8月7日に新小学校を五位中学校の隣の土地に建てる事を決定されました。隣の土地に建てるという事は、新たに高岡市が土地を取得するという事です。しかし、その事を話し合っていたはずの「高岡市教育将来構想検討会議」と「高岡市総合教育会議」では土地取得費と建設費の検討がなされなかったと認識しています。なぜ、費用面での検討がないまま、五位中学校隣接地に新しい小学校を整備することを決定できるのか、その見解を聞かせてください。

④次の質問に移ります。新小学校を建設すると、跡地利用の問題が1校分増える事になります。3小学校の跡地利用に関し、現時点でのアイディアはあるのか、教えてください。

⑤次に、この項目最後の質問として、高岡市が設置した2つの有識者会議を取り上げます。教育の事を話し合う「高岡市教育将来構想検討会議」と、財政の事を話し合う「高岡市財政健全化アドバイザー会議」です。くしくも、この2つの会議から正反対の提言がありました。「高岡市教育将来構想検討会議」では新小学校建設推進、「高岡市財政健全化アドバイザー会議」では新小学校建設ではなく既存施設の活用を基本とする、というものです。どちらも高岡市が設置した有識者会議です。今のままでは財政健全化アドバイザー会議の提言を1回目から破る事になってしまいます。市はこの2つの会議から出た提言、どちらを選択するのでしょうか?

 

もう一度言いますが、私がなぜ、この新小学校建設の問題を、6月議会に引き続き取り上げたかというと、市民の目線からみると、金額を知らないのに建設を決定するプロセスが、不可解にみえるからです。

 

マイホームを建てる際に、いくらかかるのか分からないまま「この場所に家を建てよう」という大事な決定をする家族がいるでしょうか?

あるいは、新社屋を建設する際に概算金額を知らないまま、建設場所を決定する企業はあるでしょうか?

 

高岡市はなぜこのような決定ができるのですか?

自分のお金ではなく、高岡市のお金だからこのような決定がなされているのではないでしょうか?

私は、今回みたいな決定を繰り返していたから、高岡市は今の財政状況になったのではないかと思います。どのような行政の分野でも、必ず費用について、議論のテーブルにあげて話し合う事を徹底してください。

(略)

以上が、今回『学校再編統合』に関して私が行った質問の全文です。「記者席」にあるように、今回の質問では明確な答えが得られませんでしたが、この思いが多くの市民の方に共有され、また市長や市役所のみなさんにも届くことを願っています。

 

(市の答弁要約)

①⇒県の今後の動向を注視してまいりたい。

②⇒今後内容を精査し、費用等を算出してまいる。

③⇒位置は、地域の状況に即して総合的に検討し、五位中学校の隣接地への建設が望ましいと確認された。

④⇒関係の方々のご意見をお聴きしながら、検討を進めてまいりたい。

⑤⇒高岡市財政健全化アドバイザー会議では、「小中学校等の再編統合にあたっては、教育の充実等に重きを置き、一方で限られた財源の有効活用を図る観点にも留意する必要があることから、既存施設の活用を基本としつつ、総合的な観点から再編統合を進めるよう助言する」との意見をいただいている。また、高岡市教育将来構想検討会議の提言においても、「厳しい財政状況を踏まえ、教育委員会においても限られた資源を集中して教育の充実に充てることができるよう、教育充実に向けた持続可能な体制を整える事が必要である。教育の充実に後れを取る事がないように、また、将来の世代に大きな負担を押し付けるような事とならないように」との意見が明記されている。このように両者において基本的な考え方は共有されており、教育委員会としても、限られた資源を最大限に活用し、持続可能な体制を整え、未来を担う子どもたちの教育の充実に、誠心誠意取り組んでまいりたい。

2018年07月03日

【教育】

高岡市はまた過ちを繰り返すのか-小学校統廃合に思う

こんにちは、瀬川侑希です。

 

以前、ブログでこのような事を書きました。

「30年後」の未来に僕らは立っている

”よくも悪くも、30年前に決まった事の上に僕らは立っています。「今」の決定が「30年後」に「資産」にも「負の遺産」にもなりえます。「今」だけではなく「30年後」の未来にも責任をもって、『あれは俺らの時代に決定したんだぜ!』と子どもたちに誇れるような決断をしていきたいです!!”

