2018年07月03日

高岡市はまた過ちを繰り返すのか-小学校統廃合に思う

こんにちは、瀬川侑希です。

 

以前、ブログでこのような事を書きました。

「30年後」の未来に僕らは立っている

”よくも悪くも、30年前に決まった事の上に僕らは立っています。「今」の決定が「30年後」に「資産」にも「負の遺産」にもなりえます。「今」だけではなく「30年後」の未来にも責任をもって、『あれは俺らの時代に決定したんだぜ!』と子どもたちに誇れるような決断をしていきたいです!!”

 

新高岡駅が高岡駅と離れた場所に建つ事が決まったのは約30年前です。良い面も悪い面もあると思いますが、2つの駅の周辺整備をきっかけに高岡市の財政状況がここまで悪化する事になろうとは、恐らく30年前には予想できなかったのではないでしょうか。

※高岡市は新高岡駅の周辺整備に104億円、高岡駅の周辺整備に150億円を投資(2006年~2014年)

 

さて、そして現在、

高岡市では、小学校の統廃合が進められようとしています。

これには大きく3つの理由があります。

 

①子どもの数が減っている

市内小学生の数は、ピーク時の昭和56年の約40%になっています。

 

②小学校の維持管理費は子どもの数にあまり影響されない

教員の給与は国と県が負担しますのでこの表には表れませんが、それ以外の市町村が負担する部分を見ると、だいたい1小学校あたり年間3,000万円~4,000万円の維持管理費がかかっています。児童が少ない小学校と児童が多い小学校とで維持管理費には大きな差がないのです。

 

③教育の面でも、一定規模を維持した方がよいのではないか

現在高岡市では、1学年30人以下の小学校が6校存在します。少人数教育のよい面もあると思いますが、多様な同級生・多様な先生と出会うためにも、一定の規模は必要かと思います。

 

 

この大きく3つの理由から、高岡市では小学校の統廃合が検討されており、

まずは五位中学校区の東五位小学校、千鳥丘小学校、石堤小学校の統廃合が検討されています。

 

 

私は、小学校の統廃合には賛成の立場です。

しかし、今、高岡市では非常に不可解な決定がなされようとしています。

 

それは、3つの既存小学校のどれかを使うのではなく、統廃合に合わせ、新たに五位中学校隣に土地を取得し、新小学校を建設しようとするものです。

 

 

私は、高岡市の財政悪化の最大の原因は、

公共施設を作りすぎ、そして作ったのと同程度の量を手放せなかった事、

そしてその背景には、地域ごとの予算の引っ張り合いがあったと考えています。

 

例えば、3つの小学校の耐用年数を見ると、

通学区域など利便性を考えると石堤小学校は現実的でないかもしれませんが、

地区の中心である東五位小学校はまだまだ使える施設であり、

東五位小学校よりも古い小学校は高岡市に11校も存在します。

 

一方で、地元自治会からは、

このような意見書が出されており、

 

https://www.city.takaoka.toyama.jp/ksomu/kosodate/tekisei/documents/ikensho.pdf

 

奇しくも、この意見を反映する形で新小学校建設が進められようとしています。

 

これは、検討会議の議事録です。既存校舎では300人が限界だという意見が述べられています。

一方で、過去には東五位小学校に500人が通っていたという事実があるのに、

その事実には触れられずに会議は進んでいきました。

これには、「結論ありき」であり、検討会議とは名ばかりだと思わざるをえません。

 

 

小学校は統廃合していくべきだと思います。

しかし、なぜ、使える既存施設を使わず、新しい校舎を建設するのでしょうか?

一般に新小学校建設には30億ほどかかります。

まして、土地取得のためのお金も必要なので、総費用はもっとかかるのです。

教育にお金はかけるべきだと思いますが、それはハードにではなく、ソフトにかけるべきだと思います。

高岡市では公共施設を削減しようとしているのに、3校の跡地利用の問題も抱え、また公共施設が膨らみます。

 

こういう事をしていたから、高岡市は今の状況を迎えたのではないでしょうか?

昨年度末、市は市民説明会で何度も何度も謝罪していました。

同じ事を繰り返すならば、あの謝罪はなんだったのでしょうか?

年間60万円の費用を抑えるために、市役所内のエスカレーターを停めた、あの覚悟はなんだったのでしょうか?

 

今回の小学校統廃合は、これからの小学校統廃合のモデルとなります。

 

以前のブログにも書きましたが、

私たちが、「なぜ新幹線駅を現駅とくっつけてくれなかったのか?」と少なからず思ったように、

30年後、「なぜあの時期に小学校を建設したのか?小学校の建物ならもともとあったのに…。」と思われる気がしてなりません。

 

「500人以上の児童が通っていた実績があって、まだ耐用年数を迎えていない校舎がある。」ということを天秤に載せずに、「新校舎を建設すべき理由」だけを天秤に載せているような、

そんな進め方は正しい物事のはかり方なのでしょうか。

 

私は、この進め方に非常に憤っています。

進め方に納得いかない以上、新校舎建設には反対です。

高岡市はまた過ちを繰り返すのでしょうか。

 

※補足

今回のブログは、特に当該の地区にゆかりのある方々にとって、不愉快な内容だったかもしれません。ただ、私はこれがもし自分の出身学校だったとしても同じように進め方に憤り、既存校舎が利用できるうちの新校舎建設に反対します。(小学校の統廃合には賛成です。)