 

新高岡駅が高岡駅と離れた場所に建つ事が決まったのは約30年前です。良い面も悪い面もあると思いますが、2つの駅の周辺整備をきっかけに高岡市の財政状況がここまで悪化する事になろうとは、恐らく30年前には予想できなかったのではないでしょうか。

※高岡市は新高岡駅の周辺整備に104億円、高岡駅の周辺整備に150億円を投資(2006年~2014年)

 

さて、そして現在、

高岡市では、小学校の統廃合が進められようとしています。

これには大きく3つの理由があります。

 

①子どもの数が減っている

市内小学生の数は、ピーク時の昭和56年の約40%になっています。

 

②小学校の維持管理費は子どもの数にあまり影響されない

教員の給与は国と県が負担しますのでこの表には表れませんが、それ以外の市町村が負担する部分を見ると、だいたい1小学校あたり年間3,000万円~4,000万円の維持管理費がかかっています。児童が少ない小学校と児童が多い小学校とで維持管理費には大きな差がないのです。

 

③教育の面でも、一定規模を維持した方がよいのではないか

現在高岡市では、1学年30人以下の小学校が6校存在します。少人数教育のよい面もあると思いますが、多様な同級生・多様な先生と出会うためにも、一定の規模は必要かと思います。

 

 

この大きく3つの理由から、高岡市では小学校の統廃合が検討されており、

まずは五位中学校区の東五位小学校、千鳥丘小学校、石堤小学校の統廃合が検討されています。

 

 

私は、小学校の統廃合には賛成の立場です。

しかし、今、高岡市では非常に不可解な決定がなされようとしています。

 

それは、3つの既存小学校のどれかを使うのではなく、統廃合に合わせ、新たに五位中学校隣に土地を取得し、新小学校を建設しようとするものです。

 

 

私は、高岡市の財政悪化の最大の原因は、

公共施設を作りすぎ、そして作ったのと同程度の量を手放せなかった事、

そしてその背景には、地域ごとの予算の引っ張り合いがあったと考えています。

 

例えば、3つの小学校の耐用年数を見ると、

通学区域など利便性を考えると石堤小学校は現実的でないかもしれませんが、

地区の中心である東五位小学校はまだまだ使える施設であり、

東五位小学校よりも古い小学校は高岡市に11校も存在します。

 

一方で、地元自治会からは、

このような意見書が出されており、

 

https://www.city.takaoka.toyama.jp/ksomu/kosodate/tekisei/documents/ikensho.pdf

 

奇しくも、この意見を反映する形で新小学校建設が進められようとしています。

 

これは、検討会議の議事録です。既存校舎では300人が限界だという意見が述べられています。

一方で、過去には東五位小学校に500人が通っていたという事実があるのに、

その事実には触れられずに会議は進んでいきました。

これには、「結論ありき」であり、検討会議とは名ばかりだと思わざるをえません。

 

 

小学校は統廃合していくべきだと思います。

しかし、なぜ、使える既存施設を使わず、新しい校舎を建設するのでしょうか?

一般に新小学校建設には30億ほどかかります。

まして、土地取得のためのお金も必要なので、総費用はもっとかかるのです。

教育にお金はかけるべきだと思いますが、それはハードにではなく、ソフトにかけるべきだと思います。

高岡市では公共施設を削減しようとしているのに、3校の跡地利用の問題も抱え、また公共施設が膨らみます。

 

こういう事をしていたから、高岡市は今の状況を迎えたのではないでしょうか?

昨年度末、市は市民説明会で何度も何度も謝罪していました。

同じ事を繰り返すならば、あの謝罪はなんだったのでしょうか?

年間60万円の費用を抑えるために、市役所内のエスカレーターを停めた、あの覚悟はなんだったのでしょうか?

 

今回の小学校統廃合は、これからの小学校統廃合のモデルとなります。

 

以前のブログにも書きましたが、

私たちが、「なぜ新幹線駅を現駅とくっつけてくれなかったのか?」と少なからず思ったように、

30年後、「なぜあの時期に小学校を建設したのか?小学校の建物ならもともとあったのに…。」と思われる気がしてなりません。

 

「500人以上の児童が通っていた実績があって、まだ耐用年数を迎えていない校舎がある。」ということを天秤に載せずに、「新校舎を建設すべき理由」だけを天秤に載せているような、

そんな進め方は正しい物事のはかり方なのでしょうか。

 

私は、この進め方に非常に憤っています。

進め方に納得いかない以上、新校舎建設には反対です。

高岡市はまた過ちを繰り返すのでしょうか。

 

※補足

今回のブログは、特に当該の地区にゆかりのある方々にとって、不愉快な内容だったかもしれません。ただ、私はこれがもし自分の出身学校だったとしても同じように進め方に憤り、既存校舎が利用できるうちの新校舎建設に反対します。(小学校の統廃合には賛成です。)